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デビュー25周年の福山雅治が「魂ラジ」終了に秘めた決意

デビュー25周年の福山雅治が「魂ラジ」終了に秘めた決意

4月も1週間が過ぎ、先月28日深夜に最終回を迎えた福山雅治(46)のニッポン放送「福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル“魂のラジオ”」が新番組に改編された。足かけ23年続いた長寿番組が終わり、リスナーには“マシャロス”になった方も多いかと思う。毎週の楽しみは減ったかもしれないが、新たな福山を楽しみに待ちたい。ラジオに幕を下ろした後、福山は関係者にある決意を語っていた。

 “魂ラジ”最終回の日、日本放送前にはファン3000人が集結した。お祭りムードだったが、福山は放送前に「絶対に泣かない」と語り、実際に放送は湿っぽくならずに終了。感慨よりも大きなものが胸にこみ上げていたからだろう。ラジオブースを去った福山は、過去を振り返るのではなく、番組関係者らに決意表明したという。

 終了の理由は「体力的に厳しい。眠い」だった。福山は“戦友”たちを前に「本当に寝ているわけにはいかない。これだけの(ファンの)人に来ていただいて、ラジオが終わった分、さらにすごいものを作らなければいけないと思った」と宣言。

 続けて「若いミュージシャンに『なんでも持っていますよね。もうほしいものなんてないんじゃないですか?』と言われることがあるけれど、そんなことを言われていてはいけない。満ち足りたから(ラジオを)やめるってことではないんです」と語ったという。

 “魂ラジ”の区切りは、終わりではなく始まり、というわけだ。

 シンガー・ソングライター、俳優として、ツアーや撮影の合間を縫って深夜の生放送を続ける負担は大きい。それでも続けてきたのは、ラジオへの愛があったからこそ。福山にとって「オールナイトニッポン」のDJはデビュー時に掲げた夢だった。まだ長崎の少年だった学生時代から笑福亭鶴光の深夜ラジオを聞き、心地よい孤独感の中でエロトークを楽しんでいたのが原点。ブレークし、二枚目やアイドル的イメージが先行する中、自身もラジオでは下ネタを躊躇(ちゅうちょ)なくぶち込み、素の顔をさらしていった。

 スター然とするのではなく、“スケベで、カッコイイお兄さん”となって男性ファンも虜(とりこ)に。昨年12月23日に初めて開催した特別公演「男の、男による、男のための聖夜にして野郎夜(や)!!」では、男性ソロアーティストの男性限定ライブとしては過去最大となる1万8千人を動員した。

 ファンとの交流のみならず“素顔のマシャ”を主張できる貴重な場所がラジオだった。決して“実入り”のいい仕事ではないラジオに大きな価値を見いだしていたからこそ、区切りをつけるという決断は福山にさらなる覚悟と決意の炎を燃え上がらせたに違いない。

 最終回を終えた後、福山はニッポン放送前に姿を見せ、集まったファンに「戻ってきてくださいと言われる人間であり続けなければいけないと思っています。これからも、おごることなく、戻ってきてくださいと言われるように頑張っていきたい」と告げた。

 “何もかもを持っている”のではなく、持ち続けるために戦い続ける--との宣戦布告だ。デビュー25周年を迎えた今年は、夏に東西2都市でのスタジアム公演と地元・長崎での野外公演を開催すると発表済み。“魂ラジ”の人気コーナーの楽曲をまとめたアルバム「魂リク」も8日に発売される。大いなる前進のためにラジオの生放送から去った福山の今後に注目したい。(デイリースポーツ・古宮正崇)

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