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オーガスタナショナルGCも女性会員の入会で揺れた過去 現在は二人のメンバーがマスターズ中も活躍
今では元国務長官としておなじみのライス氏のグリーンジャケット姿もマスターズで見られる
R&A(ロイヤル&エインシェント・ゴルフクラブ・オブ・セントアンドリュース)は1754年の創設以来、初めて女性名誉会員を入会させるが、マスターズを開くオーガスタナショナルゴルフクラブも女性メンバー問題で揺れたことがある。2002年、女性差別撤廃を目指す全国的な団体、NCWO(全国女性組織評議会=ナショナル・カウンシル・オブ・ウーメンズ・オーガニゼーション)のマーサ・バーク会長が、女性メンバーがいないことを問題にした。
「われわれはプライベートなクラブであり、女性を入れるかどうかはわれわれが決める。外部組織の圧力で決めることではない」
当時のオーガスタナショナルGC会長のフーティー・ジョンソン氏はバーク会長の要求をはねつけた。対立はエスカレートし、バーク会長はマスターズのスポンサーに対し不買運動を起こすと宣言。ジョンソン会長はスポンサーなしで03年マスターズを放送することを決めた。常識では考えられないが、そこに固い決意がうかがえる。
バーク会長はマスターズ期間中にコース内でのデモを計画したが、会場に入るのは不可能であり、近くの空き地で実施。実際に参加したのは当初の計画より大幅減の数十人規模。NCWOは本来、職場などでの女性差別撤廃を目的とする組織であり、時間がたつにつれ筋違いではないかと組織内で反発も出たのだ。
しかし、バーク会長は後に「デモは決して失敗ではなく、オーガスタナショナルGCの正門近くで行い、私が逮捕されれば私たちの主張はもっと共感を得て、状況も違っただろう」といった。
オーガスタナショナルGCは、クラブ会則ではメンズオンリーとは謳うたっていない。創始者ボビー・ジョーンズには、全米女子アマ優勝などのキャリアを持つマリオン・ホリンズという女性のゴルフ友達がいた。ジョーンズが設計をアリスター・マッケンジーに依頼したのは、ホリンズの強い勧めもあったからだし、健康なころには共にオーガスタナショナルGCでプレーした。むしろ女性に友好的なクラブだったわけだ。
08年、ほとぼりが冷めたころ、オーガスタナショナルGCはコンドリーザ・ライス氏(ブッシュ政権で女性初の国務長官)とダーラ・ムーア氏(投資信託会社経営)の二人の女性メンバーを迎えた。以降、マスターズではグリーンジャケット姿の彼女たちが働く姿を見かける。
女性メンバーが入ったからといって何かが大きく変わるわけではないが、ゴルフ界の絶えなき発展のごく自然な姿だろう。
文・岩田禎夫
週刊パーゴルフ(2015年3月24日号)掲載
岩田禎夫(いわた・さだお)
1933年生まれ、神奈川県出身。報知新聞にてゴルフをメーンとするスポーツ担当記者として活躍後、70年にフリーのゴルフジャーナリストに転向。以降、現在まで米PGAツアーを中心に世界のゴルフを追いかけている。
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