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「お客さまは神様ではない」時代
「お客さまは神様」
「お客様の小言は神の声」とパナソニック創業者、松下幸之助が掲げるように、長い間、日本の企業は、この考え方を当たり前のものとして受け入れて来た。
この言葉の背景には、高度経済成長を中心に、知人、友人、隣人と同じような暮らしをしたいという日本人の願望があった。「一億総中流」と呼ばれたように、多くの日本人は同じようなモノを欲しがり、同じような希望を抱いていた。企業としては、あるお客さんの要望を聞くことは、他の多くの日本人に当てはまることと類似だったのだ。したがって「お客さまは神様」という言葉は、まさにその通りだった。
しかし、もうその時代は終わった。
日本人の嗜好やライフスタイルは多様化している。また以前と比べて、貧富の差も少しづつ開き始めている。企業にとって「お客さまは神様」という言葉は、時には企業にとってマイナスをもたらすことすら出始めた。
例えば先日、ある一流ホテルで打合せをすることがあった。そこは大きなホテルではないが、富裕層を中心に利用されるホテルだ。そこで目にしたのは、Tシャツ、短パン姿の若い男性、妻と思われる女性、そしてそこかしこでタバコを吸っていた母親と思われる女性だ。
男性は、まわりに響き渡るような大きな声でホテル従業員の対応についてクレームを言っていた。聞いていると、何かを案内された方法がきにいらなかったようだった。本当に小さな問題で、それほど怒る問題ではないのは明らかだった。謝罪を続けるホテルマンに対して、彼は自分の部屋までさらに謝罪に来るように伝えていた。
まわりの人達は、場にそぐわない彼らの立ち居振る舞いに明らかに不快感を示していた。ホテル側を気の毒だと思った人も、私だけではなかったはずだ。
ただ、ホテル側に否はほとんど無かったとしても、周りの人にとってみれば迷惑な話だ。自分たちは、そのホテルにくればくつろげたり、静かに話が出来たり出来るから来ているのだ。一度ならまだしも、このような状況が続くならば、本当に良いお客さんが徐々にいなくなってしまうのだ。
「お客さまは神様」というのは間違いではないが、現在において「企業にとってターゲットであるお客さまは神様」というのが正しい。誰もがお客さまという時代は終わった。
日用品など一部の業界は除くが、多くの業界において、これからの時代のマーケティングは”優良なお客さまと、出来るだけ長く良好な関係を続けること”であり”優良なお客さま予備軍を確保し、育てること”だ。…