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口の中の傷を速く治す上皮の謎を解明
口の中の傷は治りが速い。その理由の一端がわかった。口腔粘膜上皮にある温度感受性イオンチャネルが温かさを感知して傷の治癒を促進することを、九州大学大学院歯学研究院の城戸瑞穂(きど みずほ)准教授と合島怜央奈(あいじま れおな)研究員、生理学研究所(愛知県岡崎市)の富永真琴(とみなが まこと)教授らが明らかにした。傷の新しい治療法開発のヒントになりそうだ。10月28日付の米科学誌The FASEB Journalオンライン版に発表した。
写真. マウス口腔内の写真。TRPV3欠損マウスでは、青い線で囲まれた抜歯後の傷の面積が野生型マウスよりも広い。(提供:九州大学)
口腔は消化管の入り口にあり、多様な刺激に常にさらされている。飲食などの際に口腔粘膜に傷を受けることも少なくないが、口の中に生じた傷は皮膚より速く治り、傷跡が残りにくい。その仕組みは謎だった。研究グループは、口腔内を被覆している粘膜上皮にある刺激のセンサーとして、カルシウムイオンを透過させるチャンネルのTRPV3に注目した。
グラフ. マウス口腔粘膜で増殖している細胞の数がTRPV3欠損マウスでは少ない(提供:九州大学)
図. 33℃より冷たいと上皮細胞の治癒が遅く、33℃より温かいと速く治る概念図(提供:九州大学)
口腔粘膜の表面には上皮細胞が層をなしている。その上皮細胞は体温の36度前後の温かさに反応するが、その温度をTRPV3が感じていることを確かめた。TRPV3は皮膚の表面の細胞よりも、口腔の上皮細胞に多い。マウスの歯を抜いて傷の治り具合を調べた。TRPV3欠損のマウスは野生型より上皮細胞の増殖が少なく、治りが遅れた。培養した口腔上皮細胞にTRPV3を活性化させる薬を投与すると、上皮細胞の増殖が促進することも見いだした。
これらの実験を基に、研究グループは「口腔粘膜が適切に維持され、口腔で適切に刺激を感じることで、人は食べることができる。口腔の粘膜上皮の入れ替わりが速く、傷が治りやすいことは重要だ。その仕組みには、粘膜上皮にある温度感受性チャンネルのTRPV3が関わっている」と結論づけた。
城戸瑞穂准教授は「口の中の傷が治りやすいのは、だ液や十分な血行も関与しているが、それに加えて、口の中の温かさで活発に働くTRPV3が重要な役割を果たしているだろう。TRPV3は消化管の粘膜や皮膚にも発現している。火傷や手術創、口内炎などの治療に、このイオンチャンネルを標的とした温熱療法や薬剤の開発が期待できる」と話している。
IDT、ITU-T G.8262 SyncE規格に準拠したSETS/UFT合計5品種を発表
IDTは11月4日、同期機器タイミングソース(SETS)「82P33714/31」2品種と第3世代ユニバーサル周波数変換器(UFT)「8T49N285/N286/N287」3品種を発表した。
2つのファミリを併用することで、最大100Gbpsでネットワークインタフェースが動作するシングルボードまたはマルチボードのアーキテクチャでITU-T G.8262 SyncE規格に対応する。UFTデバイスはマルチボードシステムのラインカードに最適で、SyncE準拠を維持しつつSETSタイミング信号をローカルのインタフェースに適合させる。さらに、2つのファミリはともにテスト済みで、SyncE準拠のクロックを提供できることが証明されている。
また、SETSデバイスは、GPSレシーバから送られる毎秒1パルス(1PPS)の信号を含め、あらゆるソースからネットワーク同期リファレンスを受け取る柔軟性を実現するという。同ファミリのうち、「82P33714」は1G PHYクロックを直接供給し、「82P33731」は10G PHYクロックを直接供給する。
そして、UFTデバイスはラインカード用途において、10G PHYから最高100Gのインタフェース用クロックを直接供給するための確実で堅牢なジッタ性能をもたらす他、冗長性管理、ジッタ減衰、あらゆるループ帯域幅設定における一貫した位相ノイズ性能を提供する。さらに、柔軟性を高めるために、それぞれの差動出力ペアをLVPECL、LVDS、HCSL、または2つのCMOSとして独立して使用できる。また、独自技術により、柔軟な周波数計画を立てられるという。例えば、あらゆる周波数を関連性の無い出力周波数に変換することで、エンジニアが複雑なクロックツリーを単純化することに役立つとしている。
これらの柔軟性と優れたプログラマビリティにより、エンジニアリングの労力を削減しながら多くの異なるクロックツリーで使用・再使用が可能となる。さらに、最近導入されたTiming Commanderツールを使えば、同デバイスを素早く簡単に再構成できる。
IDTのSETS「82P33714/31」2品種と第3世代UFT「8T49N285/N286/N287」3品種のパッケージイメージ
ハネカクシが翅隠す巧みな技を捉えた
昆虫には「匠の技か」と驚かされる行動がある。翅(はね)を素早く収納し、展開するハネカクシもその代表例だ。そのハネカクシが翅を隠すように折りたたむ巧みな技の秘密を、東京大学生産技術研究所の斉藤一哉(さいとう かずや)助教らがハイスピードカメラの画像の解析で突き止めた。宇宙で展開する太陽電池から日用品の折り畳みまで、多様なデザインのヒントになりそうだ。九州大学総合研究博物館の丸山宗利(まるやま むねとし)助教らとの共同研究で、11月3日付の米科学アカデミー紀要オンライン版に発表した。
ハネカクシは甲虫の仲間で、体長は1センチから数ミリ。翅を小さく折り畳んで、土や落ち葉の下の狭い隙間に入り込んで生活し、敵が出現したり生活範囲を広げたりするときには瞬間的に、翅を展開して飛び立つ。翅の折り畳み方は左右非対称なのが特徴。甲虫全体の15%に上り、ごくありふれた昆虫だ。研究グループは、ハネカクシの中でも飛ぶのが得意な海岸にいるオオアバタウミベハネカクシ(体長6ミリ)の翅の折り畳みと展開を1秒500コマのハイスピードカメラで撮影して解析した。
写真1. オオアバタウミベハネカクシ(体長6ミリ)。Aは後翅を閉じた状態、Bは後翅を広げた状態、Cは収納状態の後翅(鞘翅を外したところ)(提供:丸山宗利九州大学助教)
写真2. ハネカクシの翅の折り畳み動作。左右の翅を重ねた後で、柔軟な腹部を使って2枚同時に折り畳む。(提供:東京大学)
研究した斉藤一哉さんは「左右非対称な翅の2通りの折り畳みが、どのような材料、構造、幾何学で実現されているかはハネカクシ最大の謎で、今後解き明かしたい。この小さな虫が身につけた巧みな技は、効率的な収納、展開が必要な人工衛星の太陽電池パドルから、傘や扇子などの日用品まで、広範な工業製品に応用できるだろう」と話している。
東北大、パーキンソン病の悪化に関連する脳部位を特定
東北大学は10月31日、パーキンソン病の悪化に関連する因子(予後予測因子)の発見に成功したと発表した。
同成果は同大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野の森 悦朗 教授、同大学病院高次機能障害科の西尾 慶之 講師、同 馬場 徹 助教、県南中核病院研修医の庄司 裕美子 医師らによるもの。10月20日付け(現地時間)の「PLoS One」のオンライン版に掲載された。
パーキンソン病は運動機能の悪化を主症状とする疾患で、長期の経過中に約8割の患者が認知症になることが知られている。しかし、現時点では病初期の段階で後の認知症の発症を予測することはできていなかった。
パーキンソン病の症状と認知障害の発症時期
同研究では、53名の認知症のないパーキンソン病患者を対象に、3年の間隔を開けて2回の検査を施行し、初回の検査成績とその後3年間の検査成績の変化との関係について調査を実施。患者を以下の5つのグループに分け、運動機能、認知機能(記憶、視知覚、遂行機能)、局所ブドウ糖脳代謝の結果を比較した。
初年度に認知障害がなく、3 年後にも認知障害のないグループ初年度に認知障害がなく、3 年後に記憶障害だけをきたしたグループ初年度に認知障害がなく、3 年後に記憶およびその他の認知障害をきたしたグループ初年度に記憶障害のみを認めたグループ初年度に記憶障害およびその他の認知障害を認めたグループ
その結果、初年度に認知障害を認めなかったグループ(1~3)のうち、1と2のグループの臨床症状、脳代謝パターンが類似していた一方で、グループ3は1、2のグループに比べて初回検査時の側頭・頭頂葉の代謝が強く低下していた。また、グループ3は初回評価時に視知覚障害が認められ、その後3年間の認知機能および運動機能の悪化が重度だった。初年度に認知障害を認めた4と5のグループの比較においても同様の差が認められたという。
認知障害の発症と脳のブドウ糖代謝低下
以上の結果から、記憶および視知覚に障害を認めるパーキンソン病患者は、認知機能はもちろん運動障害も急速に進行する可能性が示唆された。このことは、記憶および視知覚に障害を認めるパーキンソン病患者においては、これまで考えられていたよりも早い段階で大脳新皮質(側頭・頭頂・後頭葉)に神経変性が起こり、これが病状を急速に悪化させる要因になっていると考えられるという。
今回パーキンソン病の悪化要因が明らかになったことによって、予後予測や認知機能障害に対する早期介入に繋がることが期待される。
ON Semi、IoTやスマートメータ向けにSoCトランシーバファミリを発表
On Semiconductorは、IoT(Internet of Things)やスマートメータ向けに高性能、高信頼性、高効率な通信をサポートするSoCトランシーバ「NCS3651x」ファミリを発表した。
同ファミリは、2.4GHzの超低電力無線トランシーバで、ZigBee、6loWPAN、ワイヤレスHART、独自バージョンなどのプロトコルをサポートしたIEEE 802.15.4-2006規格に基づいており、低データ速度で断続的な通信を行うIoTアプリケーションでの使用に適している。さらに、1.0V~3.6Vの標準バッテリによる単一電源動作と最高クラスの低い送受信電流により、低消費電力および高効率を実現するために最適化されている。これにより、環境発電などの代替エネルギーに対する市場の需要拡大が促進される他、サポートできるバッテリの種類が増えると同時に、バッテリ寿命を劇的に延長できるとしている。
また、同製品には、32ビットARM Cortex-M3プロセッサ、およびデータ保存用RAM、プログラム保存用フラッシュメモリなど、さまざまなコンフィギュレーションが組み込まれている。この中には、最高クラスのフルメモリコンフィギュレーションへの対応が含まれており、複数のアプリケーションおよびソフトウェアプロトコルをサポートする。この他、複数の周辺機能により、外部コンポーネントを最小限に抑えて完全なワイヤレスネットワークを設計できるとしている。
なお、パッケージはRoHS対応のQFN-40。現在、一部の顧客向けにサンプル出荷を開始しており、2015年初頭から半ばに量産出荷を開始する予定。
IoTやスマートメータ向けに高性能、高信頼性、高効率な通信をサポートするSoCトランシーバ「NCS3651x」ファミリ