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鉛筆で描いた線が、ウェアラブルなセンサーに
黒鉛の性質を使って、既存の歪みセンサーに並ぶ精度。
毎日コンピューターの画面に向かっていると、紙と鉛筆のアナログな手触りを心地よく感じることがあります。が、鉛筆の良さはそれだけじゃなく、もっとハイテクな使い方がありそうです。ある研究チームによれば、シンプルな鉛筆の線が物の形の変化を測定するための正確なセンサーになりうるらしいのです。
北京科技大学の研究チームでは、普通の紙に鉛筆で描いた線を物体の歪みの測定に使う方法を研究してきました。鉛筆の黒鉛は電気を伝導しますが、電気抵抗が非常に高くなっています。そして線が描かれた紙が変形すれば、その電気抵抗値が微妙に変化します。New Scientistによれば、研究チームはそれを利用しました。つまり、紙に鉛筆で長方形を描いてその紙を曲げ、その際の電気抵抗の変化を正確に測定することで、紙が曲がった角度も測定できたのです。
彼らはまた、鉛筆で線を描いた紙を人間の指や本や定規に貼りつけて、指の動きや本のページが開いた角度、定規の曲がり具合を測定することにも成功しました。歪みを測定することで、物体にかかる圧力を推定することもできます。さらにすごいのは、その測定結果が一般的に買えるセンサーとほぼ同じくらい正確だったことです。これらの結果は、Advanced Functional Materialsで公開されています。
紙と鉛筆ならほとんどタダみたいなものだし、設置も簡単なので、それでセンサーができるとなるといろんな使い道が考えられます。たとえばDIY好きなホビイストにも、学校でセンサーの概念を教えたい先生にも歓迎されそうですが、もっと身近な用途があります。研究チームが考えているのは、たとえばウェアラブルデバイスとかアラームシステム、スマートホームの中での物の変化の検知に使えるのではということです。鉛筆なんて久しく触ってないという人も、近い将来今までにない理由でそれを手にするようになるのかもしれません。
Image by KmG’s Randomizzing world under Creative Commons license
source: Advanced Functional Materials via New Scientist
Jamie Condliffe – Gizmodo US[原文]
(miho)
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