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円盤が売れないと、なぜ続編が作れない? アニメ監督のツイートでも話題の”深夜アニメのビジネスモデル”とは
4月7日、アニメ『銀魂』シリーズの監督などで知られる高松信司氏が自身のTwitterでアニメのビジネスモデルについてツイートし、話題になっている。本稿では高松監督の発言を踏まえ、改めてアニメ(主に深夜アニメ)のビジネスモデルについて、紐解いていこう。
ことの発端は、先日最終回を迎えた『美男高校地球防衛部LOVE!』の第二期放送を希望するファンの声を受けての高松監督のツイート(@takama2_shinji)だった。以下、主要な部分を引用しよう。
(引用者補足:アニメの)継続の決定は製作委員会がするものだけれど、主な要件はBlu-ray DVDの売り上げです
深夜アニメの制作費はその全てが委員会の持ち出しなので、確実に黒字になるという目算が立たないと二期にはGOが出ない
1クールのアニメを作るのに、ざっくり1億5千万から2億くらいかかるので、それを円盤の利益だけで埋めようというのは、けっこう無茶なビジネスモデルですが、今の深夜アニメはほとんどこの形態ですね。
「良質なアニメ」や「面白いアニメ」が、円盤が売れなかったというだけで葬り去られていくのは忍びないなあ…何かもっと他のビジネスモデルはないんだろうか?
(以上、高松監督のツイート(@takama2_shinjiより引用)
まず、現在のアニメの製作においては”製作委員会方式”が主流といわれている。”製作委員会方式”とは、制作費や許諾料といった、アニメの制作から放送などにかかる費用をさまざまな企業からの出資で賄うスタイルだ。出版社やゲーム会社、テレビ局、レコード会社、広告代理店、配信会社やビデオメーカーなど、”製作委員会”に名を連ねる出資社は多岐にわたり、多くの企業が出資をすることによって、出資リスクを分散する狙いがあるとされている。高松氏が言及するように、現状の深夜アニメにおいては、製作委員会の資金回収はBlu-rayや DVDといったパッケージ販売に依存しているのが一般的だ。つまり、基本的に深夜アニメの”商業的な意味での成功”とは”パッケージが売れる”ことであり、そのため、ある程度”パッケージが売れる”≒”商業的に成功する”作品でないと続編の製作などは難しいというのだ。
また、1クールの30分アニメを制作する場合、1話あたりの制作費は1000万円程度で、12話前後の1クールだと約1億2000万~2億円とされる。また、制作費に加えて、放送枠料金もかかってくる。…