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小島慶子のそこじゃない!「横行する加害者への“私刑”に正義なんてない」
川崎市の男子中学生が殺害された事件現場には、今も多くの人が献花に訪れる。
逮捕された18歳の少年の画像や実名は瞬(またた)く間にネット上に拡散し、その家族のプライバシーまでが晒(さら)される“私刑(リンチ)”が物議を醸(かも)している。
タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!
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子供が犠牲になる事件が起きると、母親ならではの怒りと悲しみのコメントを求められることがあるけれど、そんな無神経な質問には答えたくありません。安易な同情や義憤は、亡くなった方とご遺族の尊厳を傷つけかねないからです。
何か事件が起きると、「犠牲者への同情や容疑者への怒りを前提にすれば何をしてもいいのだ!」と張り切る人たちがいますね。記者だけでなく、匿名のネットユーザーまで。人物の情報を流したり拡散したりする行為は、名誉毀損(きそん)罪の可能性があると専門家が指摘しています。
小学生の頃にもいました。事件が起きると、すぐに犯人探しをする子。被害者を庇(かば)いながら、加害者を虐(いじ)める子。正義感が強いふりをして、実は被害者を利用して悪意の発散をしているだけです。
大人になっても同じですね。「自分には悪意なんてない」と思い込んだ匿名のいい子ちゃんたちが「悪い子」を見つけては晒し者にする。強い抑圧を抱えた人間が、正義にかこつけて暴力を振るうという構図はオフィスでもよく見るでしょう?
誰の心にもそのいやらしい「いい子ちゃん」は棲(す)んでいる。人ごとではないのです。
●小島慶子(こじま・けいこ)
タレント、エッセイスト。1972年生まれ。キー局アナウンサーとして15年間勤務。「女子アナ」という究極の優等生でいることに耐えられず、ニュースを読んでいても「顔に不満が出ている」と注意を受けていた
(撮影/村上庄吾)