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注目集める「護摩行」企業研修 ── 人間力を高める・大阪箕面で
[写真]炎の前はこれまで一般の人は入れなかったが、命教寺護摩堂では開放中。本格的な護摩行は関西唯一
最近、スポーツ選手などが心を鍛える修行として「護摩行」を受け、それがテレビなどでよく取り上げられている。護摩行とは、2メートルもの炎と向き合いながら、行をすることで自身の本質に目覚めてその目的を達成しようとするもの。そんな護摩行を本格的に体験できる施設が、大阪の箕面市にある。「天王山命教寺」(箕面市栗生間谷)だが、アスリートだけでなく、一般の人も受け入れ、注目を浴びている。
厄払いや企業研修用に利用する人も
[写真]植田真光住職は6年前から護摩行に心血を注ぐ。「もう1人の自分の声を聞いて僧侶になった」
「炎の前は一般の人は入れなかったんですけど、それを開放しています。小規模なものはいろいろありますが、本格的な護摩行をやっているのは、関西ではここだけでしょう。弘法大師が始めたもので、厄払いとして利用される方や会社経営者や幹部、あるいは企業研修用にも使って頂いてます。会社経営者の中には“心”が俯いている人が多い。毎日消化しているだけで、目標に乏しい。そんな方々も、お越しになっています」。
こう話すのは、「天王山命教寺」の植田真光住職だ。護摩行は根性で火に対峙するとか、そういう意味合いのものではなく、「我慢する必要はないんです。心静かに、あるがままの自分を見詰め直し、心のゆがみを解放させるものです」という。
「何のために人は生きるのか」―いつも心のどこかにある疑問だったと、植田住職は話す。
幼いころから、悩み、苦しみ、そしてもがいていたという住職は、中学時代にはケンカに明け暮れていた。やんちゃだったが、あくまで“まじめな不良”だった。「ある時、もう一人の自分に声を傾けて目を覚まし、同時に光が見え、僧侶になった」と言い、今は護摩行に心血を注いでいる。
心から手を合わせ安らかな心地に
「高校を卒業と同時に、真言宗に出家した兄の誘いで、高野山へ上がって修行することになりました」。1991年、桜が満開の4月のこと。高野山は、高野山真言宗総本山「金剛峯寺」をめぐって、100以上の寺院が集まる真言密教の聖地だ。
「高野山真言宗については、開祖建立した弘法大師空海という名前くらいしか知識がなかったんです。でも、お大師様が祭られていて、お大師様の石造と目があった瞬間、私は身体に強い衝撃を受けました。そしてお大師様の満面の笑みを見て、それまでの痛み、恐怖感、ノイローゼの苦しみも、すべて消えていったんです」
心から手を合わせていると、それまで経験したことのない安らかな心地に浸ることができ、そこには穏やかな自分がいたという。
これをきっかけに小さな仏壇とお大師様の座像を購入し、祈りを捧げる修業が始まった。お大師様に出会い、信心に活路を見出したものの、暮らしは楽ではなかった。
「20代後半の頃、狭いアパートに暮らしていましたが、噂を聞いて相談に来る人が多く、うれしいことに私の助言は的確だったと評判になったんです」
護摩行を通して、自身に戻ることを学ぶ
[写真]箕面市、天王山命教寺
一時期は不動産業なども経験したが、30歳を越えて、一本の道を行く決意をする。やがて一定期間、山にこもる修業をやり、そして出家した。下山した後、部屋を清め、さらに「百日行」を済ませ、六畳二間のアパートで、お大師様を前に毎日、6、7時間、祈りを続けたという。やがてさらに口コミで噂が広がり、いろんな人が訪ねてくるようになった。
「それから座像のお不動様、両童子様をお迎えし、ご支援を頂いている方や信者様、お弟子さんの協力のもと、大阪の箕面市に2000坪の山を授かったんです。そして6年前から護摩行をやっています」
有名なアスリートなども訪れているが、珍しいのはここの窓口となっている「参弘舎」(大阪市淀川区東三国)が、日本で初めて「護摩行」を取り入れた企業研修を行っているということだ。
「護摩行を通して、自身に戻ることを学びます。本来の自分を見詰め直し、そこから経営理念を通して自社のあり方、方向性などを見ていきます。人間力をブラッシュアップし、企業としては組織力の向上、自己管理の強化、目標達成の進め方などが明確になります」(参弘舎代表の梅木哲人さん)
「人間は何のために生きるのか」。それを追求していろんなところを巡り、今に至ったという植田住職。護摩堂で行われる護摩行は90分~100分。終わった後には住職の講話もある。いま世の中が不安定とも言えるだけに、人間力を高める機会にもなるのではないか。詳しくは「命教寺」「参弘舎」公式サイトで。
(文責/フリーライター・北代靖典)
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