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元女性記者がネットで告発、中国の「不都合な真実」
「これはおととし1月の北京のPM2.5の値です。私のいる街は25日間もスモッグに包まれていました」(柴静さん)
ショッキングなデータで始まるこのドキュメンタリーを制作したのは柴静さん。去年まで国営中国中央テレビの記者でした。きっかけは、娘が先天性の病気を持って生まれてきたことでした。
「以前の私は大気汚染を怖いなんて思わず、マスクもしませんでした。しかし、我が子がこの空気を吸い込むと考えたとき恐ろしくなりました」(柴静さん)
大気汚染の正体を調べようと決意した柴さんは、まずその原因や人体への影響の取材に取りかかりました。
「これはPM2.5を測定する装置です。フィルターをセットし、24時間持ち歩いてみました。きれいだったフィルターはこうなりました。何か対策を取らなければ、私も子どももこれを全て吸い込むのです」(柴静さん)
2月28日に、インターネットの無料動画サイトで公開されたこのドキュメンタリーは、わずか24時間で1億回以上も再生されました。中国の人々が、大気汚染にいかに関心を持っているかを物語っています。
「彼女は皆が言えないことを言ってくれた」(市民)
「彼女は偉大な母親です。ここで暮らすのは危ない。マスクを買わないと」(市民)
排ガス規制が守られていない現実。そして汚染の最大の原因である石炭に依存せざるをえない中国社会の構造に切り込んだ1時間40分余りのこの作品。およそ2000万円にのぼる制作費を負担したという柴さんが、自ら聴衆に語り掛けるこのスタイルは2006年に元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏が、地球温暖化問題を訴えた映画「不都合な真実」を彷彿とさせます。
「汚染の経緯から解決方法まで全部説明してくれたのが良かったです」(市民)
中国では5日、国会にあたる全人代=全国人民代表大会が開幕し、大気汚染への対策は主要テーマの1つとなります。
「私たちが打ち出した環境保護法は、史上最も厳しいと言われています。汚染に対しては『ゼロ容認』罰則も極めて厳しいです」(全人代 傅瑩報道官)
情報の規制が厳しい中国にあって、全人代の直前に大気汚染を告発する作品が公開されるというタイミングの良さに、一部からは「エネルギー産業を牛耳る巨大な国有企業にメスを入れたい習近平指導部が作品を政治的に利用しているのでは」との声も挙がっています。しかし、多くの一般市民が大気汚染の実態を知るきっかけとなったことは間違いありません。
ドキュメンタリーの最後、柴さんはこう呼びかけます。
「大気汚染を改善するには小さな力かもしれません。でも、私たち1人1人が貢献すれば、この現状を変えられると思いませんか」(柴静さん)
(04日18:15)