＜女子ゴルフ＞笠りつ子、プレーオフ制し優勝 ３年ぶり

　

　ゴルフのアクサレディース（宮崎・ＵＭＫＣＣ＝６４９４ヤード、パー７２）最終日の２９日、首位で出た笠りつ子とイ・ボミ（韓国）が６９で回り、通算７アンダーの２０９で並び、笠がプレーオフを制して３年ぶりの優勝を果たした。ツアー通算３勝目で、優勝賞金１４４０万円を獲得した。
　
　　笠とイ・ボミはともに３バーディー、ノーボギーで、優勝争いは３戦連続でプレーオフへ。３ホール目で笠がバーディーを奪って決着した。１打差の３位に３７歳の茂木宏美とウェイ・ユンジェ（台湾）。前年覇者の渡辺彩香と、２週連続優勝を狙った飯島茜はともに通算３アンダーで１０位だった。
　
　　◇プレーオフ巧者も脱帽
　
　　相手は過去プレーオフ（ＰＯ）４戦４勝の巧者、イ・ボミ。初めての経験の笠はそれでも落ち着いていた。「練習というか、楽な気持ちで」ティーグラウンドに立ち、グリーンが近づくにつれて集中力を増した。
　
　　１８番ロングでの１ホール目と２ホール目は、いずれも笠がバーディーパットを先に沈めた。３ホール目は２人ともピンそば３メートルにつけたが、イ・ボミが「先にいく」と打ったパットは外れてパー。笠はしっかり決めて３年ぶりの優勝をつかんだ。イ・ボミも「笠さんが先にバーディー、バーディーと入れたから、すごいなあと思った」と脱帽した。
　
　　勝利から遠ざかっている間、アプローチに悩んでいたが、大会前に片山晋呉からアドバイスを受けた。オフのタイ合宿でも同じ熊本県出身の元賞金女王、古閑美保さんが練習に付き合ってくれ、アドレスなど基本的なことを再確認できたという。
　
　　一緒にタイ合宿をした飯島茜が前週に優勝し「私もそれに続きたい」という思いをかなえた。優勝を決めると両手を突き上げ、飯島と抱き合って目を潤ませた。優勝がなかった昨季の獲得賞金は約４８００万円。「１億円を稼ぎたい」という目標のために、まず一つ勝利を勝ち取った。【早田利信】
　
　　◇「ママさんプレーヤー」茂木３位
　
　　昨年２月に長女を出産した「ママさんプレーヤー」の茂木は３位と健闘した。初日５位、２日目は首位に並び、通算７勝目を懸けて臨んだ最終日は優勝した笠らと最終組で回った。４バーディー、２ボギーでスコアを二つ伸ばしたが、あと１打及ばず「この仕事をしていたら優勝以外は悔しい」。しかし「トータルで３日間考えたら調子がいい。次、頑張ろうと前向きな気持ちで終わりたい」と手応えを感じた様子だった。