自分で驚く好発進＝宮原、強豪ロシアに迫る－世界フィギュア

　

　 女子ＳＰで演技する宮原知子＝２６日、中国・上海

　 　強豪ロシアに、ぐっと迫った。冒頭の連続３回転を決め、宮原は軽やかに舞った。全ての要素で加点を得る会心のＳＰ。自己ベストを２点余り更新し、３位と好発進した。「びっくり」。１７歳になった小柄な全日本女王が、大きく見えた。
　　出だしの得点源に力を注いだ。連続３回転の１本目、ルッツで体が右に傾く癖があるため、意識して右側を起こして飛んだ。見事な着氷で２本目のトーループにつなげ、「思ったよりうまく飛べたので、あとは自然に演じられた」と笑った。
　　フリーで逆転されて悔いが残った２月の四大陸選手権後、ジャンプで回転不足の原因だった助走のスピード不足と振り付けを見直した。連続３回転へ向かう助走の速度は十分。内気な自分を鼓舞するように、顔の表情をつくって演じ切った。
　　首位のトゥクタミシェワは別格としても、２位ラジオノワとの差はわずか２点余り。ロシアと米国の層が厚い今大会で、苦戦の予想を覆して初舞台のメダルを視界に入れた。「フリーでも自己ベストを出して、思い出に残る楽しい大会にできれば」。威勢のいい言葉はなくても、シャイな笑顔に自信が垣間見えた。（上海時事）