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歌舞伎と現代演劇のコラボ、木ノ下歌舞伎『黒塚』を見逃すな!
『黒塚』
演劇はよく観るけど、歌舞伎などの古典芸能は敷居が高そうで観たことがない…という人、結構多いのでは? そんな人にオススメしたいのが、京都の「木ノ下歌舞伎」。若いながらも古典芸能に精通した木ノ下裕一が主宰・監修を務め、同世代の演出家とともに、古典作品の新演出に挑戦するユニットだ。これまでも『勧進帳』『義経千本桜』などの名作を現代風のスタイルで上演してきたが、その中でも傑作との評判が高い『黒塚』の再演ツアーが現在行われている。
関連記事:歌舞伎の演目も様々な形で上演されています。その一部をエンタステージでも紹介していきます!
『黒塚』は戦前(昭和14年)に作られた比較的新しい演目で、能や文楽の題材にもなった安達が原の鬼婆伝説がベース。西洋風のダンス&演出を取り入れた斬新さで、近代歌舞伎舞踊劇の金字塔とも言われている。そして木ノ下歌舞伎版ではさらに、今の時代ならではの演出や解釈を盛り込んだ舞台となっていた。
まず道に迷った僧たちの一団が、平台を組んだだけのシンプルな舞台上に登場する。彼らの服装は完全に現代の山登りスタイルで、口調や仕草も現代人と変わりはない。しかしそこに謎の老婆が現れてから、舞台の空気は一変。彼女の重々しい文語口調と所作によって、一気に古典と現代が入り交じった異空間となる。この老婆のセリフは、ごく自然な流れで解説的なものが入るので、古典の言い回しに慣れていなくても非常にわかりやすい。
『黒塚』
演出面では、音曲にラップを使ったり、ヒップホップの動きを取り入れたり、老婆と僧たちの動きのズレから生まれる笑いを挿入するなどの工夫が。その一方で、足さばきや表情の作り方などで、歌舞伎の演技・演出法を効果的に使ってみせる場面もあった。物語の方も、オリジナルの歌舞伎では語られない鬼婆の悲話を加え、彼女の正体を暴いてしまう僧たちの浅ましさにも言及。単なる化物退治の話では収まらない、深いテーマ性を帯びたスペクタクルに圧倒される好舞台だった。
『黒塚』
実際2月の東海&関西ツアーは、リピーターも少なくなかったというほど好評だったそう。そんな『黒塚』について、主宰の木ノ下はこうコメントしている。
「歌舞伎への批評的な視点と、リスペクトの両方を大切にしながら、毎回作品を作っています。『黒塚』は、私たちのひとつの〈到達点〉です。歌舞伎好きなら思わずニヤリとしてしまう箇所も随所あり、また全く知らなくても十分に楽しんでいただけると思います。…