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NXP、ブラシレスDCモータ制御向けにアナログAMR角度センサを発表
NXP Semiconductorsは、アンプ内蔵磁気抵抗角度センサ「KMZ60」を発表した。
同製品は、AMR(異方性磁気抵抗効果)テクノロジを利用し、ブラシレスDC(BLDC)モータ整流コントロール用に低コストかつ高性能デバイスとして設計されたものであり、同社ではこれを用いることで、自動車分野において、BLDCモータベースのアプリケーションの採用が加速されるものとの予想を示しており、特に電子制御パワーステアリング(EPS)やウィンドウ・ワイパーシステムなどでの適用を見込んでいる。
2個のチップが搭載された単一のSO8パッケージを採用し、角度センサとアンプ(IC)で構成され、モータ内の回転磁場の角度に関して、余弦および正弦の出力信号を提供するよう設計されている。アンプが内蔵されているため、外部の増幅器が不要となり、全体的なコスト削減につながるほか、省電力モードにより、センサを利用していない時の消費電力を抑制することができる。
なお、同製品はすでに量産出荷を開始している。
NXPのアンプ内蔵磁気抵抗角度センサ「KMZ60」
インターネットのような電力提供を目指す
電力会社の送電網に負担をかけない「デジタルグリッド」の技術開発および標準化の推進を行うコンソーシアム「デジタルグリッドコンソーシアム(dGridコンソーシアム)」は12月12日、東京都文京区に研究センターを開設し、活動を開始したことを発表した。
デジタルグリッドは、同コンソーシアムの代表理事でもある東京大学大学院 工学系研究科の阿部力也 特任教授が発案したコンセプト。環境調和性の高い自然エネルギーの導入と、基幹系統と協調することによる発電と消費が常に一致する必要があった従来の電力系統への貯蔵機能の導入、そして電力用ルータやコントローラにより自在に電力潮流をコントロールすることで、電力問題の解決などを図ろうというもの。
これまでのスマートグリッドや分散型電源などは、電力会社の電力系統に直接つないで電力の過不足を調整していたが、それでは出力が不安定な再生可能エネルギーを受け入れるには送電設備や調整電源の強化などの投資が必要となっていた。
これに対し、デジタルグリッドは、従来の電力会社の基幹系統を幹とすると、それに接続する大中小の配電網を葉の部分(セル)とみなし、接続部にルータを置いて間接的(非同期)に接続することで、出力の不安定な再生可能エネルギーをセルで貯蔵し、基幹系統との間で必要な時に必要な量を相互融通しようというもので、必要に応じて中小規模の投資によるセルの増加が可能だという。
デジタルグリッドのイメージ
また、ICT技術を活用することで、電力を指定したアドレスのルータ間で融通できることからインターネットのような電力システムを構築することができ、かつ電力インフラが今後整備されていく新興国でも、地域単位で導入されたグリッドを非同期に連係させ、互いに協調させながら、新しい電源や再生可能エネルギーの導入をスムーズに行うことができるため、それぞれの地域特性に合わせてグローバルに技術やサービスを広げることができるという。
阿部氏は「デジタルグリッド」という名前について、「スマートグリッドの次にくるような世界を、ということで付けた」とし、電力会社の送電網に負担をかけずに再生エネルギーを活用していく方法となることを強調する。「標準化を進めるためには多くの企業に参加してもらう必要がある。すでに1号案件についてはオリックス、NEC、日本ナショナル・インスツルメンツの3社が参加を表明しているほか、通信事業者、重電機器メーカー、ハウジングメーカーの3社が参加に向けた検討をしている」とするほか、「アドバイザリとして、東北大学の豊田淳一名誉教授、慶應義塾大学 政策・メディア研究科特任教授である高橋秀明氏、東京大学生産技術研究所の合原一幸教授(手続き中)のほか、スマートグリッドの標準化を進めている米国電力研究所(ERPI)でスマートグリッドを見ているMark McGranaghan氏(Vice President,Power Delivery and Utilization)やDavid Eskinazi氏(Account Executive)などにも参画してもらっており、EPRIでの実証実験を含めて、グローバルスタンダードを最初から目指す」とする。
コンソーシアムを形成することで、トータルな成果創出を目指す
本格的な活動は2012年度以降になるが、1号案件は「電力ルータの定義」、2号案件は「ブーストハウス」、そして3号案件として「ブーストコミュニティ」を予定している。電力ルータに関しては、2012年の秋ごろにEPRIでのデモを目指すとするほか、ブーストハウスについては2012年の5~6月ころからの開始を予定しており、ブーストコミュニティまで含めて、2014年には10万kW程度の電力融通、そして2016年での70万kW程度の(有効電力としての)電力融通およびアンシラリーサービスを目指すとしている。
コンソーシアムにおける開発プログラムのスケジュール
電力ルータを用いると何ができるようになるのか。家庭やビル、商業施設、町内、市区町村、都道府県などの単位ごとに電力をルータでやり取りすることで、それぞれが柔軟なグリッド構造となり、電力が不足したときは別のセルから融通したり、過剰な時は貯蔵もしくは不足したセルへと融通する、もちろん電力会社からの基幹電力とも協調することで、電力の有効活用が可能になる。また、1秒間に2万回のルーティングを行っており、もしセル内で停電が生じた場合、ルータ側で外部への電力遮断を実施することで停電の連鎖を妨げることが可能となる。「すでに日本は北海道と東日本が直流連携で、東日本と西日本が60Hzと50Hzでそれぞれ自律してセルが構築されている。米国もすでに3つのセルに分かれているといっても良いが、さらにこれを細かく分けることで、停電などの被害を抑制することが可能になる」とセル化によるイメージを阿部氏は説明する。
大規模なセル化のイメージ。セル化することで、その地域以外へ停電の影響を及ばなくしたり、電力の融通をしあったりすることができるようになる
小規模なセル化のイメージ。家、病院、ビルなどの建物規模で蓄電することで、相互に電力を融通することが可能となる。ただし、日本では法的な問題などもあり、3年後にはある程度の法改正のめどもつくとの見方を阿部氏は示すが、市場としては参加企業が海外でやりたいと言えば、国内にこだわらずに進めていくとする
また、パワーブーストを組み合わせることで、例えばこれまで建物に対し規定の電力が提供されていたものに対し、機器ごとに100V、200Vなど用途に応じて使用することができるようになり、例えばお湯を沸かすのには200Vを活用することで素早く使いたいときに沸かすことができるようになり、お湯を貯め置くタンクが不要となる。「電力系統側でも例えば50Aで契約している住宅があっても、平均的には5A程度しか使っていないため、送電の電力を減らすことで送電網の負担を軽減することができるようになる」とするほか、消費者側についても、「電力にアドレスが付与されることで、どこで、誰が、いつ、どうやって発電したかを知ることができるようになる。これにより、好きな地域で、好きなシステムで発電された電力を購入することなどが可能となる」とメリットを説明する。
ブーストすることで、(半導体を活用し)インテリジェント化した配電盤が、必要な機器に必要に応じた電力を可変的に供給することが可能となる。これにより100Vと200Vの切り分けを自動で行い、急速充電といった電力がより必要なものに対しては自動的に200Vで、より少なくて済むような機器に対しては100Vで、といったことができるようになる
なお、阿部氏は「次世代の電力送配電の世界標準を日本から取りに行く。新興国などを中心に電力が来ない場所に住む人は16億人、停電が頻発する地域に住む人は20億人という統計がある。一方、バングラディシュなどでは太陽光発電を活用した家などが建てられており、そうした建物などをつないでグリッドを構築していくことができると思っている」と世界的な取り組みへと発展したいという思いを述べており、より多くの企業の参加を求め、標準化への加速に向けた取り組みを進めていきたいとしている。
左から日本NIのマンディップ シング コラーナ氏、オリックス 小原真一氏、dGirdコンソーシアム代表理事の安部力也氏、NECの國尾武光氏
NIMSなど、ナノドメイン構造を有する圧電体薄膜の超高速応答を確認
高輝度光科学研究センター(JASRI)、東京工業大学、物質・材料研究機構(NIMS)および京都大学の研究グループは、動作の切り替え(スイッチング)の高速化を可能にすると期待される、「ナノドメイン」と呼ばれる微小領域を有する新しい圧電体薄膜が200nsでスイッチング可能であることを確認したと発表した。
今回の成果は、JASRIの坂田修身 客員研究員(兼務:NIMS 中核機能部門 高輝度放射光ステーション長)、東京工業大学大学院 総合理工学研究科 舟窪浩 准教授、山田智明 特任助教(現 名古屋大学大学院 工学研究科 准教授、科学技術振興機構 さきがけ研究者)、京都大学 化学研究所 菅大介 助教らによるもので、科学学術誌「Applied Physics Letters」(オンライン版)に掲載されたほか、「Virtual Journal of Nanoscale Science & Technology」の注目論文として選ばれた。
結晶が外力による圧力に応じて誘電分極を生じる効果を「圧電効果」、電場を結晶に加えることで結晶が歪む効果を「逆圧電効果」と言う。こうした現象を示す結晶や物質は「圧電体」と呼ばれ、これを応用の観点から言い換えると、電気エネルギーを機械的エネルギーに、逆に機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換物質と表現することもでき、ライターの着火石(機械的エネルギーの電気エネルギーへの変換)からプリンタのインクジェットヘッド(電気エネルギーを機械的変位に変換)やデジタルカメラの手ぶれ防止機構(機械的エネルギーの電気エネルギーへの変換)など、さまざまな分野に広く用いられているほか、最近では、自動車のエンジンや高速道路の車の走行による振動、さらには人間の歩行による振動を発電する素子としても注目されている。
大きな圧電性を示す物質では、電圧を加えた時の結晶自身の伸びよりも、ドメインと呼ばれる微小領域の結晶の向きの変化が、圧電性に大きく寄与していることが最近の研究で分かってきていた。しかし、薄膜状の試料では、常に基板に固定されて(クランピング効果)微小領域の結晶の向きの変化が抑制されるため、ドメイン変化は高速に応答できないと考えられてきた。
圧電体膜を心臓部品として用いる圧電MEMSは、精密な位置決めが可能なことや、サイズの小型化が容易なことから、将来のMEMSデバイスの本命と考えられているが、これまで高速に応答することが確認されていなかったため、高速動作させようとすると圧電性は小さくなることが危惧され、多くの用途では適用できないだろうと考えられてきた。
そうした中、ナノドメインと呼ばれる新しい微構造を持つ圧電体膜において、高速で動作する可能性が示唆されるようになり、圧電体膜を用いたMEMSの高速動作の可能性が見出されていた。しかし、実際にナノドメインがどの程度高速に動くかの定量的な確認は行われていなかった。
圧電体薄膜は、電気信号により構造が変化する性質を活かして、インクジェットプリンタで使用されるMEMS素子などの動力源として利用されているが、現在の圧電体薄膜では、スイッチング時間を十分制御できていなかった。高速のスイッチングが実現できれば産業応用への広がりや従来以上に高性能な製品の開発が期待できることから、研究グループでは、大型放射光施設SPring-8の高輝度放射光を用いて圧電体の一種である強誘電体薄膜に高速に電場をかけることで引き起こされるナノドメインの構造変化を調べた結果、ナノドメインの結晶の向きが200nsで変化していることを確認することに成功した。
実験は、標準的な強誘電体かつ圧電体であるチタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr1-xTix)O3から構成され、ナノドメイン構造を有する2層積層薄膜を利用して高速動作の可能性を探索した。SPring-8表面界面構造解析ビームラインBL13XUの、高輝度で数μmに集光した単色パルスX線を、2層積層薄膜上に形成した電極に照射し、薄膜から生じる回折X線強度プロファイルを記録した。
図1 高速ストロボ撮影を可能にした測定システム(数μmに集光した高輝度X線を電極上に集光し、回折X線強度と電圧印加しながら電気分極とを数10nsの時間分解で同時に測定できるシステムを構築し、それを用いた。今回の測定では、200ns幅のパルス電圧を1回印加した後、回折プロファイルを記録。次にパルス幅を少し長くした電圧を1回印加した後、回折プロファイルを記録することを順次繰り返した)
具体的には、あるパルス電圧を1回印加した後、回折プロファイルを記録した。次にパルス幅を少し長くした電圧を1回印加した後、回折プロファイルを記録した。このように順次、印加電圧のパルス幅を大きくして測定を繰り返した。この手法は印加電圧によって誘起される薄膜試料内の微小領域の結晶の向きを測定可能にするX線回折測定の高速ストロボ撮影といえるもので、この結果、薄膜試料内の微小領域の結晶の向きが印加電圧の幅によってどのように変化するかが判明したという。
図2 薄膜試料からのX線回折強度プロファイルの高速変化。(0 0 1)と(1 0 0)の回折ピークは薄膜試料中の微小領域の結晶の異なる向きにそれぞれ対応している。パルス電圧の幅が200nsの場合に2つの回折ピーク強度プロファイルの変化を観察できた。これが微小領域の結晶の向きの高速変化を実証するものとなる
今回の成果は、大きな圧電性が高速に応答可能なことでインクジェット技術の向上による、高速化、消費インク量の低減、微細なパターニングのほか、燃料の使用効率を向上させる自動車用エンジン用フュエル・インジェクタ(燃料噴射装置)の高効率化が図れるようになり、高効率で排ガスの少ないエンジンの開発へつながる可能性や、電圧の印加に限らず、機械的応力を加えた時の圧電体の変化の測定も可能になることから、高温、高圧で動作する発電所、自動車のエンジンといった内部のモニタ向け高精度応答圧力センサなどの開発にも応用できるという。
また、一般的な圧電体は鉛を重さで50%以上含有する物質が多く用いられており、環境への配慮から非鉛圧電体の開発が強く求められており、今回の成果を活用することで、圧電性発現機構を時間分解で測定する方法が確立されたにより、次世代の非鉛圧電体材料の開発を加速することが期待できるという。
さらに、圧電体の評価では、電圧を加えたときの結晶の変形と微構造の変化を同時に測定することが不可欠だが、今回の成果により電圧を加えたときの圧電応答の機構が時間を追って観察することが可能となったほか、強誘電体メモリの評価にも適用できるという。加えて、圧電体以外にも、外部刺激によって、結晶構造や微構造の変化が起きる相変化メモリなどの時間分解測定観察にも有効であると期待できると研究グループでは説明している。
GLOBALFOUNDRIESの新CEOが語った自社のビジネスの現状と今後
10月末にGLOBALFOUNDRIESのCEOに就任したAjit Manocha氏
2011年12月12日、GLOBALFOUNDRIES(GF)は都内で記者説明会を開催し、CEOとしては初来日となるAjit Manocha氏が同社の現状と今後の展開について説明を行った。
説明会ではまずグローバルファウンドリーズ・ジャパン社長の吉澤氏が挨拶に立ち、日本国内のビジネスに関しては2012年には最低でも2桁%は伸ばしてゆきたいと簡単に説明を行った(Photo01)後で、Manocha氏にバトンタッチした。
Photo01:日本の半導体メーカーが相次いで自社での先端プロセス開発を放棄し、外部に委託するFab Lite戦略をとりつつあるのは既に周知の事実で、こうしたメーカーとのパートナー関係を結ぶことと、(Chartered Semiconductor時代からの)既存のファブレスメーカーとの関係を拡大することの両方に力を入れてゆく、という話でもある
変わってManocha氏はまずワールドワイドにおける同社の現状について説明を行った(Photo02)。現在はドレスデンのFab1、シンガポールのFab7が300mmウェハで稼働しており、ニューヨークのFab8も設備据付がほぼ完了してまもなく稼働するという話で、さらに旧Chartered Semiconductorの200mmウェハの生産能力も増強中ということだった。
Photo02:ちなみに氏はGLOBALFOUNDRIESのCEOとしては初来日であるが、それ以前はSpansionやNXP、AT&Tなどの企業を経ており、こうした時代に何度も日本を訪れているとか
ここで氏は同社のファンドリとしての概念の他社との違いを説明し(Photo03)、根本的にソリューションの提供の仕方が異なる、と説明した。またテクノロジに関しては、ファンドリだったCharteredとIDMだったAMDの両方を継承している点が他のファンドリとの大きな違いであると説明した(Photo04)。
Photo03:地理的な分散では日本の東日本大震災やタイの洪水を引き合いに、地域的に分散していることによるメリットを強調していた
Photo04:氏はHKMGを最初に導入したファンドリであることを何度も強調していたが、こうしたAMD由来となる先端プロセスをCharteredの資産と組み合わせる、というのがここまでのGLOBALFOUNDRIESの競争力の源の1つであったのは事実
その一例として示したのが特許ポートフォリオ(Photo05)で、主要なものは米国に集中しているが、日本ですら158の特許を保持している、という点を挙げておりこれも競争力に繋がる、としている。
Photo05:単に技術革新のみならず、顧客保護(GLOBALFOUNDRIESで製造したチップが他社の特許を使っているような場合でも、同社が保有している特許のクロスライセンスなどの形で利用料を支払わずに済む)とか、逆に同社の保有する特許を使いたければ同社で製造するという囲い込みも可能な訳で、特許保有数は多いに越したことは無い
その同社だが、先にも述べたとおり300mmウェハと200mmウェハの生産能力を急速に拡大しつつあり、またHigh-K/メタルゲート(HKMG)プロセスの量産も順調だとしている(Photo06)。
Photo06:もっとも200mm換算で720万枚/年という生産枚数は、TSMCの2011年通期の生産能力見通しの1325万枚の半分強でしかない訳で、まだ増強の余地はあるというか、まだまだ足りないという考え方も可能。ちなみにHKMG製品とはAMDの32nm SOIプロセスのLlano/Bulldozerの各製品の事
ついでFab 1/7/8のそれぞれについて現状の紹介と今後の動向をまとめた上で(Photo07)、今後も引き続き競争力を高める努力を続けることを紹介した(Photo08)。
Photo07:Fab 7の「特殊技術」とは、たとえばEmbedded Flashといったものになるそうだ
Photo08:当面はドイツのFab 1が先端プロセスを作り分けるための拠点となり、その間にNYのFab 8を立ち上げ、20nm以降に備えるというのが基本方針となる
これに続く質疑応答では色々と面白い話があった。特に20nm以下の先端プロセスでは、露光技術にArF液浸のマルチパターニングからEUVあるいは電子ビーム直描(EB)といった話が出てきているし、トランジスタ構造も3D化したり、あるいは300mmに続き450mmウェハとか3D TSVといった幾つかのテーマが業界内で進行中である。こうしたものについて、たとえばEUVや3Dトランジスタなどは既に共同開発を行っているし、450mmに関してはIBMなど5社で共同開発を行うAllianceに加盟するなど、準備は整えているとした上で、「我々はまずテクノロジーを作って顧客に提示するというやり方ではなく、顧客がそれを求めてきたら、そのタイミングで提供をする」というスタンスをとると強調した。こうした先端プロセスは現状、経済的に引き合うレベルにはまだ至っておらず、そこで必ずしも先頭を走ることでテクノロジの優位性をアピールするというやり方はしない、という話であった。
また28nmに関しては、既に同社が提供している32nmプロセスと28nmプロセスは殆ど同じであり、なのでスムーズに移行できるという説明がなされた。実は同種の説明は今年11月に開催されたARM Technical Symposia 2011における同社のセッションでも行われており、その時には「32nmと28nmでは殆どの寸法が同一なため、32nmプロセスでの開発の結果がそのまま28nmに利用できた」と説明されている。また同社は28nmで2010年8月にはCortex-A9を、2010年11月にはARMベースのValidation Chipをそれぞれ試験的に製造しており、既に物理IPなども揃い始めていることがアピールされている。実際同社はこの中セッション中に”32nm/28nm platform”という表現をしばしば使っており、たとえば32nmプロセス向けのIPやEDAのデザイン出力は、ほぼそのまま同社の28nmで利用できると説明していた。
今回は特に何か目新しい話があったというよりは、10月末にCEOに就任したばかりのManocha氏のお披露目、というのが主眼であった。「海外でのお披露目はこれが初」という話であったが、その背景にはGTC(Global Technology Conference)2011の開催がキャンセルされた(当初は10月27日に予定されていたが、CEO交代などもあったためか、急遽中止になった事も関係しているのかもしれない。ちなみにGTCは2012年もSanta Claraを初めとして各国で開催するという話であったが、具体的な日程とか日本での開催については「今のところ詳細はまだ決まっていない」(同社関係者)との事であった。
設計現場の障壁を取り除きたい
シーメンスPLMソフトウェアは11月25日、米国にて10月17日に発表していた次世代3次元設計ツール「NX 8」に関する説明会を都内にて開催した。
シーメンスPLMソフトウェア代表取締役社長兼Siemens PLM Software Vice Presidentの島田太郎氏
冒頭、シーメンスPLMソフトウェア代表取締役社長兼Siemens PLM Software Vice Presidentの島田太郎氏は、NXのこれまでの進化とものづくりのあり方に触れ、「高機能化や高性能化により、ものづくりはさまざまなものを組み合わせないと行けなくなってきたほか、知識やベストプラクティスといった人に付くものをCADへとどう統合していくか、そしてユーザーエクスペリエンスのような、新しく登場してきた感覚をPLMの世界に持ち込みたいという思いでNXに機能を追加してきた」と、これまでを振り返った。また、日本でのものづくりに求められることとして、「単に日本でモノを作って輸出すれば良いという時代は終わり、グローバル市場で勝たなければいけない時代になった。そのためには、グローバルで設計を行い、コンカレントに米国やインド、中国、東欧など世界中の地域と一緒に設計できるような機能が求められるようになっており、それによりグローバルで勝負できる製品の設計が可能になる」と、グローバルへの対応が従来以上に求められるようになっていることを強調する。
また、そうした要求がある一方で、「CADの仕組みが難しくなりすぎた。その結果、設計者が紙などに設計図を書いて、それをオペレータが翻訳してCADに落とし込む、といったことも生じるようになった。こうしたことを我々は辞めさせたいと思っている。設計者が自らCADデータを作らないことは、建築現場に設計者が行かずに建物が建てられるのと同様にリスクが大きい。そのためには設計者が気軽に使えなくてはいけない。また、複雑な設計要件の中から、必要なものだけを容易に使えるような提供形態を用意する必要がある」と、ユーザー側への変化を促すほか、「日本の製造業と一緒に仕事をする上で、ツールの品質向上は絶対条件。我々の親会社であるSiemensは製造業であり、我々は唯一製造業の下で設計ツールを提供するソフトベンダという位置にあり、そうした意味では、品質を重視したツールを提供していくことを誰よりも重視している」とした。
NXのこれまでの進化と今後の方向性
Siemens PLM Software NX製品ライン担当シニア・マーケティング・ディレクタのPaul Brown氏
そうした考えのもと開発されたNX 8では、「従来以上に高密度で高精度な情報をCADで提供していくことを目指している」(Siemens PLM Software NX製品ライン担当シニア・マーケティング・ディレクタのPaul Brown氏)とのことで、世界各地のユーザーから募ったニーズをもとに機能強化などが図られた。実際にNX 8では390を超す新たな機能が追加されたが、その中でも主なテーマは4つだという。
NX 8における4つの主なテーマ
1つ目は、要件が正しく満たされているかどうかを可視化し解析するツールとして「HD3D」をあげた。NX 8では、CADデータから進捗情報やコスト情報、設計者情報など通常CADデータに含まれないような周辺データを瞬時に確認したり検索したりすることができ、それを製品の設計に落とし込むことができるようになっている。
それぞれのパーツベンダや誰が作業をしたのか、といった情報もパッと見でわかるようになった
2つ目は多分野にまたがるような設計をどうやってまとめていくのか。1つの機器を作り出すためには、3D CADだけでなくさまざまな設計ツールや手法を用いて開発が行われている。さらに高機能化などにより複数のチームが1つの機器の設計・開発に携わるようになっており、NX 8ではこうした複数のチームが単一のコンポーネントに対して作業を行うことが可能となった。
具体的には、パートモジュールの機能を活用することで、ミスマッチなく外観、内部などの設計を同時並行的に行うことが可能となる。これにより、複数ユーザーが同時並行して1つのコンポーネントの設計を行い、それを最終的にサイズの誤差などなく組み合わせることが可能となるという。
コンポーネントの1部分を別の設計者に振り分けて細部の設計を行うことなどが可能になった
3つ目は解析能力の強化。例えば、ハイテクの電子部品であれば、熱や空冷関係の要素と構造強度を同時解析したいというニーズがあったり、ガスタービンなどでは熱や気流の解析などを同時に行いたいというニーズなどがあり、こうした複雑化する解析要求に対して検証機能ではなく「トポロジ最適化機能」が追加された。これを活用することで、これまで要件確認のためのシミュレーションが、その前から使うことができるようになり、例えばパラメータ値を入力することで、システム側が効率の良い値にするためにはどうすれば良いかの提案をしてくれたりするようになるという。
また、メカトロニクスの分野では制御系がどのように機能するのかも併せて解析したいというニーズが高まっており、「制御はMATLAB/Simulinkと連携することで、制御設計にはMATLABを、その裏側で3Dのモーションシミュレートを行うことができるようになり、メカと制御の障壁を下げることができると考えている」(同)としており、実際にSiemensにてそうした連携を目指した装置開発のアプローチが行われているとする。
各種の解析機能の強化も図られた
そして4つ目が製造現場に関わるさまざまなプロセスへの対応が図られたことである。各種の製造現場で求められる機能を統合したことで、パーツの使いまわしや情報を製造現場で提供できるようにし、それぞれのパートごとにプログラムを用意する必要性をなくしたほか、加工機械側の動作シミュレーションなども含めた検証が可能となった。
加工する側の機械の動作などもシミュレーション上で再現することが可能となった
なお、同氏は「我々はNX 8を活用してもらうことで、密接にMCADとECAD、これまで別々の領域とされていた2つのCADの隔たり、そして制御との壁を取り払いたいと思っている」と語っており、今後もユーザーのニーズに見合った機能強化などを図っていくことを強調している。