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【海外発!Breaking News】妊娠中の空の旅。ボディースキャナーは危険? 英・王立産婦人科医協会が新指針。
妊娠後期に飛行機に乗るといえば、日本ではほとんどの場合において里帰り出産のためであろうか。後期になればなるほど、機内で産気づいてまさかの出産となることが不安と言う妊婦さんも多くなる。だが妊娠後期に飛行機に乗る本当の怖さとは…!?
妊娠中の飛行機の利用について、多くの航空会社が健康上の問題や妊娠合併症がなければ妊娠35週までの搭乗を認め、9か月以降になると、“どうしても乗らなければならない場合に限り、医師の許可証が添えられれば”としている。だがこのほどロンドンにある英国王立産婦人科医協会(Royal College of Obstetricians and Gynaecologists)は、機内出産よりも恐れるべきものが1つあるとして“妊娠36週目までは飛行機に乗ってよいが、こうしたことだけは必ず守ってほしい”という指針を発表した。
それは深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)。飛行機や長距離バスに座り続ける旅で発生することがあり、静脈に血の塊ができ、それが血流にのって肺の血管を塞げば命取りにもなる大変怖いものである。妊娠前より妊娠中~後期になるにつれ、より頻度が上がるというのだ。一般の人についても機内では水をよく飲み、足首を回すなど気を付けるよう呼びかけられているが、同協会は「妊婦が4時間以上のフライトを利用する場合、万が一の揺れに気を付けてイスにつかまりながら、とにかく通路を歩きまわるように」と奨励し、以下のようにまとめている。
・ゆったりとした衣服と、歩きやすい靴を選ぶ。
・通路側の席を取り、機内をよく歩く。
・よく水を飲む。
・アルコールはそもそも妊娠中は避けるべき。カフェインも控える。
・弾性ソックス(フライトソックス)を着用する。
・ボディースキャナーは胎児に何ら影響を与えないので心配無用。
この同協会のアドバイスは、2011年以来久しぶりの改訂だという。もうひとつ注目すべき点は、妊娠中の女性から忌み嫌われていたボディースキャナーを安全だと明言したことであろう。これは電磁波を照射することで透視のごとくボディをチェックできるマシンだが、その電磁波は携帯電話の出力よりはるかに弱い「ミリ波」を使用しているため、米運輸保安局(TSA)は“ペースメーカー使用者でも大丈夫”と謳っている。ちなみに日本の成田国際空港ではチェックに金属探知機が用いられており、これに抵抗があると申し出れば女性検査員が接触検査を行うなどしてくれる。
またアメリカ妊娠協会(American Pregnancy Association)では、妊婦さんはお腹の中の胎児のためにも適切な気圧と酸素濃度に身を置く必要があるとして、「そのあたりの管理がしっかりしている大手の航空会社を選び、小型機に乗る場合は高度が7000フィートを超えないか確認することが大切だ」と指導している。ちなみに高度といえば、宇宙線の被ばくも心配になるところである。チャーター便は一般の旅客機よりはるか上の高度で飛ぶことが多いため、宇宙線への被ばく量が必然的に高くなるそうだ。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)