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どこでもサイエンス (45) 100万年かけて、あったかいーの
昼あたたかく、夜冷える。もちろん太陽のおかげですねー。で、その太陽の熱ですが、あったかいーと思うまで、100万年もの時間をかけてやってくるんですよ。え? せいぜい8分とかそういう話じゃないのかって? まあ聞いてくだされ。
科学館などにいく楽しみの1つで、ちょっとできない体験ができるのがございます。たとえば、マイナスXX度の部屋なんてのがあって、まあわざわざ冷凍庫の中を体験するのですな。気分はアラスカかシベリア~というわけでございます。札幌市青少年科学館、名古屋市科学館、富士山レーダードーム館では風も体験できるようですな。北海道旭川の氷の美術館ではふつうにマイナス20度の展示室があるようですな。さらにさらに、寒さの本場、南極観測隊を送り出す東京は立川の国立極地研究所では、夏期に行う一般公開の日に、マイナス50度の体験なんてのもやっているようでございます。ワタクシは、天然で体験したマイナス40度が一番ですが、これくらい寒くても、人間慣れるからすごいものです。もちろん、裸で歩こうなんて思いませんけどー。
さて、天然で寒いといえば、たとえば火星。平均気温はマイナス40度、最低でマイナス130度でございます。これが、冥王星になるとマイナス200度を下回るとされております。逆に水星はプラス400度でございます。あちーな。
で、何が違うか? もちろん、太陽からの距離ですなー。太陽までの距離、火星は地球の2倍弱、冥王星は40倍以上、水星は半分。もう、圧倒的に暑さ寒さを決めるのは太陽でございますなー。
え? 赤道と南極の違い? 太陽までの距離は同じといっていいですね。違いは? 太陽の熱が効果的につたわるか、そうでないかという違いがあるのでございます。赤道は正面から受け止め、南極は大地が太陽に横むいていて、かなりはすかいに受け止めるという違いでございます。
ええ、高さの違い!?、山の上の方が、太陽に近いのに寒い? うむー、熱を受け止めるのは同じですが、熱を蓄える空気が薄いのが山の上ですな。太陽から熱を受け止めつつ、その熱は宇宙に逃げてもいきます。そうじゃないと、どんどん温度があがるだけですからねー。
うーむむ、なんか話しているうちに、あったかいーというのは、結構ややこしいのがバレてきましたねー。たとえば、曇っている夜の方が、晴れている夜より気温が下がらなかったりするんですよ。雲が毛布の役割をして熱を逃がさないですなー。
さてさて、目を太陽に向けてみましょう。太陽は、地球から1.5億kmかなたにございます。秒速30万kmの光だと、500秒(8分20秒)かかる距離でございます。つまり、今見ている太陽は、8分ばかり前の太陽なんですが、熱も同じなんでございます。
人間があったかいーと感じ、空気を、大地をあたためる力を持つ、赤外線、つまり目に見えない光の一種でございますが、これも光と一体になって、太陽から届きます。つまり太陽の熱は、赤外線として8分ばかりかけて、地球に届くのですな。光の一種が熱を伝えるということは、イギリスのウィリアム・ハーシェルというミュージシャン – 後に科学者になるんですが – が200年あまり前にプリズムで遊んでいて気がついたのだそうでございます。物理学では、熱の伝え方の1つで、「放射」によるといいますな。
放射、つまり光の一種の赤外線が「物体」からでていくのは、すごくよくあることでして、とりあえず、あらゆる固体は放射をします。温度が高いと、目に見える光を出しまして、それが電気ストーブが光ってみえたり、白熱電球が光って見えたり、なにより太陽が光り輝く理由でございますな。
あ、人間も光っていますよ、温度が低すぎて目に見える光は出しませんが、赤外線を放射しています。それをビデオカメラでキャッチすれば、暗闇でも人が見えるってわけですな。
放射のいいところは、真空だろうがなんだろうが、熱を伝える物質なんてなくても、熱が伝わることでございます。これが自然界になかったら、太陽の熱は地球に届きませんからねー。
さてさて、ここまでだと、太陽の熱は8分あまり、放射で地球に届くじゃないか。とこういうことになります。100万年とかいう、お題とずれてるじゃないかー! とね。
はい、ここでもうちょっと考えます。あったかいーというのは、たとえば太陽にかざした手がそう思っているんじゃなくて、ノーミソが思っているのでございます。手の表面で赤外線をうけると、手を作る水やらタンパク質は、ブルブルとすごーく細かな振動が大きくなります。熱の伝わりかたでは、「伝導」というヤツでございます。ま、受験生と科学屋さん以外は覚えなくていいですけどね。
それが、神経に伝わり、神経が電気信号を変えると、ノーミソが、あったかいなーと思うのです。これ、ちょっとだけ時間がかかります。えーっと、秒速15mくらいらしいですな。まあ、手からノーミソまで0、1秒くらいかかるかなってところです。
あれ? まだダメですね? あとは、太陽の表面と内部の問題でございます。
太陽の表面は平均して6000度にもなるのです。これはもう光を出すのに十分な高温でございます。ただ、これは表面が燃えているからじゃございません。太陽はほぼ、水素とヘリウムでできていまして、いわゆる「燃える」のに必要な酸素の量がまったく足らないのでございます。ついでに、水素爆発というヤツもあるのですが、これは水素が2つ手をつないだ水素「分子」が酸素と一緒に起こすもの。6000度だと、水素はバラバラの「原子」になっていて、爆発は起こせません。酸素も足りないしね。
ただ、水素単独でも熱は出せます。水素がくっついてヘリウムをつくる。水素爆弾と同じ核融合反応でございます。そのためには6000度ではダメで、1000万度が必要なんですな。で、これはというと、太陽の中心なら1500万度あります。いけます。
ということで、太陽の中心の熱が、表面に伝わって、太陽は熱いのでございます。
問題は、どうやって伝わるかです。太陽は半径70万km。光なら中心から2秒で表面に到達できますが、そこには太陽を作る膨大な水素やヘリウムのプラズマガスがあります。分厚い毛布があるようなもんですな。しかも、ガス=気体なのでブルブルという振動が直接伝わりにくい。伝導がつかえない。毛布も気体の空気を大量にふくんでいるので、伝導しないのですからねー。そこでなんと、放射で熱が伝わるのです。モーレツな光が発生し、それを受け止めたガスが光を発生という放射のリレーが、太陽の中心から7割の距離まで熱を運んでいきます。かかる時間が…100万年。
さらに残り3割はあったまったガス全体が表面近くまで一気に持ち上がる、熱を伝える3番目の方法、対流でおこります。そう、お風呂の底が熱いと、表面が暖かくなるあれですなー。熱をもった物質ごと移動するのは、そりゃ効率はいいですが…えー3割。20万kmもの対流でございます。地球の直径の20倍の対流ですね。これ、とんでもないですな。地球の雲を作るような対流は、超巨大な入道雲でも10kmでございます。かたや20万km。そんなん、ありえん。と考えられたこともございました。途中で対流の上昇が冷えてとまるんじゃないか? とまらないんですね。途中でうまくアシストするようなガスの変化があるんでございます。
ともあれ、この対流がなくても、放射で熱は伝わるんですが、対流の方が早く熱が伝わるということで、プラス50万年とはなりません。
いずれにせよ、太陽のあったかいーは、中心で熱が発生して、表面までに100万年程度の放射+対流。そこから地球まで放射で8分、うけとった人間がノーミソで感じるのに0.1秒。全部足すと、100万年程度(足しあわせるのが小さすぎて影響がなさすぎー)。で感じるのでございます。そこには、熱を伝える、放射、対流、伝導の全てが携わっている、ソーダイなお話(って感じないよね)なのでございますなー。
太陽の内部構造イメージ (C)JAXA Webサイト
著者プロフィール
東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。
IDT、電磁誘導ワイヤレス給電トランスミッタの新ファミリを発表
IDTは11月27日、電磁誘導ワイヤレス給電トランスミッタ「P923x」ファミリを発表した。
同ファミリは、次世代のワイヤレス充電製品向けに設計され、より高い柔軟性と使いやすさを実現すると同時に、統合性によって全体的な開発コストを削減する。また、既存の幅広い製品ポートフォリオを拡大するコンパクトなトランスミッタであるのに加え、電磁干渉(EMI)が低く高効率であり、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、家具など幅広い用途に理想的となっている。
同ファミリのうち、「P9235/6」の2品種はWPC(Wireless Power Consortium)の最新のQi規格に、「P9234」はPMA(Power Matters Alliance)規格に準拠している。「P9231」はプロプラエタリモードに対応し、最大1MHzの共振周波数で動作するため、より小さなコイルを使用できる。さらに、「P9230」はデュアルモードのトランスミッタで、WPCとPMAの両方の規格に対応している。そして、全品種とも、WPCに準拠したさまざまな低電力コイル構成のすべてに対応している。
この他、同ファミリは32ビットARM Cortex-M0プロセッサを搭載し、高水準のプログラマビリティと柔軟性をもたらす一方、エネルギースターの要件を満たすため、スタンバイ時の消費電力が極めて低くなっている。また、入力電圧は4.0V~21Vで、0.5W~10Wの電力を必要とする用途を対象としている。さらに、すべてのデジタルおよびアナログ機能を含めて高水準の統合性をもたらすため、外部コンポーネントの数を最小限に抑えられるとともに、全体的なシステムコストを削減できる。
なお、「P9235/6」の2品種は現在発売中。「P9230/3/4」の3品種は近日発売の予定。
Qi規格対応の電磁誘導ワイヤレス給電トランスミッタ「P9235/6」
3D Systems、小型スキャナを発表
3D Systemsはこのほど、小型精密部品向けのスキャニング設計・検査システム 「Geomagic Capture Mini」を発表した。
「Geomagic Capture Mini」
同製品はオリジナルの「Geomagic Capture」システム同様、ブルーライトLEDスキャニングテクノロジーを搭載。検査において、プロセスの初期段階で設計上の欠陥、製造上での課題を見つけ出し、CAD設計の品質向上に貢献する。
スキャン精度は0.034mmを実現しながら、1スキャンあたり0.3秒の速度で100万点のデータを取得できる。スキャン範囲は88×87mmなのでジュエリー、電子部品、など小型オブジェクトを対象としたデスクトップスキャニングに適している。
「Capture Mini」は360°自動スキャンを実現する「Capture Pro Pack」と組み合わせて使用できるほか、「Geomagic Capture」マルチスキャナーと互換性があり、複数のスキャナーを同時に使ったスキャニングが可能となる。
延期していた小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ日、12月1日に決定
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は11月29日、11月28日に打ち上げ延期を決定したH-IIAロケット26号機による小惑星探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)の新たな打ち上げ日を12月1日に決定したと発表した。
同決定は29日に開催された臨時天候判断会議の結果によるもの。打ち上げ日時の詳細は12月1日の13時22分43秒(日本標準時)となっている。
また、これに伴いJAXAでは12月1日の12時25分から、種子島宇宙センターでの打ち上げの様子をライブ中継する予定だとしている。
なおJAXAでは、今後の天候状況などによっては、再延期の可能性もあるとしている。
種子島宇宙センター 衛星フェアリング組立棟にて行わた「はやぶさ2」とフェアリングの結合作業の様子 (C)JAXA
コンピュータアーキテクチャの話 (53) 4004の設計を追体験する
次に、ALU全体の処理とそれぞれのマルチプレクサの選択を表に纏めると次の表のようになる。
ALU動作表
このALU動作表からAdd/Subや各マルチプレクサを制御する表を作り、それを生成する回路をNANDやNORゲートを用いて設計することは可能であるが、ここでは次に示すようなROM型の制御信号生成回路を使うことにする。
ROM型制御信号生成回路の一般的形式を示す図
この回路でDecoderと書いたブロックは16個のレジスタの選択に用いたのと同じ回路で、OPレジスタの4ビットの命令コードが1(0001)の場合は一番上の線が"1"になり、その他は"0"、命令コードが2(0010)の場合は2番目の線が"1"になり、その他は"0"というような信号を生成する。そして、このデコーダはEnable信号が"0"の状態で全ての出力が"0"となるように構成する。
また、Pre-Charge信号が"0"になると、一番上のP-chトランジスタがオンになり、縦方向のビット線はP-chトランジスタを通してVddに接続され"1"となる。この状態ではEnable信号は"0"であり、デコーダの出力は全て"0"となっている。従って、この状態ではビット線との交点に配置されたN-chトランジスタは全てオフであり、ビット線の電位には影響を与えない。
そしてPre-Charge信号が"1"になり、その後、Enable信号が"1"になると、OPregに格納された命令に対応するデコーダの出力線だけが"1"となり、その他のデコーダ出力は"0"となる。その結果、"1"となったデコーダ出力に接続されたN-chトランジスタがオンする。例えば、この図では、命令コード0010(2)の場合はCtl-0とCtl-3 のOR出力線との交点の部分にトランジスタがあるので、この2本のビット線は"0"となり、その他のビット線は(制御信号出力線の寄生容量に蓄積された電荷により)"1"の状態が保たれる。
このビット線の信号がインバータで反転されるので、結果として、Ctl-0とCtl-3の出力が"1"となる。つまり、各Ctl信号は、ビット線との交点にトランジスタが配置されたデコーダの出力のORとなっている。
このようにROM型の制御信号生成回路は、デコーダで各種の条件を作り、それぞれのCtl線をAdd/Sub信号やMX-Y、MX-Aなどの信号に対応させ、制御表に従って交点にN-chトランジスタを配置してORすることにより、任意の条件の制御信号を作り出すことが出来る。
実際、4004でもこのようなROM型の回路が用いられているようであり、2300トランジスタで出来ているというのは、実は全ての交点にトランジスタがあるとした場合のトランジスタ数であり、実際に使われているトランジスタ数は2100個あまりであるとHoff氏は述べている。但し、一般的に、このようなROM型の回路では全ての交点にトランジスタは作っておき、必要なところだけトランジスタのドレインをビット線に繋ぐようになっているので、チップ上に2300トランジスタが有るというのも正しい記述であると考えられる。また、4004は2相式のダイナミック回路を使用しており、Φ1信号でPre-Chargeを行い、Φ2信号でデコーダをエネーブルしていると考えられる。
ALUの制御表では、I/O命令群(OPR=1110)とアキュムレータ命令群(OPR=1111)では複数の命令があり、OPA部により動作が異なるので、それぞれ別個にROM型の制御命令生成回路を作り、OPRの値が1110の場合と1111の場合は、それぞれのROMを使うようにすれば良い。
そして、ALUが動作するのは、各命令の最初の8サイクルのうちのX3サイクルであるので、 X2サイクルに制御信号生成回路を動かせば良いが、命令デコーダの一部としてX1サイクルに制御信号を生成しても良い。
なお、第45回に掲載した4ビット内部バス制御信号発生回路では、デコーダの出力を論理ゲートを用いて組み合わせてバス制御信号を作ったが、このようなROM型の回路でバス制御信号を作っても良い。実は、ALUの制御信号生成回路だけでは200個近い交点の未使用トランジスタは出来ないので、4004では、4ビット内部バス制御信号もROM型の回路で生成されていると考えられる。
ALUユニットで残っているアキュムレータ(ACC)とTempレジスタを次の図に示す。
ACCレジスタとTempレジスタ。上側の4個のFFがACC、下側の4個のFFがTempレジスタである。
ACCは4ビット内部バスに接続されるレジスタであるが、他のレジスタと少し違うのは、XCH命令の処理のために、Tempレジスタから直接データを転送するパスを設けている点である。
XCH命令のX3サイクルでは、ACCの内容をインデックスレジスタに転送すると同時に、TempレジスタからACCレジスタにデータを転送する必要がある。しかし、4ビット内部バスはACC→インデックスレジスタのデータ転送に使われてしまうので、バスを使用せずにTemp→ACCの転送を行う必要があり、これを実現するために、ACCのデータ入力に2入力マルチプレクサを設け、データとしてバスの信号を受け取るか、あるいはTempレジスタの値を受け取るかを選択する。Tempレジスタの値を受け取るのはXCH命令のケースだけであるので、XCH命令であるという条件をマルチプレクサの制御信号として用いれば良い。
ALUの最後の部品は、キャリーフラグを保持するYレジスタである。下図に示すように、このレジスタは他のレジスタと違って1ビットで出来ており、他のレジスタとは多少異なる制御を必要とする。
キャリーフラグの制御テーブルと回路構成
キャリーフラグFFがセットされるのは、ALU制御表でset-CY欄が"-"になっていない場合であり、この条件をROM型制御信号生成回路で作成してset-CY入力に供給する。また、入力マルチプレクサの選択信号も同様に、CY-selectの表に従ってROM型制御信号生成回路で作成する。
これでALUユニットが出来たので、命令レジスタの部分を作れば、4004の論理設計は完了である。