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<プロ野球>輝き取り戻せるか松坂投手 9季ぶり日本復帰

 <プロ野球>輝き取り戻せるか松坂投手 9季ぶり日本復帰

 「うーん、何かが違う」。オープン戦のマウンドに立つ「平成の怪物」を見て正直、そう感じた。9季ぶりに日本球界に復帰した福岡ソフトバンクホークスの松坂大輔投手(34)に注がれるファンのまなざしには、期待と不安が入り交じる。米国で失った輝きを取り戻せるのだろうか。
 
  松坂投手にとって今季初の実戦での登板となった、4日の阪神とのオープン戦。舞台は「怪物伝説」が始まった甲子園のマウンドだった。投球数57球。3回を投げ4安打2四球を許しながら、無失点で切り抜け勝利投手となった。三回2死満塁のピンチでは、それまで140キロ前後だった球速が一気に増し、最後は145キロの直球で相手打者を遊ゴロに仕留めた。
 
  だが、今も記憶に残る西武ライオンズ時代の姿と重ね合わせると、素人の目にも「何かが変だ」と映る。以前のような躍動感がなく、どこか窮屈そうに投げているのだ。
 
  10日の巨人戦で「違和感」はより鮮明になった。3回3安打2失点。試合前に雪が舞うほど寒かったとはいえ、先頭打者を2度も歩かせ3盗塁を許すなど精彩を欠き、本人も「やりたいこともあったけど、何もできなかった」と嘆いた。
 
  「巨人戦は天候の条件が悪すぎたから論外として、阪神戦での大輔のフォームを見ると、左足が地面に着いた際に膝が割れ、左肩も早く開いている。その影響で右肩の可動域が狭くなり、右肘が下がってしまっている。だからフォームにしなやかさがなく、球に勢いが乗らないんです」。そう解説するのは、松坂投手が西武に入団した当時の監督だった東尾修さんだ。
 
  実際に東尾さんの言葉通りに動いてみると、より理解しやすい。まず、投球動作で振り上げた左足を、つま先を本塁方向に向けて踏み出す。そして、左足を地面に着けたまま、少しだけ外側に倒してみよう。すると、上半身も左方向に引っ張られるように感じるはずだ。これが「左肩が開く」感覚だ。この状態で右腕を振り下ろそうとしても、確かに窮屈さを感じる。「躍動感がない」投球の正体だ。
 
  では、今季の松坂投手はどこまでやれると東尾さんは見ているのか。「評論家の立場で答えるなら、投球の結果から判断せざるを得ず、厳しい評価になる」。だが、性急に「完全復活」を求める記者をたしなめるように、こうも付け加えた。「昔の面影を重ね合わせてはいけない。理想のフォームに程遠いことは彼自身がよく分かっている。30代になり別の投手になっていることを念頭に置いて、見守るべきじゃないか」
 
  元ヤクルトスワローズのエースで、大リーグから日本球界に復帰した2006年に11勝を挙げた石井一久さんはこう語る。…

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