仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「3年も働きません!」 (10) 「どうしても辛いなら辞めて適したものを選べばいい」…「らふらく^^」タクスズキさん(後)
「『3年で辞める若者』『3年は続けろ』と言われるけれど、現実に3年前後で退職・転職した人たちは何を考え、どう過ごしているか」がテーマのこの連載。
今回は「らふらく^^」というブログで仕事や働き方について書いて生計をたてているタクスズキさんにインタビューをしました。ブログ一本で生計を立てていくうえで感じていることをお聞きします。
画像はイメージです
ブロガーとしての生活について
――現在の生活で、辛い、苦しい、不安だと思うことはありますか
人と接する機会が減ったのは辛いです。会社だと人と接する機会がありましたが、個人事業主だと、一人の作業が多くなってきます。
その代わり、色んな人に会う機会は増えました。
――会社だとどうしても関わる人は限られてきますが、個人事業主の方は時間的にも制約がなくて「会いたい人に会いに行く」ことが当然のようにできますよね
就活と転職について
――新卒就活をしていたときの自分を振り返ると、いかがですか
Web系のベンチャーを見すぎていたように思います。
もっと大手を受けておけば良かったです。今だと、メディアの投資に力を入れているKDDIなど。メディア関係の事業に携わりたかったので、いまはそう思います。
――学生時代、このような生活をすると思っていましたか
大学に入った頃は、田舎から出てきた人間なので、地元で公務員とか銀行員をやるもんだと思っていました。就職活動を終えてベンチャーに行くと決まった時も、Webサービスを作る人になると思ってしました。人生ってわからないものです。
「3年で辞める若者」について
――同じような境遇で転職を考えている人にアドバイスをするとしたら、どうですか
どうしても辛いなら辞めてしまっても良いと考えています。
日本には色んな環境がありますから、その中から適したものを選べば良いのではないでしょうか。3年以内に転職してる人って意外といますし、それに満足している人もいるんですから、躊躇する必要はないと思います。
――「3年でやめる若者」についてどのように思いますか
特に思うことはありません。好きにしたらいいんじゃないかなと思います。
日本の働き方が海外と比べると、特殊という事は認識しておくと良いと思います。海外って日本と比べ物にならないくらい、流動的に働いています。「3年で辞める」ことが議論されてる事すら、海外の方は理解できないんじゃないですかね。
――逆に「若者はすぐにやめる」という印象が世間的にあると思うのですが、それについてはいかがでしょうか
昔から若者は3年で辞めているので、そうした事実を知ったほうが良いのではないでしょうか。
あと「辞める」ではなく、「次にいく」、もしくは「新しい事をやる」という考え方をしてみてもいいのかな、と思います。
――20年前から比較して3年で辞める若者は30%前後と、大して変わっていないそうですね。ネットでそういった情報が広まったので、ネットに触れている若い人ほど知っているのかもしれませんね。日本人の働き方については、どう思われますか
週5で会社員として働く以外の選択肢があれば良いと思います。
週3は会社員、それ以外は個人で事業をやるといったようにできれば、もっと精神的にも楽になるはずですので。
――ものすごく同感です。では、ご経験を踏まえて「会社」とはなんだと思いますか
普通に生活していたら、会えないような人と出会える貴重な場だと思います。
その貴重な場を離れて思うのが、奇跡的な出会いができるのだから、もっとその環境を楽しめば良かったということです。いま会社で働いている方は、実は奇跡的な環境に身を置いている事を実感すると、もっと幸せになれると思います。
――最後になりますが、タクスズキさんが最終的に目指していることはなんでしょうか
毎日、笑って楽しく暮らすことです。
――ありがとうございました!
まとめ
大学を卒業して会社に入り、転職する、という流れではなく、独立という選択を取る人がいます。
そこに一昔前では考えられなかった「ブログで独立する」という方法が生まれています。独立とまではいかずとも、会社に勤めながら別の食い扶持を持つ人たちがいることから、労働におけるスタイルの変化を強く感じます。
(よく考えたら筆者自身、その端くれでした)
会社からすれば少人数をたくさん使ったほうが人件費が抑えられて効率がよいという見方はありますが、それでも「生活と会社での仕事を同化させる時代」はいよいよもって、終わろうとしているのかもしれません。
個人のスキルを生かして「給料ではない収入」を得る人が増えていけば、必然的に会社での働き方も徐々に多様にならざるを得なくなっていきます。
その日のためにできることは何なのか、若い世代は考える必要があるのかもしれません。
※画像は本文とは関係ありません
武野光
平成2年生まれ。「TOEIC未受験」「サークル未所属」「友達の数が片手未満」といった状況から就職活動に挑み、その体験から得た教訓をつづったブログ『無能の就活。』が大きな反響に。現在はサラリーマンと兼業で作家活動を行う。著書に『凡人内定戦略』『凡人面接戦略』(中経出版)、『就活あるある ~内定する人しない人~』(主婦と生活社)など。マイナビ2016でも、マンガ『キミ! さいよー』(石原まこちん/小学館)内で、一言コラム平成ベビーの就活用語辞典掲載
近畿地方・冬型の気圧配置 ── 寒の戻りに大阪市内もブルッ
10日の近畿地方は、強い冬型の気圧配置となるため雲が広がり、ここ数日、春の陽気が続いていたが、大阪管区気象台によると、大阪市内では最低気温5.9度を観測。晴れてはいるものの日中も気温は上がらず、冷たい風が当たるたびに寒の戻りを感じる一日となった。
はかま姿の女性「寒いけど、せっかくなんでこれで歩きます」
[写真]ここ数日の暖かさが一転、寒さが戻り雪も降ってきた=10日午後12時45分ごろ、大阪市北区の大阪駅前で
大阪市北区や天王寺区でも、出勤する人がマフラーやコートに身を包み、背中を丸めて歩く人の姿も多くみられる。
きょうは大学の卒業式という袴(はかま)姿の女性(22)は「せっかくの袴なんで、寒いけどこれで歩いてます」と笑顔で友達との待ち合わせ場所へ向かっていった。
同気象台によると、あすも冬型の気圧は位置が続くという。
地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=34.702454821210935&lon=135.499440461238&z=18
本記事は「THE PAGE」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。
<ロシア>ネムツォフ氏殺害事件 プーチン政権の関与は? 国際政治学者・六辻彰二
2月27日、モスクワのクレムリン(大統領府)そばの路上を婚約者と歩いていた、野党「ロシア共和党・人民自由党」議長のボリス・ネムツォフ元第一副首相が銃殺されました。3月7日、ロシア連邦保安局(FSB)は容疑者2人を拘束したと発表。これによって、真相は明らかになるのでしょうか。
プーチン政権を批判、野党結集
[写真]2月27日に射殺されたロシア野党指導者のネムツォフ氏(2012年3月資料写真)(ロイター/アフロ )
ネムツォフ氏は1959年生まれ。ソ連末期の1990年、ロシア共和国人民代議員に当選し、ソ連崩壊後は議員、ノヴゴロド州知事などを歴任。改革派としてボリス・エリツィン大統領(当時)を支持し、1997年には第一副首相に任命されましたが、「過大な外資流入がロシアを不安定化させた」として、約8か月で解任されました。ちょうどその頃、入れ違いのようにプーチン氏は大統領府副長官に就任し、権力の座へ駆け上がりました。
ネムツォフ氏はその後もリベラル派として政治活動を続け、2004年にウクライナで親ロシア派大統領に対する抗議運動「オレンジ革命」が起こると、親欧米派を支持。これによって就任した親欧米派のヴィクトル・ユシチェンコ大統領の経済顧問にもなりました。
一方、プーチン政権には批判的で、2012年にはバラバラだったリベラル派野党の結集に参画し、「ロシア共和党・人民自由党」の共同議長に就任。ウクライナ危機におけるロシア政府の関与も批判しており、殺害される直前の2015年2月には、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに「(ロシア政府がその派遣を否定している)ウクライナで死亡したロシア兵に関する報告書を作っている」と述べていました。
プーチン氏は徹底捜査を指示
ネムツォフ氏とともに「ロシア共和党・人民自由党」の共同議長を務めてきたミハイル・カシヤノフ元首相は、事件に関するAFP通信のインタビューに「ロシアを自由な民主国家にするために闘ってきたことへの報復」と述べ、「プーチン政権あるいは過激なナショナリストによる暗殺」を示唆しました。また、欧米メディアの論調もほぼ同様です。
一方、プーチン大統領自身は3月4日、ロシア内務省での会合で、「このような汚点と悲劇からロシアは決別する必要がある」と述べ、徹底した捜査を指示したうえで、「事件には政治的な背景がある」と強調しました。自らへの疑惑が深まっているなか、プーチン大統領の発言は「ロシア政府への不信感を強めようとする勢力の仕業」という意味に捉えられます。
プーチン政権下では主なテレビ局が国営化されており、さらに近年ナショナリズムが強まっているなか、「プーチン大統領の名誉を傷つけるための『挑発』」という政府よりの論調も珍しくありません。その矛先はウクライナ問題に批判的な野党から、CIAに代表される欧米諸国、ウクライナ政府、チェチェンなどのイスラム過激派、さらにネムツォフ氏自身がそれに近かった、プーチン政権下で抑圧された新興財閥にまで向かっています。
少なくない反体制派の殺害事件
プーチン政権に疑惑の眼が向けられることは、これまでを振り返ると、さほど不思議ではありません。ロシアでは、そこにプーチン大統領が関わっているかは不明ですが、これまでにも政府に批判的な人物が殺害された事件は少なくありません。
チェチェン内戦でのロシア軍による人権侵害を調査していたジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤ氏は、2006年に自宅で何者かに銃殺されました。また、2002年のチェチェン過激派によるモスクワ劇場占拠事件がFSBによる「自作自演」であった可能性を指摘していた元FSB職員アレクサンドル・リトビネンコ氏は、やはり2006年に亡命先のロンドンで、放射性物質ポロニウム210によって中毒死しました。
国際NGOジャーナリスト保護委員会によると、ロシアでは2000年1月から2014年12月までの間に39人のジャーナリストが殺害されています。また、それらの犯人はほとんど検挙されておらず、検挙されても当局から詳しい説明はほとんどありません。
今回の事件でも、ロシア当局は当初「現場付近の監視カメラの電源が落ちていたので映像はない」と述べていましたが、監視カメラを管轄するモスクワ市が「クレムリン付近の監視カメラが中断されることはない」と反論。その後、映像データが市当局からFSBに引き渡されるなど、不透明な印象はぬぐえません。
事件がロシアにもたらすもの
[写真]ネムツォフ氏殺害を受けてモスクワでは大規模追悼デモが行われた(ロイター/アフロ )
今回、FSBが拘束したアンゾル・グバシェフ、ザウル・ダダエフの両容疑者は、いずれもイスラム過激派の活動が活発なロシア南部の北カフカスの出身。捜査当局からは「黒幕が海外にいる可能性がある」という情報も漏れています。これに対して、ネムツォフ氏に近かった野党幹部イリヤ・ヤシン氏が、ロイター通信のインタビューに対して「真犯人であるかどうかに関係なく、スケープゴートの逮捕で終わるなら、政治的暗殺は続く」と述べるなど、反プーチン派からの批判が止むことはありません。
野党だけでなく、今回のネムツォフ氏殺害は、少なくとも結果的に、反プーチン政権の国内世論を喚起しました。3月1日、モスクワでネムツォフ氏を追悼する数万人の行進が行われましたが、政治活動が制約されやすいロシアでは、異例の規模でした。
ただし、国内での知名度が高く、欧米諸国の政界とも繋がりをもつネムツォフ氏を失ったことで、もともと強くなかった野党勢力の求心力がさらに低下することは避けられない見通しです。弁護士でブロガーのアレクセイ・ナワルニー氏は、ネムツォフ氏と並ぶ知名度と影響力をもつ野党指導者として知られますが、1日の行進に関して不法な活動を行った嫌疑で拘留されていたため、これに参加できませんでした。事件の真相にかかわらず、プーチン政権が国内から揺らぐことは、当面は考えにくいといえるでしょう。
本記事は「THE PAGE」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。
メガサプライヤー時代(上) 自動車メーカーは部品を組み立てているだけ?
[写真]愛知県刈谷市にあるデンソー本社ビル。世界第2位の自動車部品メーカーだ(photo by At by At)
自動車は数万点の部品からなる複雑な工業製品だ。とてもではないが自動車メーカーだけではその全ては作れない。だから、昔から様々な部品が外部のサプライヤー(部品メーカー)で作られてきた。一番分かりやすいのはタイヤだ。世界中の自動車メーカーでタイヤを内製している会社は1社もない。当然タイヤメーカーから部品として買うのだ。
この他にもよく見るとサプライヤーのロゴが入っているヘッドランプや発電機、ガラス、メーターなどはイメージもしやすいだろう。しかしそういうロゴが全く目につかない部品もある。シート、ダッシュボードなどの内装部品や、クルマの心臓とも言えるエンジンですらサプライヤー性の部品だらけだ。ピストンやピストンリング、バルブ、プラグなど多くの部品がサプライヤーの製品だ。
シャシーに使う鉄板も鉄鋼メーカーから購入している。鉄板は部品とは言えないと思う人もいるだろうが、最近の鉄板はクルマになった時、強度が必要な部分の厚さを増したり予め型抜きされていたりと言ったこともあり、料理で言えば惣菜に近い状態で納品されたりもするのだ。こうした半素材レベルの話まで含めれば自動車メーカーはサプライヤーから調達した部品を組み立てているだけだとも言える。
汎用部品によるコストダウン
1990年代の中頃までは、部品の内製に拘るメーカーもあった。外部から調達するにしても、自社専用の部品を作らせる方法もあれば、そのサプライヤーが作っている汎用の部品を買う方法もある。あるいは汎用品をカスタマイズする方法もあるだろう。簡単に言って汎用品は生産ロットが大きいので価格が安く、専用品は全く逆の構図で高い。カスタマイズはその中間。高くても専用品にしたい理由は、商品の差別化だ。設計要素に対する自由度は当然専用品の方が高くなるから、価格の制約さえなければ純粋に性能を上げやすい。それが数万点も集積されれば、クルマになった時の品質感の差となって現れる。
そういうことに最後まで拘っていたのはメルセデス・ベンツで、年産数十万台しか作らない車種にわざわざ専用の部品を設計して内製していた。例えばステアリングギアボックスだ。一台のクルマにひとつしか使わないステアリングギアボックスの場合、自社製ではせいぜい数十万個だが、汎用なら少なくとも数百万個、多ければ千万単位になる。桁がひとつかヘタするとふたつ違うわけだから、開発費や生産設備投資の回収を考えた時に価格的に勝負になるわけがない。汎用部品は驚くほど安い。
先ほどの品質感の話の逆で、こうした部品価格が数万点分積み重なれば、クルマの原価に多大な影響を与える。品質感を取るか、コストを取るか、その選択肢は時代の流れと共にコストに傾いて行く。グローバル化の加速と共に、売価でも利益率でも汎用部品に頼らないと戦いは厳しくなり、自動車メーカーは勝ち残るため、部品調達価格を抑える手段として、サプライヤーを重用して行くことになる。
下請け工場から研究開発機関へ
しかし、2000年代に入ってからは、その構造が激変していく。サプライヤーは単に安く使える下請け部品屋と言う存在ではなくなった。ではどう変わったのか?
現在のサプライヤーは、メーカーが開発したクルマの図面をもらってただ部品を作るのではなく、システムそのものも開発している。例えばBMWが鳴り物入りで打ち出した「バルブトロニック」はコンチネンタル社が開発したアクチュエーターシステムがキモだ。つまり新型車の目玉技術の根幹がサプライヤー開発の技術という時代に入ったのだ。
その他にも、多くのメーカーのディーゼルエンジンに使われる「ピエゾインジェクター」はデルファイが、フィアットの油圧バルブ駆動機構「マルチエア」はシェフラーが、ディーゼルエンジンの「コモンレールシステム」はデンソーが開発した。もちろん全ての技術がメーカーと関係なくサプライヤー独自開発というわけではない。共同開発することもある。しかし、こうしたシステムがサプライヤーの商品であることから目を背けてはいられない。
それだけで驚いてはいけない。メガサプライヤーのシステム製品は、ハイブリッドシステム、プラグインハイブリッドシステム、回生ブレーキ、衝突安全ブレーキ、自動運転制御などの最先端システムや、トランスミッション、インジェクションや排気マネージメントなど基幹技術まで書き切れないほどあり、エンジン変速機などのパワートレイン、車両制御(VSA)、メーター(UI)、安全装備系などあらゆる部分に及んでいる。
自動車メーカーが新型車に、車両ダイナミクス制御や衝突軽減ブレーキを含む最新のブレーキシステムを装備したいとして、それを自社で開発する必要はもはやない。お金を持ってメガサプライヤーに行けばいい。彼らは手持ちのシステムを自動車メーカーの要求に合わせてカスタマイズし、部品を供給してくれる。
自動車メーカーとサプライヤー間のビジネス構造が根本的に変わったのだ。メーカーは自社設計のクルマの部品をサプライヤーに作らせるのではなく、サプライヤーが研究開発したシステムを採用して商品の核に据えるのである。むしろサプライヤーが「わが社の新製品の○○を採用すれば、御社のクルマがこんなにすごくなりますよ」と売り込みに行く。かつてサプライヤーの汎用部品を使うことは品質感の失墜とセットになっていたが、いまや逆である。華やかなサプライヤーのシステム商品を買うことでクルマの商品力が上がる時代になっているのだ。
例えば中国のあまり技術を持たないメーカーが、ボッシュからプラグインハイブリッドのシステムを買えば、突如プラグインハイブリッドモデルをカタログに乗せることができることになる。
独ボッシュとデンソーがビッグ2
[図表]世界の主な自動車メガサプライヤー
もちろんサプライヤーもそれをビッグビジネスに結び付けて行く、例えば前述のコンチネンタルは、ブレーキやシャシー制御システムの開発を行う時、傘下のコンチネンタルタイヤを基準に設計する。だから完成したクルマには全車当然の様にコンチネンタルのタイヤが装着される。
タイヤを売り込むために競合社と価格競争する必要も、営業が手練手管を尽くす必要もない。開発の請負いイコールタイヤが売れるに直結する。2000年代に入ってからOEMタイヤのシェアでコンチネンタルが気を吐いている理由はそこにある。タイヤ業界のビッグ3であるミシュラン、グッドイヤー、ブリヂストンはほぞを噛む想いでいるだろうが、同じ戦い方はしたくてもできない。
さて、こうしたメガサプライヤーはいくつくらいあるのだろうか? 自動車メーカーと違って、なかなか名前が出て来ないからわかりにくいかもしれないが、それでもトップの数社は誰でも聞いたことがあるはずだ。
ナンバー1はドイツのボッシュだ。ナンバー2は日本のデンソー。この2社が他を引き離してビッグ2を形成している。少し離れてドイツのコンチネンタルとシェフラー、アメリカのデルファイとビステオンがある。デルファイは元GMの一部門、ビステオンは元フォードの一部門だ。これにカナダのマグナ・インターナショナルを加えたあたりがメガサプライヤーと言えるラインだ。
国内で、メガサプライヤーとまではいかないが、ある程度システム的な展開が出来るサプライヤーは、富士通テン、日立オートモーティブ、ケイヒン、ミクニあたりだろう。
「垂直統合」と「水平分業」
モノづくりにおいて「日本は垂直統合型で他国は水平分業型」ということはよく言われてきた。日本だけが特殊であるような言い方には問題があると思うが、実際にそういう例はいくらでも挙げられる。自動車メーカーで言えば、日本はメーカーを頂点にサプライヤーが下請けとしてピラミッドを構成して、縦軸の中で製品が作られる。
対して、クルマに関して言えば欧州では、サプライヤーが様々な汎用製品を作り、メーカーは製品企画を行ってサプライヤーの製品を組み合わせて商品化する。場合によってはその組み立てすら外注化してしまう。これは工場を持たない方式で「ファブレス化」と言われる。クルマの場合は例が少ないが、ファブレス化の世界で一番有名な例は米国アップル社のiPhoneだろう。
メーカーのもう一つの重要な仕事は製品の販売だ。つまり時間軸でみて一番上流にある製品企画と一番下流にある製品販売のみを行い、かつて製造業の核であった生産は外注化してしまう。実際企業に利益をもたらすのは上流と下流であって、真ん中は大して利益を産まない。この段階ごとの利益幅の厚さを表す言葉としてスマイルカーブという言葉がある。ちょうどスマイルマークの口の形に口角に当たる両サイドが上がり、真ん中が落ち込むからだ。
テレビメーカーの凋落がまさにそこにあった。海外のメーカーは画質の追求をほどほどに切り上げ、サプライヤー製品を安価に入手することで価格競争力をメインにした。そうして浮かせたリソースを商品企画と販売に集中したのだ。対して、日本のメーカーは高画質に拘って自社工場で部品を作り続け、多額の過剰投資に押し潰されて沈んで行ったのだ。結果を見れば後のリストラで、その虎の子の最新工場がサプライヤーに買い叩かれ、敵に塩を送ることになった。
現在の自動車産業が直面しているのが、まさにこの水平分業の時代にどう向き合うかという課題なのだ。折りしも欧州でディーゼルエンジンが次世代パワートレインとして急浮上した。そこに欧州自動車産業の戦略あるいは謀略の様な要素があるにせよ、一度現実化してしまった以上、日本のメーカーもそれに対応しないわけにはいかない。
ところが、日本は石原元都知事のパフォーマンス以来、乗用ディーゼルに対して市場が極めて閉ざされてきた経緯がある。急にディーゼルを作れと言われても技術は蓄積なのでそう簡単に垂直統合の中で処理しきれない。メーカーにもサプライヤーにも技術が無いからだ。
こうした中でメガサプライヤーのエンジニアリングを取り入れる流れが急浮上した。ディーゼルシステムの丸投げである。2004年頃だろうか、ボッシュが欧州製のディーゼル車を何車種も日本に持ち込み、実質的なメディア試乗会が開かれたりしたことがあった。当時BMWなどの大排気量ディーゼルに触れてその性能に驚いたものだ。思えばあれは日本の自動車メーカーに対するアピールの狙いが大きかったのだと思う。こうして、ディーゼルをきっかけに日本のメーカーもメガサプライヤー時代の流れに加わった。
後半では、メーカーとサプライヤーの力関係に加え、研究開発のみを行う技術会社についても話をしてみたい。
(池田直渡・モータージャーナル)
本記事は「THE PAGE」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。
どう挽回すべき? 「仕事ができない人」のイメージ払拭法
どの職場でも1人や2人はいるという「仕事ができない人」。一度でもこの”レッテル”が貼られてしまうと、なかなかはがせないものです。同僚や上司からは冷ややかな目を向けられ、仕事がしづらくなり、どんどんできない人になっていく…… なんてパターンは十分にあり得ますよね。一体どうすれば、この負のスパイラルから抜け出せるのでしょう?
「そもそも、仕事ができる人とできない人の区別は、仕事の良し悪しより”印象”で判断されていることが多いです。実際、仕事を進めるのが遅い人でも、印象さえ良ければ『できない人』とは思われず、むしろ『きっと忙しいなか合間をぬって取り組んでいるから遅れているんだ』と良い方にとられます。なので、できない人というレッテルをはがすためには、印象を変えるのが手なんです」
とは、多数の著書を持つ経営コンサルタントの横山信弘さん。では具体的に何をするべき?
「すぐに実践できるのは、”スピード”と”量”です。”スピード”とは、仕事をこなす早さのこと。例えば5日後までに資料作成を頼まれた場合、資料のクオリティは二の次にして、中日の3日目までに完成させることを心掛けてみましょう。クオリティは、チェックを経ることで結果的に上がっていきます。まずは『何をするにも早い』と思われることが大事です」(横山さん 以下同)
また”量”は、あいさつや報告・連絡・相談などの回数を増やすこと。できない人はこれが足りない場合が多いそうです。上司から「もっとホウレンソウを徹底しろ」と言われたら、回数を5倍(!)にするなど、やり過ぎなくらい行ってみましょう。
「この2つを続けるだけで、徐々に周りとの信頼関係が築かれていきます。すると『資料はどこまでできたんだろう?』『まさかギリギリに提出しないよね?』と心配されることがなくなり、何も言わず”待って”くれるようになるんです。”待つ”は『言わなくてもちゃんとやってくれているだろう』という信頼の証ですよ」
ここまでくるには、最低でも3カ月は続ける必要があるそうですが……「仕事ができない人」というレッテルはキレイに消え去っているはず!
「それに一度信頼関係が築かれると、前述したように周りが”良い方にとってくれる”ようになります。特に、仕事ができないと思われていた人の印象が好転した時の評価の上がり具合は、並外れていますよ。途端に仕事しやすい環境になり、『今日は早めにあがりたい』といった要望が言いやすくなるでしょう」
印象を変えるとなると、見た目や話し方を変えるといった大がかりな変身が必要かと思っていたけど、今回教えてもらった方法はかなりシンプル。これなら実践しやすそうです!
横山信弘
アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。経営コンサルタントとして、年間100回以上の講演やセミナーを行う。『絶対達成する部下の育て方』など著書多数。
(松本まゆげ+ノオト)
※この記事はシゴトサプリより提供を受けています