土鍋は万能な調理器具 一人暮らしにもぴったり

　【男の生活練習帖】「土鍋」を持っているだろうか。

　土鍋はオーブンや電子レンジでも使える万能な調理器具だ。保温性が高く、火から離した後でも十分な熱を蓄えている。　さらに、土でできている土鍋は、鍋の中で食材を包みこむようにゆっくりと火を通す。魚や肉などの素材が持つうま味を余すことなく引き出し、ふっくらとした深みのある味に仕上げる。鍋料理はもちろん、煮込み料理にも使えるのだ。

　今では一人用鍋も定番になっている。６号か７号サイズがちょうどいい。卓上コンロを使えば、酒を飲みながら具材を足しつつ、ゆっくり楽しめるはずだ。他の鍋で同じように食べると少々行儀のよくない食べ方に見えるが、土鍋ならそれも許される。調理した鍋が椀（わん）代わりになり、熱々のうちに食べられるのだから一石二鳥。

　例えば、インスタントラーメン。調理が終わったら、土鍋ごとテーブルに持っていき、そのままいただく。鍋の底が相当熱くなっているから、必ず鍋敷きを用意して、その上に鍋を置こう。インスタント食品でも、味も見た目も格段にアップする。最後の一口まで温かく食べられるのだ。

　煮込みうどんや、買ってきたおでんを土鍋に移し替えて食べるのもいい。一人鍋用のつゆや濃縮タイプのものもラインアップが豊富なのでストックしておこう。好みのつゆとカット野菜、ゆでうどんを投入すれば、忙しいときや面倒なときでも、栄養バランスのとれた一品となる。

　土鍋の利便性は、土鍋一つで食事が完結すること。洗い物も少なくなって効率がいい。一度に食べ切れなくとも、土鍋ごと冷蔵庫に入れておけば、ラクに保存できる。便利な土鍋は、一人暮らしと相性が良いのだ。