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【小島啓民の目】高校時代に始まっていた落合氏の「オレ流」努力 自分で考えることの必要性
昔と比べ、選手は指導者に頼りすぎている?
今年も接戦が繰り広げられているプロ野球。以前のジャイアンツ偏重の報道から平準化され、人気も全球団それなりになってきました。昔のロッテ、南海が本拠地としていた川崎、なかもずのような「これがプロ野球の試合か」と目を疑うほどの閑古鳥が鳴く球場、試合は見かけなくなりました。
最近、特に頑張っているのが、日本ハム、ソフトバンクに代表されるように地域密着戦略をとっているパ・リーグ。以前は、ドラフトでパ・リーグに指名をされるようなものなら、会見で露骨に嫌な顔をする選手が多くいましたが、最近では笑顔の方が多いような気がします。
ファンのプロ野球に対する関わり方が変わってきたこともあるのでしょうが、各球団がまとまり、プロ野球界が真剣に変わらなければと取り組んだ努力の証であると思います。
「人気低迷に歯止めをかけたいという球団経営者の熱い気持ちから生まれた成果である」と述べたとおり、最近は巨人偏重時代のころとは全く違った球団運営となってきているのではないでしょうか。皆で力を合わせて必死で考えたことによる成果であると思います。人間、必死で考えれば何か良い知恵が湧いてくるものなんですよね。
さて、「必死で考える」と言えば、野球選手の世界にも通じるものがあり、非常に大切な事項です。
野球界もまだまだと賛否はありますが、昔と違って、育成のシステムはしっかりしてきました。その反面、選手が指導者に頼りっぱなしということも多くなってきた感じも受けています。また、指導者もすぐに答えを教えてしまう風潮にあるように感じます。
落合氏は高校時代から「無類の研究家だった」
昔の指導者は、そういう意味では「冷たかった」。「先輩を見て習え!」が主流でしたから。技術は習得するというよりも、体得するという感じで、結局、自分の体を使って実際にできるようにならなければいけないわけです。
人のプレーを見て、「あのようにグラブを使えば、ゴロが捕れるんだ」とか、「バットをあのように使えば、最短距離に振れるんだ」などのように、自分で感じたことを今度は自分で表現するという作業をしなければなりません。見るのとやるのとでは大違いです。
自分で実際やると「何か違うんですよね」ということは日常茶飯事です。
中日ドラゴンズの落合GMの秋田工業高校時代の話を、1学年下で現在は男鹿工業監督の加藤先生にお聞きしたことがあります。…