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3月14日開業! 北陸新幹線の魅力と楽しみ方
■東京~金沢間が2時間28分に!
これまで東京から富山、金沢など北陸へ向かうときには、上越新幹線の越後湯沢駅で在来線の特急に乗り換える必要があり、東京駅~金沢駅間の所要時間は最速3時間47分だった。今年3月14日に北陸新幹線の延伸区間が開業すると、最速の“かがやき”で2時間28分と1時間19分もの短縮になる。これまで関東圏から距離感があった北陸の町がぐっと身近になる。
2月5日、長野駅~金沢駅開業を前にして報道向けの試乗会が行われた。
乗車区間は大宮駅から、すでに開業している長野駅を経由して金沢駅までの往復だ。大宮駅に到着した試乗会列車は、1年ほど前から東京駅~長野駅間で走っているE7系(JR東日本車両がE7系、JR西日本車両がW7系で基本的には同じ設計の車両)だ。ノーズ部分から屋根にかけてが“空色”、車体が“アイボリーホワイト”、それに“銅色(カッパー)”のラインが描かれている。先頭の形状はJRが“ワンモーションライン”と呼ぶ「スピード感を出すシンプルなデザイン」で、最近の鋭利なスタイルの新幹線車両と比べて穏やかな印象だ。
大宮駅を出発して約1時間で長野駅に到着、ここまでは1997年に長野オリンピックを機に開業していた区間だ。長野駅から先が今回延伸開業する区間、長野の町を眺めながら進み、日本でいちばん長い河川の千曲川を渡る。長い橋梁も一瞬で通り過ぎるので、気づかない人も多いほどだ。
この新規開業区間は、トンネルの比率が4割以上と聞いていたので、正直それほど車窓の景色には期待をしていなかった。ところが実際に乗車してみると、高架線で視線が高く、予想以上に景色が美しかった。飯山駅から上越妙高駅間では戸隠など上越の山々を、黒部宇奈月温泉駅前後では立山連峰を望むことができる。そして、新幹線として日本海の近くを走り続けるのも初めてのことだ。糸魚川駅付近では青い海も見ることができた。
■金沢駅は一見の価値あり
普通座席のシートは金沢に向けて右側がABCの3列、左側がDEの2列になっている。天気の良い日に山の風景を見た場合はE席がお奨めだ。(グリーン車はD席、グランクラスはC席が山側) みどりの窓口などでE席を指定してチケットを取りたい。
北陸新幹線の列車は、北陸路をひた走る。ここで試乗会ならではのサービスで、運転士からの放送が流れた。
「現在列車は260Km/h、定時で運転中です……快適な旅をお楽しみください」
北陸新幹線列車の最高速度は260Km/hで運転される。…東北新幹線大宮駅~盛岡駅の“はやぶさ”“こまち”の最高速度が320Km/hであるのと比べてやや低速だ。これは整備新幹線と呼ばれる規格で軌道が敷かれているためだ。
車両の形状も“はやぶさ”のE5系、“こまち”のE6系の先頭はノーズ部分が約15mもあるのに対して、北陸新幹線用のE7系、W7系のノーズ部分は約9mと短く穏やかな印象だ。その分、居住スペースが広くなっているのが特徴だ。
大宮駅を出発して約2時間10分で金沢駅へと到着した。これまでの金沢までの距離感があるためか、「もう着いたの?」という声が上がるほどだ。特に富山駅から金沢駅間の58.5kmはわずか18分、観光やビジネスでも富山と金沢の町を一体と考えて行動できる範疇だ。
金沢駅に降りて、まず目に付いたのが屋根を支える柱に飾られた金箔、60本の柱に金沢の名産で知られる金箔を2万枚以上貼ってあるというから驚きだ。そのほかにも和紙や加賀友禅、輪島塗などの伝統工芸で駅は彩られている。駅に降り立った時には、少し時間を作って探してみたい。
■さあ、冨山、石川の旅に出よう!
金沢駅から大宮駅へと向かう帰りの試乗会列車では車内の見学会があった。まずはグランクラス。東北本線の“はやぶさ”などに使われるE5系から導入された、いわば鉄道のファーストクラス席だ。シートは2列+1列で1両の定員が18人、本革張りのシートは電動リクライニングで用途に応じた2種類のテーブルも完備している。車両としてもグランクラスのある12号車だけはフルアクティブサスペンションを導入して走行中の揺れを抑えている。
また、アテンダントが乗車してウエルカムドリンクなどのサービスもしてくれる。東京駅~金沢駅間のグランクラスを使用した場合の料金は2万6970円、普通座席の場合が1万4120円なので、倍近い料金ではあるが、一度は乗ってみたいシートだ。尚、グランクラス車両は編成の端にあり、チケットを持った人以外は立ち入れないので、通過する人に煩わされないのも魅力だ。
グリーン車は「伝統的な様式美」を表現する、ブルーを貴重とした落ち着いたインテリアだ。普通車もシックなシートに明るい照明で旅を楽しむことができる。
北陸新幹線の開業後の列車名は、
“かがやき” 東京駅~金沢駅 10往復の速達タイプ
“はくたか” 東京駅~金沢駅 14往復、長野駅~金沢駅1往復の停車タイプ
“つるぎ” 富山駅~金沢駅 18往復のシャトルタイプ
“あさま” 東京駅~長野駅 16往復の現長野新幹線タイプ
の4種類になり、用途に応じた列車設定がしてある。
交通の便から、なかなか北陸に足が向かなかった方々も、延伸開業する北陸新幹線に乗って富山、石川の旅を楽しんでいただきたい。
フォトグラファー 佐々倉実=撮影・文