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上原故障の原因は新練習のせい? MLBが導入し始めた新調整法
メジャーリーグでいま選手寿命が延びるという新たな調整法が注目を浴びている。
「今季より、レッドソックスがその調整法を導入したことで主流となりつつあります。これまでは一部の球団しか取り入れていなかったんですが」(現地特派記者)
その調整法の名前は、Zephyr(以下=ゼファー)という。正確にはゼファーとは計測器の名前であり、アスリートの活動量(運動量)をいままでより精密に計測する調整法が着目されているそうだ。
「従来の計測器はリストバンド型でした。それもかなり優れた商品とされ、野球はもちろん、あらゆるプロスポーツ選手が、脈拍、心拍数、体温、血圧、消費カロリーなどを計測しています。自分がどんな状況におかれたときに心拍数が増えるのかを知ることで、体力トレやメンタルトレーニングのやり方を変えて、パフォーマンスを高めようというわけです」(同)
ゼファーが従来の商品よりも優れているとされる点は、アンダーウエアに計測器が装備されていることだ。重さや違和感が全くないレベルの大きさで、より細かい数字を測定できるという。だが、ゼファーを使った練習は、あくまでもコンディショニング調整が主な役割のようだ。
「2013年にパイレーツが21年ぶりのプレーオフ進出を果たして話題になりました。その快進撃を支えたとされるのが、ゼファーを参考にしたコンディショニング調整でした。レッドソックスはベテランの多いチームなので、昨季の後半戦の息切れを解消するため、導入が決まったそうです」(同)
レッドソックスはキャンプ中、選手がクラブハウスにいったん引き上げ、ゼファーが縫い込まれたアンダーシャツに着替える場面があった。脈拍等を調べ、トレーニングコーチやコンディショニングの担当チームが選手個々に適した練習メニューを提供する。アクシデントは別として、通常と違う数値が続けば故障の前兆であり、怪我を未然に防ぐことも可能だという。
「この調整法に強い関心を示していた1人に、上原浩治がいます」(米国人ライター)
しかし、上原は太ももの張りを訴え、別メニューでの調整が続いている。
「上原はゼファーによる測定で実年齢よりも肉体がものすごく若いことが判明しました。その数値を見て、練習のプログラムを作ったのは医療知識のあるスタッフでした。メジャーの契約は高年齢の選手にドライですが、ゼファーがさらに浸透すれば実年齢より肉体年齢を元にした査定になり、米FA市場にも影響が出るかも」(同)
昨年オフ、2年総額1800万ドル(約21億円)で契約を交わした。あのイチローが移籍先を探すのに苦労し、やっとの思いでマーリンズと契約したが、1年200万ドル(約2億4千万円)だった。上原が異例の高額契約を勝ち取った背景にはゼファーの存在があったようだが、スポーツは数値が全てではない。
ひょっとしたら、上原の故障は「実年齢よりも若い」と言われ、張り切りすぎたのが原因なのかもしれない。