仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
バラ積み部品の認識→ピッキングを5秒で実現するマシンビジョン技術
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は11月5日、3次元認識で工場の生産性を向上させることが可能なマシンビジョンシステム「RV1100」の技術ならびに国内販売戦略の説明会を開催。同11日には、同システムの説明動画をYoutubeの同社の公式アカウントにて公開も行った。
3Dマシンビジョンシステム「RV1100」
同マシンビジョンは、工場などでのバラ置き部品の供給など、いまだに自動化されておらず人も手が介在している工程の自動化を目的に開発されたシステム。人力で行うよりも短タクト化や省人化を図り、生産性向上や生産コスト低減を実現することができる。
具体的には自動車製造や自動車部品製造におけるプレス部品などをピッキングして、次の工程に渡すために整理するといったシーンを想定しているという。バラ積みされた部品をピッキング用ロボットが取れるように並べる作業は従来、人の手で行われていたが、これをマシンビジョンを介してロボットに行わせようというもので、RV1100のビジョンヘッドには物体識別用のプロジェクタとカメラが搭載されており、これを活用することで3次元的にパーツの認識を実現することを可能にする。
「RV1100」のシステム概要と、動作の手順イメージ
どうやって3次元的にパーツを認識しているかというと、プロジェクタでパターンを投影し、それを点群データとしてカメラで得て、奥行きデータを確保。事前に作成しておいた3D CADモデルによるパーツデータと比較して、近い形状であればパーツとして認識し、ロボットに把持する指令を出すという具合だ。処理としては3Dの点群データを距離データとして、画像のエッジデータ(濃淡画像)を水平データとして組み合わせることで環境光などの外乱の影響が受けにくく、かつ高精度なマッチングを実現したという。最後はマッチングしたデータに対し、ロボットが把持に行けるかどうかを判断し、問題ないようであれば把持する命令を出すこととなる。
「RV1100」のビジョンヘッド。左にプロジェクタ、右にカメラが搭載されている
実際の作業時間としては、計測して物体を認識するまでに2.5秒、ロボットが実際にパーツを取りに行く時間が2.5秒程度、合計5秒程度で1回の一連の動作を終えることが可能。競合のソリューションでは、最初のワークサイズに対して、水平があるかどうかを3次元ビジョンで認識し、パーツを取り出し、そこから2次元ビジョンで部品の姿勢を確認するという手順をとっていたが、同ソリューションでは、山積み状態のまま位置や形状の認識ができるため、アクションの低減が可能となったほか、平面でなくても物体を認識することが可能となったため、高速処理を実現できたという。また、かなり複雑な構造の物体も認識が可能なほか、モデルの登録も3D CADデータの入力と、バラ積みされたパーツをパターンを変えて5回程度撮影するだけで良いため、立ち上げ時間を競合のソリューションに比べ最大80%短縮することが可能だという。
左上が実際のパレットに置かれたパーツにプロジェクタの光が投影されたもの。右上はそのデータを画像解析し、把持しやすいパーツを認識した画像。下段はロボットハンドと把持ポイントのマッチングで、把持できるポイントでは緑に、NGのポイントではオレンジで表示されている
同社が最優先ターゲットとするのはロボットメーカーで、その特性上、6軸以上の多関節ロボットと連動させないと意味がないことから、国内の大手ロボットメーカーとは通信プロトコルの面などで協業して開発を行ってきており、ロボットメーカーからの商流を作ろうという取り組みを進めているという。また、ロボットメーカーのほかにも自動車メーカーならびに自動車部品メーカー、そしてSIerもターゲットとしており、そうした分野に向け、営業部隊のほか、販売推進、技術、サービスなど全社含めた一体型のサービスの提供を進めていくとする。
なお、同社では2014年末までに30台の販売を見込んでいるほか、2016年ころには月産30台の生産体制を構築。2015年からの海外への本格販売の展開も含め、2017年には年間300台規模にまで事業を成長させる計画としている。
RV1100の概要
東芝、夜間の歩行者認識と静止障害物検知能力を向上させたプロセッサを発表
東芝は11月13日、次世代画像認識用プロセッサ「Viscont 4シリーズ」を開発し、第1弾としてカメラからの入力映像を処理し、自動車周辺の車線、車両、歩行者、標識などを認識する車載向けの画像認識用プロセッサ「TMPV7608XBG」を2015年1月からサンプル出荷し、2016年12月から量産を開始すると発表した。
同製品は、2018年に欧州で施行予定の新車安全性能評価「Euro NCAP(New Car Assessment Programme)」で要求される昼夜での歩行者衝突回避などの次世代先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)への採用を目指したもので、夜間の歩行者などの認識において、従来方式の輝度情報に加え、色情報での識別が可能な独自の新認識装置「Enhanced CoHOGアクセラレータ」を搭載することで、従来機種の昼間の認識性能と同等レベルの認識を可能にしたという。
また、従来機種から実現していた歩行者や車両など事前登録した障害物の認識に加え、単眼カメラの時系列の画像情報から静止物の距離、高さ・幅の3次元情報の推定が可能となり、事前登録のない落下物・落石・土砂崩れなどの予期せぬ障害物も検知することができるようになりったという。
さらに、倍精度浮動小数点演算処理に対応した8個の画像処理エンジン「Media Processing Engine」と14個の各種画像処理アクセラレータを搭載することで、最大8つの画像認識アプリケーションの同時実行が可能となったほか、画像処理エンジンとアクセラレータは、最大266.7MHzの動作周波数で駆動するため、歩行者、車両などの同時認識を50ms以内に実行することが可能だという。
なお同社では、Visconti 4の使用条件で最大効率が得られるよう電圧および電流を最適化したシステム電源IC「TC9580FTG」も合わせて製品化し、2014年11月末からサンプル出荷し、2015年11月に量産を開始する予定だとしている。
画像認識用プロセッサ「Visconti 4」
ADI、データコンバータからFPGAへの接続を簡素化する開発キットを発表
Analog Devices(ADI)は11月13日、ワイドダイナミックレンジのGSPS(ギガサンプル/秒)データコンバータからFPGAへの接続を簡素化するラピッドプロトタイピングキット「AD-FMCDAQ2-EBZ」を発表した。
同キットは、レーダや計測器、ワイヤレスラジオ、さらにその他のデータアクイジションアプリケーション向けに、XilinxのFPGA「UltraScale」やオールプログラマブルSoC「Zynq」デバイスなどの主要FPGAプラットフォーム上で、高速JEDEC JESD204B SerDes GSPSデータコンバータからFPGAへのインタフェースの迅速なプロトタイピングが実現できる。また、ハードウェアと処理アルゴリズムの照合、プロトタイプから生産への迅速な移行を実現するFMCフォームファクタのプロトタイピングシステムであり、ワイドバンドRF信号処理システム設計に伴う時間とリスクを節減できる。さらに、性能、帯域幅、および集積機能により、業界最高のダイナミックレンジと最良のノイズ性能を実現する。これにより、混雑したRF環境において、これまでにない広い帯域幅にわたり、より優れたシグナルアクイジションを達成できるという。
この他、超高速データコンバータ、ドライバアンプ、クロック、およびパワーマネジメントICを含む検証済みのリファレンス設計が提供される。加えて、HDL(ハードウェア記述言語)コードやデバイスドライバ、アイアナライザツール、および同社のEngineerZoneオンライン技術サポートコミュニティにおけるオンラインサポートも提供される。
また、「AD-FMCDAQ2-EBZ」には、オンボードデュアルチャネル14ビット1GSPS A/Dコンバータ(ADC)「AD9680」が含まれている。1GHz入力をコンバージョンする場合、80dBcのスプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)性能と61.4dBFSのS/N比(SNR)を実現しながら、チャネル当たりの全消費電力は1.65Wと微小である。さらに、4チャネル16ビットD/Aコンバータ(DAC)「AD9144」が含まれており、そのうち2チャネルはボード上でアクセスできる。82-dBcのSFDRと2.8GSPSの最大サンプル速度で、最高Nyquist周波数までのマルチキャリア生成が可能となっている。そして、低ジッタクロック発生器「AD9523-1」も含まれており、オンチップPLLや2個のVCO分周器付きVCOとの相乗効果で、低ジッタ性能でかつ低パワーのマルチ出力クロック配分機能を提供する。
なお、「AD-FMCDAQ2-EBZ」の価格は1495ドル。すでに量産出荷を開始している。
ワイドダイナミックレンジのGSPSデータコンバータからFPGAへの接続を簡素化するラピッドプロトタイピングキット「AD-FMCDAQ2-EBZ」
セイコークロック、透明型およびマルチカラー型無機EL発光シートを開発
セイコークロックは11月12日、透明分散型無機EL発光シート、およびマルチカラー分散型無機EL発光シートを開発したと発表した。12月よりサンプル出荷を開始する。
無機ELシートは発光層・誘電体層・電極層など複数の印刷層から構成されるが、従来品の各印刷材料は不透明だった。今回、独自技術により、全ての印刷層の材料を透明化し、無機ELシート完成体の透明化を実現した。これにより、表裏両面が発光するという特徴も併せ持つことが可能になった。用途として、ソーラーセルと組み合わせた腕時計の文字板照光、各種メータのバックライト、両面発光サインボードなどを想定しているという。
また、透明ELと従来ELの2層構造にすることにより、マルチカラー化を実現した。これにより、発光色A、発光色B、発光色A+Bの3色の発光が可能となる。用途として、各種液晶表示器やスイッチシート・表示シートに搭載し、バックライト色を切り替えることによりモード変更やアラートなど、状態を判りやすく表示することなどを想定している。その他、店舗サインや誘導サインなど、各種サインボードにも活用できるとしている。
なお、透明分散型無機ELシートは、輝度が透過率50%タイプで約50cd/m2、透過率70%タイプで約30cd/m2。輝度半減寿命は1000時間。厚さは約0.15mmである。マルチカラー分散型無機ELシートは、1色目の輝度が約60cd/m2で、2色目・3色目は発光色による。輝度半減寿命は1000時間。厚さは約0.3mmとなっている。
透明分散型無機ELシート
マルチカラー分散型無機ELシート
富士通研、LTE-Advancedに対応した基地局配置の設計技術を開発
富士通研究所は11月11日、LTE-Advancedに対応した無線基地局の最適な位置をシミュレーションにより決定して配置する設計技術を開発したと発表した。
詳細は、10月30日からシンガポールで開催された国際会議「SmartCom 2014」にて発表された。
近年のモバイル通信では、メールやWebアクセス、ストリーミングなどのデータ通信が主流となっており、データ通信を目的とした基地局配置の設計では、ユーザーの通信速度を最適化し、ユーザーの体感通信速度や、つながりやすさを向上することが重要になっている。そのため、ユーザーの通信速度を高速に計算するアルゴリズムの開発が行われてきた。最新の通信規格であるLTE-Advancedで採用された基地局間協調伝送では、1つの端末がマクロ基地局と小型基地局の両方から同一信号を受信することで、セル間干渉を回避することができる。
従来の手法では、各基地局が独立にユーザー割り当てのスケジューリングを行うことを仮定して、ユーザーの割当率を高速演算アルゴリズムにより計算していた。同方法は基地局間協調伝送に対応していないため、ユーザーの割当率を正しく計算できず、基地局間協調の機能を持った基地局では、最適な設置位置を判定することができなかった。
そこで今回、基地局間協調伝送を考慮してユーザーの割当率を正しく計算可能な基地局配置の設計技術を開発した。開発した手法では、新たに導入する条件により、基地局間協調伝送を用いる場合のユーザーの割当率を高速に計算することができ、基地局間協調伝送の機能を持った基地局の最適な設置位置を決定することが可能になる。同技術を用いることで、LTE-Advancedに対応した基地局の最適な設置位置の計算が可能になり、基地局増設による大幅な通信品質の向上が見込めるという。さらに、従来と同程度の通信容量を確保するために必要な増設基地局数を約3割削減すると同時に、モバイル通信のつながりにくさを解消し、快適な通信環境を提供することが可能になる。
なお、富士通研では、基地局配置のさらなる最適化の検討を進め、2016年頃の実用化を目指すという。今後も、LTE-Advancedや次世代の移動通信方式である5Gなどで採用される新しい機能への対応を進めていくとコメントしている。
基地局間協調伝送に対応した基地局配置の設計。緑で表される協調伝送時の各ユーザーの割当率の合計をα、青と赤で表される非協調伝送時の各ユーザーの割当率の合計をそれぞれ1-αとする条件で高速演算アルゴリズムを適用することで、各ユーザーの割当率を正しく計算できる。そして、割当率と受信信号品質から各ユーザーの通信速度を求め、その合計値によって基地局の設置の判定を行う
開発した技術の効果