仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
たこつぼ心筋症、強烈な胸の痛み 閉経後の女性は特に要注意
【今日のストレス】心臓の病気は“伝染”はしないが“伝播(でんぱ)”することはある。「親子」や「夫婦」など、結び付きが強い関係ほど伝播のリスクは高まる。そのリスクを高める要因は、ストレスだ。
今回の主人公は主婦のS子さん(54)。結婚して25年。近くに住む両親の面倒を見ながら、平凡な生活を送っていた。
ところが、彼女のお父さんが急死する。早朝心臓発作を起こし、救急搬送されたが間に合わなかった。突然の出来事に茫然(ぼうぜん)としつつ葬儀を済ませた翌朝、今度はS子さんの心臓が発作を起こした。
強烈な胸の痛みと呼吸苦を訴え、救急車で父と同じ病院に担ぎ込まれた。検査の結果、下された診断名は「たこつぼ症候群」という、人をばかにしたような病名だった。
「心筋梗塞が男性に多く発症するのに対して、たこつぼ心筋症は圧倒的に女性に多い。特に閉経後は要注意です」と語るのは、大森赤十字病院心臓外科部長の田鎖治医師。一体どんな病気なのか。
「本来心臓は全体が収縮と拡張を繰り返すことで血液を送り出しますが、この病気の発作時は、心臓の上部(心基部)だけが縮んで、下部(心尖部)は動かなくなる。その形が“たこつぼ”に似ていることから命名された病気です」
田鎖医師によると、この病気は心筋梗塞と症状が似ているものの、比較的悪性度は低く、入院して血管拡張薬や利尿剤などを投薬することで、多くは改善していくというが、心破裂や血栓症のリスクもあるので安心はできない。
「たこつぼ心筋症発症の7割は、何らかのストレスが要因との報告もある。配偶者や肉親の死はその代表的なものですが、ケンカや口論、事件事故、さらには震災などがこの病気を引き起こすこともあります」(田鎖医師)
症状は胸痛や息苦しさなどで、本人も周囲の人も、その様態から心筋梗塞と区別するのは難しい。ためらうことなく救急要請し、心臓専門医のいる医療機関に救急搬送すべきだ。
幸いにも一命をとりとめたS子さん。病室のベッドの傍らには、青い顔の夫が付き添っている。「2度あることは…」とならないことを祈るばかりだ。 (長田昭二)2015/3/13 16:56 更新