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ADI、12品種のRFアンプICを発表

ADI、12品種のRFアンプICを発表  

 米Analog Devices(ADI)は、新たに12品種のRFアンプを発表した。WiMAXやWCDMA(携帯電話)の基地局や海洋レーダ、計測機器といった高い性能が求められる分野からRFID機器まで、幅広い分野に向けた製品を用意している。

 同社によると、この12品種の製品を市場投入したことにより、同社のRFシグナルチェーンを構成するすべての半導体製品が揃ったという。同社では従来、RF回路向けの製品として、ミキサやATT(Attenuator)、I/Q変調器および復調器、PLLシンセサイザなどに加え、数種類のRFアンプを揃えていた。今回発表した製品を加えることにより、高い性能が求められる製品についても、同社の半導体製品のみで構成できるようになったという。

 今回発表になった製品は、低ノイズアンプ(LNA)の2品種、中間周波数アンプ(IFA)の5品種、ドライバアンプの3品種、ゲインブロックの2品種。すでに一部の製品で出荷を始めており、本年(2007年)11月までにすべての品種の量産出荷を開始する予定。1,000個購入時の1個あたりの価格は1.56~3.29ドル。

 LNAの動作周波数は400MHz~4GHz。ゲインが15dBでNF(ノイズフィギュア)が0.8dBとNFが低い「ADL5521」と、ゲインが17.5dBでNFが1.1dBとゲインが高い「ADL5523」の2つを用意した。

 IFAは、DCから1GHzまでに対応した「ADL5530」、20MHz~500MHzに対応した「ADL5531」「ADL5532」「ADL5534」、30MHz~1GHzに対応した「ADL5533]の5つを揃えている。

 ドライバアンプは、動作周波数が400MHz~2.7GHzの「ADL5320」、700MHz~1GHzの「ADL5522」、1.7GHz~2.4GHzの「ADL5523」の3つを用意した。

 ゲインブロックは、「ADL5541」と「ADL5542」の2つを用意。動作周波数が50MHz~6GHzと広範囲であることと、ゲイン応答がフラットなことが特徴である。

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コンピュータアーキテクチャの話 (85) 引き過ぎを戻す必要があるのか?

コンピュータアーキテクチャの話 (85) 引き過ぎを戻す必要があるのか? 

 筆算では、引き過ぎて部分剰余がマイナスになってしまった場合は、商を一つ減らして、やり直すという手順を踏むが、本当に、戻す必要があるのだろうか?

 ある桁で除数Dを引いて、部分剰余がマイナスになっても、次の桁で除数D(一つ桁がずれているので、値としてはD/2)を足せば、結果としてD/2を引いたことになる。これは最初の桁では商を1から0に減らし、次の桁で商を1にするのと同じである。

 ということで、引き算の結果、部分剰余がマイナスになっても元に戻さず、次のステップで除数を足し込むという割り算法が考案された。この方法は、部分剰余を元に戻さないので、Non Restoring Division(引き放し法。筆者は、引きっ放し法と書くべきと思うのであるが、学術用語としては重みに欠けるためか、引き放し法という用語が用いられている)と呼ばれる。引き放し法では、部分剰余がプラスの場合は除数Dを引き、部分剰余がマイナスの場合は、除数Dを加える。

 図3:引き放し法の割り算の手順。太枠内が、加算が行われる被除数レジスタの上位半分を示す。

 図3の例は、”101000″=40を”1100″=12で割るという例であるが、最初は被除数の下位2ビットはレジスタの下半分に残っている状態を図示している。最初は2ビットのずれがあるので、除数Dを引くことは12の4倍を引くことになる。そうすると、部分剰余は-8となる。結果がマイナスであるので、次の桁では除数を加える。桁の移動に伴い、被除数を1ビット左シフトするので、ここでは除数の2倍を加えることになる。そうすると、-8+24となり、部分剰余は16となる。更に、最後の桁では、部分剰余がプラスであるので、除数12を引き、余りは4となる。

 この場合の各桁の商であるが、最初が+1、次が-1、そして最後が+1である。従って、次の図4のようにプラスの部分商からマイナスの部分商を引いて、最終結果を求める。

 図4:プラスとマイナスの部分商の加算を行い、最終結果を得る

 このように引き放し法では、プラスとマイナスの商の合計を求める必要がある。しかし、プラスの商Qpとマイナスの商Qnは否定の関係にあるので、Qp-Qn = Qp + (*Qn+1) = Qp + Qp +1となる。つまり、プラスの商Qpを2倍(1ビット左シフト)して、最下位のビットに”1″を入れれば良い。そして、最上位からの桁溢れ(キャリー)は無視する。

 更に良く考えると、プラスの商のビットが”1″になるのは、前回の加算の結果がプラスになった場合であるので、前回の加算結果のキャリーを反転して部分商として使えば1ビット左シフトもできてしまう。また、最下位の引き算の結果がプラスの場合は、符号ビットを反転して書き込めば+1もできてしまう。

 ということで、最終の商を求めるのに加算は必要なく、引き放し法の割り算器の回路は、実は、図2と同じ回路で良い。但し、引き放し法では、最後の余りがプラスになるとは限らず、例えば、この方法で50÷12を計算すると、商が5で、剰余が-10になってしまう。このように剰余がマイナスになる場合は、剰余に除数の1倍を加算して、商を1減らすという処理が必要となる。

 しかし、図2の回路では、マイナスの剰余の符号ビットを反転して商レジスタに書き込んでおり、最終の剰余がマイナスの場合は、”0″が書かれる。つまり、商の最後の+1が行われないので、都合の良いことには、自動的に商の値は-1された正しい値となる。

 但し、剰余の値はマイナスのままなので、プラスの剰余の値が必要になる場合は、最後に除数を足し込むという補正サイクルが必要になる。ということで、引き放し法では、補正サイクルを必要とする場合でもN+1サイクルで商と剰余を求めることができる。

OKI、3方式のビデオ信号に対応したビデオデコーダLSI「ML86V7665」を発売

OKI、3方式のビデオ信号に対応したビデオデコーダLSI「ML86V7665」を発売 

 沖電気工業は9日、アナログビデオ信号のNTSC、PAL、SECAMの3方式に対応したビデオデコーダLSI「ML86V7665」を発表し、サンプル出荷を開始した。サンプル価格は500円。同社では、小型化への要求が強い車載用カメラや、屋外監視カメラなどでの採用を見込んでいる。

 ビデオデコーダLSI「ML86V7665」の外観

 本製品は、日本や北米、韓国、台湾などで使用されているNTSC、欧州や中国などのPAL、フランスや北欧のSECAMの3方式のビデオ信号に対応。ITU-R BT.601規格(13.5MHz)、NTSCスクエアピクセル(12.272727MHz)、PALスクエアピクセル(14.75MHz)の3種類のピクセル周波数をサポートしている。

 また、4つのコンポジットビデオ信号入力(ビデオスイッチ内蔵)や10ビットのA-Dコンバータ、2次元Y/C分離フィルタなどを内蔵している。パッケージは48ピンのTQFP(外形寸法は7×7mm)で、同社の従来品である「ML85V7667」の約半分の大きさとなっている。電源電圧はI/O部とアナログ部が3.3V、コアおよびPLL回路部分が1.5V。動作温度範囲は-40~80℃と広く、屋外や車載機器でも使用できる。また、同期安定性が高く、弱電界信号など信号環境が悪い場合でも安定した画像が得られやすいという。

 同社では7月に評価ボードの貸出を開始する。また8月には評価ボードの販売も行う予定で、価格は10万円を予定している。本製品の量産出荷の開始時期は12月を予定しており、年間120万個の生産を見込んでいる。

コンピュータアーキテクチャの話 (91) シフト回路(シフター)

コンピュータアーキテクチャの話 (91) シフト回路(シフター) 

 割り算器の話しは終わりであるが、整数演算の締めくくりとして、シフト回路について考察しておこう。

 マイクロプロセサの整数の演算には、加減算、乗除算の四則演算の他に、シフトや論理演算などがある。論理演算はビットごとにANDやORなどの必要な回路を作って並べれば良いので、簡単であるが、左右にシフトを行うシフターは、多少、工夫が必要である。シフト命令を見ると、

シフト方向の左右シフトして溢れたビットを捨ててしまうタイプの命令と最上位ビットと最下位ビットをリング状につないでシフトを行うサーキュラーシフト右シフトの場合、符号ビットを保存するか否か

 のようなバラエティーがあるが、基本は、指定された数に従ってレジスタの各ビットを左右に動かすという操作である。

 次の図19は、0~7ポジションの右シフトを行うシフターの回路図である。第一段のスイッチは、自分の位置の入力と左隣からの入力が入っており、スイッチを切り替えるS0信号が”0″の場合には、自分の位置の入力、”1″の場合には左隣からの入力を選択して出力する。つまり、第一段のスイッチ群の出力は、S0が”0″の場合には入力と同じであるが、”1″の場合には全て左隣の入力となり、結果として入力が1ポジション右側にシフトされたことになる。

 そして、第二段のスイッチは真上の第一段スイッチの出力と、二つ左側の第一段スイッチの出力が入力されており、選択信号S1が”0″の場合には真上のスイッチ、”1″の場合には2つ左のスイッチの出力を選択して出力するので、結果として、S1が”1″の場合には第一段のスイッチの出力を2ポジション右シフトする。第三段のスイッチは真上と4つ左のスイッチの出力に接続されており、結果としてS3が”1″の場合は、第二段のスイッチの出力を4ポジション右シフトする。

 このように、S0が”1″であると1ポジション、S1が”1″であると2ポジション、S2が”1″であると4ポジションの右シフトが順に行われるので、(S2、S1、S0)をバイナリの数とした値だけのポジションの右シフトを行うことが出来る。

 図19:7ビット分の右シフターの構成

 紙面の都合で7ビット分のシフターしか書けないが、第四段は8箇所、第五段は16箇所、第六段は32箇所 左側の前段のスイッチの出力に接続するスイッチ構成を付け加えることにより、最大63ビットの右シフタが構成できる。

 この図の左上にA/Lと書いた入力があるが、これはシフトで空いた箇所に”0″を詰めるロジカルシフトの場合は”0″を入力し、符号ビットを詰めるアリスメティック(算術)シフトの場合は最上位ビットであるIn N-1を入力する。

 また、この図の構成では右シフトだけの機能であるが、左右両方向のシフトを行う場合は3入力のスイッチを使い、第一段は左右の隣、第二段は左右2箇所、第三段は左右4箇所離れた出力のように接続すれば良い。そして、最下位ビットと最上位ビットをリング状に繋いでサーキュラーシフトを行う場合は、上記の図でA/L信号を接続した各入力に、右シフトで溢れる下位ビットの対応する出力を接続すれば良い。

 このようにシフターは、論理的には非常に単純な構成であるが、64ビットレジスタの場合の第六段では32箇所離れたビットから信号を持ってくる必要があり、長い配線が多数必要となる。このため、どうしても遅延時間が長くなる。シフターを高速化するため、伝説的な高速プロセサであるDEC Alphaではトランスミッションゲートを使ったマルチプレクサを使っており、また、各段のマルチプレクサの入力を増やして2ビット分のシフトを担当させ、スイッチ段数を半減するというような構成も用いられるが、画期的な遅延時間改善を行う方式は知られていない。

 そのため、例えば、IntelのCore 2プロセサのデータシートでは、ADD/SUBは1サイクル(短い場合は0.5サイクルの命令もある)で終わるのであるが、シフト命令は4サイクルを必要としている。

組み込みエンジニア必須のスキル

組み込みエンジニア必須のスキル  

 前回は、オシロスコープの基本的な使い方について説明しました。メーカや機種によって多少の違いはありますが、オシロスコープには基本操作に加えて便利な機能が付いています(写真1)。基本操作をマスタした上で、これらの機能を使うとより正確な測定ができたり、仕事の効率を上げたりすることができます。今回は、そのような便利な機能について、代表的なものを取り上げていきます。

 写真1 オシロスコープの一例 – メーカや機種によって違いはあるが、いろいろと便利な機能が付いている

工場出荷時設定ボタンとパネル設定の保存呼出

 1台のオシロスコープを複数のユーザで共有する場合、前ユーザが残した設定が残っていて、別のユーザの操作を妨げる場合があります。この場合、「工場出荷時設定」機能が有効です。この機能により前ユーザの残した設定を初期化し、工場出荷時のシンプルな設定に戻してくれます。

 しかし前ユーザは自分の設定を初期化されてしまうので、次に使う際には再度設定し直さなければならないのでは…という心配はいりません。こういったときのために「パネル設定の保存呼出」があります。次も同じ設定でオシロスコープを使う場合のために、この機能を使ってツマミやボタンを含むパネルのすべての設定を保存しておけばよいのです。再度オシロスコープを使う際には、その設定を呼び出すことができます。

オートセットボタン

 基本設定をオシロスコープに任せてしまうという機能が「オートセット」です。オシロスコープの操作を理解していない人でも、この機能を使えばオシロスコープが波形を正しく表示してくれます。

 ただし、オートセット機能は万能ではありません。波形が特殊な形状の場合には、正しい表示ができないということもあります。この場合には、さらに基本的な操作を行うツマミ類を操作して望ましい表示を行う必要があります。そのためこの機能は、基本操作を理解した上で使うよう心がけなければなりません。

カーソルと波形自動測定

 オシロスコープで波形の振幅や周期を測定するには、3つの方法があります。1つ目は前回、すでに説明したように目で見る方法です。2つ目はカーソルを使う方法で、3つ目は自動測定による方法です。

 カーソルを使うには、2本の横線によって測定したい箇所を挟み込むだけです(図1)。その間の電圧は自動的に測定され画面に表示されます。同様に2本の縦線によって挟み込むと、周期が数値化されて画面に表示されます(図2)。

 図1 カーソルを使う方法(1) – 2本の横線によって測定したい箇所を挟み込む場合

 図2 カーソルを使う方法(2) – 2本の縦線によって測定したい箇所を挟み込む場合

 カーソル操作によるヒューマンエラーをなくす機能が「波形自動測定」機能です。この波形自動測定機能では、ユーザは何も操作する必要はありません。メニューから測定したい項目を選ぶだけです。自動測定された結果は数値で画面に表示されます。価格の低いオシロスコープでも測定できる項目は10種以上あり、多くの測定をカバーします。

 図3 「波形自動測定」機能で波形の自動測定を行った結果

画面イメージデータと波形数値データ

 ほとんどのオシロスコープは、表画面全体を写真に撮るように、画面イメージデータを記録媒体に保存できます。パソコンで作る実験レポートに即使用可能です。また、表示されている波形自体もCSV形式の数値データとして保存できるので、表計算ソフトウェアなどで使えます。さらには、今表示されている波形を保存しておいて、後日、再びオシロスコープの画面に再表示することさえできます。

アベレージとピークディテクト

 オシロスコープは波形をデジタル化し、波形のデジタルデータをオシロスコープ内部に保存します。これらのデータをデジタル信号として処理する(デジタル信号処理を行う)ことにより、ユーザに大きなメリットを与える多くの機能を持っています。

 この例として「アベレージ」と「ピークディテクト」という機能があります。これらの機能を使うだけで信号と非同期に発生するノイズを見事に取り除くことができます。逆に「ピークディテクト」機能を使えば、通常では取り逃がすほど極細なパルス性ノイズなどもきちんと捉えることができます。

 今回は、オシロスコープの便利な機能の代表的なものについて紹介しました(ただし、これらの機能は、メーカや機種によっては搭載されていないものもあります)。

 ここで注意しなければならないのは、便利な機能だけを知っていても、それはオシロスコープを使いこなせているとは言えません。あくまでも基本操作を理解した上でこれらの便利な機能を使うことが肝心です。

 さらに正しい測定を行い、正確な結果を得るためには知っておかなくてはならない注意点もあります。次回は、そのあたりのノウハウについてお話します。お楽しみに。

 ※ 本連載記事は、毎週金曜日に掲載いたします。

  著者

稲垣 正一郎(いながき・しょういちろう)
 日本テクトロニクス

 

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  ■ 期間: 2012年12月末まで
  ■ 対象製品: 4000シリーズ・オシロスコープ全20機種
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HN:
上原健二
性別:
非公開
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