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夭折した天才数学者 囲碁通じて「答えのない世界」を知った

夭折した天才数学者 囲碁通じて「答えのない世界」を知った 

 囲碁の奥深さを伝えるインストラクターの押田華奈さん

  ヨーロッパではコンピューター技師、建築士、画家、数学者などに「碁打ち」が多い。黒と白の碁石を打ち合い、最終的に陣地の大きさを競う囲碁は、“小宇宙”に例えられるほど広い視野を捉える目がものをいう。

 「碁は試行錯誤と構想力のバランスが大切。頭を使う機会、きっかけとしてはとてもいいと思います」

  かつて囲碁専門紙にこう語っていたのは、日本の若き数学者、長尾健太郎さん。開成高校、東京大学、京都大学大学院、オックスフォード大学への留学と、絵に描いたようなエリート街道を歩み、将来を嘱望されていた長尾さん。6歳から始めた碁の腕前も、とっくに趣味の域を超えていた。

  昨年まで名古屋大学の助教として携わっていた研究分野は、「多元数理科学」。これも長尾さん自身の言葉を借りれば、「物理学の6次元を出発点に、新しい空間を調べていくと、はじめの幾何学からは想像もつかないような構造が見えてくる……」のだそうだ。

  一般人には到底理解できない数学者という職業。その驚くべき頭脳構造や碁との共通項に迫るべく長尾さんにインタビューしたかったが、彼はもういない――。昨年10月、「胞巣状軟部肉腫」と呼ばれる難病と16年にわたって闘った末、31歳の若さでこの世を去った。

  数学と囲碁。この先時間をかけて突き詰めたいことはいくらでもあったはず。だが、もっとも志半ばで無念だったのは、愛すべき家族との人生設計だったろう。妻の華奈さん(32)と息子の想太くん(3)との明るい未来が途絶えてしまったのだから。

  ダイヤモンド囲碁サロン(東京・千代田区)でインストラクターをする妻の押田(旧姓)華奈さん(32)はいう。

 「彼はとにかく明るい人だったから大病をしていても暗い雰囲気はなかったし、結婚して彼の留学先であるイギリスに滞在していたときは、毎日デートしているような気分でした。子供ができてからも普通の家族以上にいろんな場所にも出掛けましたしね。短い人生だったけど、常に家族想いで楽しい思い出をたくさん残してくれたことに感謝しています」

  病気とは無縁でも数学者と聞けば、気難しい性格でひとり自宅にこもっていつも研究に没頭している姿を想像しがちだが、長尾さんの人物像は正反対だった。

  2人の共通の知人である囲碁ライターの内藤由起子さんが話す。

 「東大出身ともなると、長尾さんに限らず正解のある受験戦争を勝ち抜いてきた人ばかり。でも、碁は他のゲームと違って相手を全滅しようとするとうまくいかないゲーム。陣地を欲張らずに相手にも満足してもらい、自分が少しだけ得するくらいがうまくいくようにできているので、平和なゲームともいえます。エリートのみなさんにはとくに負ける経験も必要ですしね。

  だから、碁は人生を歩んでいくうえでも大事なことを教えてくれるのです。囲碁には“敗着”はあっても“勝着”はめったにありません。負けてもらうゲームなのです。常に相手の立場で考えることで、相手の気持ちを労わる心も芽生える。長尾さん夫婦はお互いに碁を通じてそんな他人を思いやる優しさが染みついていたのだと思います」(内藤さん)

  現在、東大や早稲田、慶応、青山学院など15校以上の名門大学で、正式な単位が取得できる一般教養課程として囲碁が採用されている。現代の若者が答えのない社会で逡巡したとき、生きるヒントを得るために碁が有効だからだ。

  それは、碁の奥深さを伝える役目を担う押田さんも痛感している。いずれは息子の想太くんに碁を通じて人生を教え、将来は親子で「ペア囲碁選手権」に出場したいと話す。そして、最愛の夫を亡くしたいま、自分自身の決意も新たにする。

 「たまには教えるばかりではなく、真剣に打ち込んでみようかと思っています。いつまでもクヨクヨせずに少しずつ前を向いて頑張るためには、気持ちを落ち着かせて碁に没頭することも大事なのかもしれませんね」

  囲碁で育んだ大切な絆を心にしまいつつ、新しい自分と向き合うためにさらに碁を深めたい。こんな健気な押田さんを、天国の長尾さんは優しい眼差しで見守っているに違いない。

 ■取材・文/田中宏季
 ■撮影/山崎力夫

 
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