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寛大な大田を怒らせてしまった質問…同い年から学ばせてもらった事
【球界ここだけの話】
巨人・大田泰示外野手(24)は、愛称と同じく心も「ビッグ」な男だ。その寛大な大田の逆鱗に触れてしまったことがある。
大田はオープン戦で不調が続き、春季キャンプから起用が続いていた4番から外されていたが、8日の阪神とのオープン戦(○1-0、甲子園)で復活の兆しを見せる決勝打を放った。その試合後の取材でのことだ。
好機で左前適時打を放ったヒーローは「チャンスだからとか、チャンスではないからというのは関係ないです。僕にとって1打席は貴重なものなので」と決死の打席を振り返った。苦悩の日々を過ごした心境を聞こうと、私が質問したときだ。
--最近はなかなか結果が出ず、打率は2割を切りそうな状況(試合前は打率・208)でしたけど…。
大田は突然、私の声をさえぎった。「そんなのじゃない!そんなことにおびえていたら野球にならないから!」。
普段は冷静に取材に対応する大田がこちらをにらみつけ、語気を強めた。結果がすべてともいわれるプロの世界。ましてや激しい外野のレギュラー争いの最中だ。自らが最も感じているであろう成績不振を、報道陣の口からわざわざ数字を指摘してまで聞かれるのは心外だったはず。選手への配慮を欠いた質問だった。大田は報道陣に背を向け、チーム移動のバスに乗り込んでしまった。
大田は2007年ドラフト1位で巨人入団。背番号55(現在は44)を与えられ、「ゴジラ松井の後継」として、幾度となく報道陣に追われる経験をしてきた。今季も新4番候補として再び大きな注目を浴びているだけに、不調時にはわれわれメディアから“たたかれる”こともしばしば。それでも、沖縄・那覇キャンプでは、大田番ではない一見のメディアの取材にも丁寧に応じるなど、誠実な人柄で知られている。
私は“打率質問事件”の後日、大田のもとへ向かった。追い返されることも覚悟していたが、「あれは違う聞き方があるだろ」と笑って許してくれた。今季からプロ野球担当になった記者と同い年だが、大田はプロ7年目。“先輩”から学ばせてもらった。
大田は11日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で走塁中に右太ももを肉離れし、現在は2軍で調整中。27日のDeNAとの開幕戦(東京ドーム)には間に合わないとみられる。とはいえシーズンは長い。日本一奪回を狙うチームを加速させる若き大砲のカムバックを、ファンも心待ちにしているはずだ。
(巨人担当・谷川直之)