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【英国人の視点】選手にブーイングの浦和、地域の象徴となった松本。クラブとサポーターの在り方を考える
地域のシンボルとなった松本のサポーター
Jリーグには様々な特徴を持つサポーターがいるクラブが存在する。選手に厳しい目を向けるサポーター、クラブ以前に存在したサポーター。英国人ジャーナリストは、彼らをどう見たのだろうか。
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浦和レッズは、AFCアジアチャンピオンズリーグでブリスベン・ロアーにホームで1-0の敗戦を喫し、2015シーズンは3連敗スタートとスランプに陥っていた。試合後、阿部勇樹主将はブーイングを送るホームゴール裏のサポーターに忍耐することを要求した。
オフにリーグ最高のタレントを有する選手たちを補強したが、クラブは2014シーズン終盤から現在まで続く負の連鎖を止められなかった。Jリーグ開幕戦となった湘南ベルマーレ戦では勝利し、まずは連敗を断ち切った浦和。だが、もう一度ACLブリスベン戦を思い返すと、Jリーグ開幕節の豊田スタジアムと味の素スタジアムのムードとは対照的であった。
1万人の松本山雅ファンは、クラブのJ1デビュー戦に向けて愛知へと遠征し、期待以上の結果に喜んでいることだろう。スリリングな3-3のドローで1ポイントを得るにとどまったが、駆けつけた群衆に不満の色は全くない。多くのサポーターが、2010年に当時3部のJFLに所属していたクラブの歴史的瞬間を見届けようと、午前3時にスタジアムに到着し、午後2時のキックオフを待った。
Jリーグのクラブは、チーム数増加とともに地域密着への試みを促進してきた。作為的ながら究極的に無益なダービー、可愛いらしくもあり、紛らわしく、ぞっとするような姿をしたマスコット、スタジアムでパフォーマンスをするひどいタレントグループの起用が代表的だ。しかし、松本はサポーターの代表としてクラブが存在し、他とは一線を画するチームとして注目された。
松本は地域のシンボルとしての役割を全うしているが、その評判は外部から生まれたわけではない。サポーターは松本が現在の姿になる以前から存在しており、地元に誇りをもつ人々はクラブをサポートすることで故郷に対する思いを表現してきた。松本は地域に誇りを生み出して支援を試みる他の新しいJリーグクラブとは対照的な立ち位置にいる。
新たな1歩を踏み出した東京V
松本が3ポイントをつかみかけた最高のデビュー戦の翌日、かつて名門だった東京ヴェルディは、2014年にJ3に降格寸前だったにもかかわらず、J2の開幕戦でセレッソ大阪相手に堂々の試合を見せ、サポーターから敬意を表されると同時に忍耐を強いるに値するチームであることを証明した。…