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ピース・又吉、小説『火花』に込めた思い「こうあるべきは芸人じゃない」
お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、14日に放送されたTBS系バラエティ番組『王様のブランチ』(毎週土曜9:30~)にVTR出演し、自身初の純文学小説『火花』に込めた思いを語った。
ピースの又吉直樹
今月11日に発売され、累計発行部数25万部を記録した『火花』(文藝春秋)。売れない芸人・徳永が、奇想の天才である一方で人間味あふれる先輩芸人・神谷と出会うことで、彼のお笑い哲学に心酔しつつ、別の道を歩んでいく物語。2人の芸人の姿から「笑いとは」「才能とは」「生きるとは」「人間とは」を投げかける。
芸人を主人公にした理由について、又吉は「コンビの関係性を語られることはよくあるんですが、先輩後輩の関係性も不思議な感覚」とした上で、”先輩が後輩の食事を必ず奢る”などの「芸人の世界の先輩後輩でしか起こりえないことは独特やなと思って」と説明。実際、又吉は風呂なしの家に住んでいた頃、当時大ブレイク中のオリエンタルラジオ・中田敦彦と食事をして奢ったこともあるという。
また、本作の神谷のセリフ「漫才師とはこうあるべきやと語る者は永遠に漫才師にならへん」については、「漫才師やからめっちゃ酒飲まなアカンとか、ギャンブルせなアカンとか、女遊びせなアカンとか。そういうのをやる人は、芸人に憧れているだけで実は芸人じゃないんじゃないかなと僕はちょっと思っていて」と語り、「嫌いなんですよ。『芸人はこうあるべき』とか『漫才師はこうあるべき』とか『男はこうあるべき』とか言われるのが」「面倒くさくて。別に何しててもええやんと」と胸の内を明かした。
さらに、「共感できるものしか認めないという風潮がめっちゃあるなと。共感しなくても面白いものはあると思うんです」「共感できないなりに理解してほしい」と語るのは、自身が子どもの頃から「共感を得られるタイプじゃなかった」から。「存在は認めてくれ」「おったらあかんやつにするな」という思いがあり、本作についても「『あったらあかん小説』にもしてほしくない」と言う。
本作を執筆後、「いろんな人がいて、常識から弾かれている人もいっぱいいて。そういう人もいていいし、『無駄じゃない』『生きてていい』って思いたいんやなって思いました。伝えたいというよりは僕自身が」と感じたという又吉。次回作については「何にも想定してない」と言いながらも、「いつかめっちゃ笑える小説を書きたいですね。面白いことが好きですから。それはいつかやりたいですね」と意欲を示した。