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「アメトーーク」は「何か褒めている回」はつまらなくて「何かをバカにしている回」がおもしろい。
高橋維新[弁護士]
* * *
テレビ朝日「アメトーーク」は、回によって当たり外れが激しいという評判をよく聞く。
筆者が毎週「アメトーーク」を見るようになったのは2014年の年末スペシャルからだが、筆者からもおおむね「当たり外れが激しい」原因はつかめたように思う。
まず、おもしろい回は、「何かをバカにする回」の場合である。ある芸人をバカにする回の場合もあるし、トークゲストが自虐的に自分の足りないところを話す回もある。
前者は、出川哲郎と狩野英孝であったり、ダチョウ倶楽部であったり、スピードワゴン・小沢一敬であったり、運動神経の悪い芸人であったりする。後者はといえば、「中学イケてない芸人」とか「人見知り芸人」とか、その類であろう。大抵の場合、やり玉に挙げられるのが芸人であるという点は共通している。
次に、おもしろくない回である。それは「何かを褒めざるを得ない回」である。
例えば、「食シリーズ」や、何らかの表現作品をテーマにした回に顕著である。食シリーズにおいては、明太子だったり、油揚げだったり、生姜だったり、何らかの食材をテーマにしてトークを繰り広げるのであるが、基本的にその食材が「美味しい」「すごい」という形で番組が進んでいく。そのため、褒めるばかりでおもしろくなりようがない。完全にその食材の宣伝にしかならないので、バラエティ番組に告知ゲストが出てきたときと同じ腐臭が漂いさえする。
「何らかの表現作品をテーマにした回」というのは、「ドラクエ芸人」とか「ストⅡ芸人」とかであるが、これもやっぱりテーマになった表現作品を褒める形で番組が進んでいくので、おもしろくなりようがない。たまにその表現作品をバカにしたり、ちょっとおかしいところを指摘したりすることで部分的に笑いが生じるが、全体的には褒め殺しになるため、見ている方もどういう反応をすればいいかがよく分からない。
何かを褒めることで笑いがとれる場合もあるが、それは結局、「褒めすぎ」で誰が聞いても皮肉や嫌味だと分かる場合か、そんな褒めるほどでもないものを褒め(すぎ)ていること自体がおかしい場合である。いずれも、結局「何かをバカにしている回」がおもしろいのだ。
前者は皮肉や嫌味で褒められる方をバカにしているし、後者は(多数派から見れば)どうでもいいものにこだわる褒め手をバカにしている。
ここまでで分かると思うが、「笑い」というのは、本質的に何かをバカにしないと生まれ得ないものなのだろう。…