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【舩越園子コラム】J・スピース勝利が物語る“若者”の意味
今季の米ツアーは、ほぼ毎週、最終日が大混戦になっているが、今週のバルスパー選手権も激しい混戦になった。
単独首位でスタートしたライアン・ムーアがそのまま逃げ切り優勝しそうに思われたのは13番まで。以後は、ジョーダン・スピースがムーアに追い付き、パトリック・リードも追い付き、ムーアがボギーで後退し、ショーン・オヘアが首位に追い付き、最後は3人によるプレーオフへ突入。3ホール目で9メートルのバーディーパットを捻じ込んだスピースが米ツアー通算2勝目を挙げた。
プレーオフに残った3人を眺めながら、若者ばかりだなと思ったが、よくよく考えてみたら、21歳のスピースと24歳のリードは若者だが、オヘアはすでに32歳になっていた。かつては天才ジュニアと呼ばれたが、父親のスパルタ教育で精神を病み、家出して彼女の家に転がり込み、彼女の家族のサポートで、なんとかゴルフの世界に戻って米ツアー選手になったオヘア。そのオヘアが初優勝を飾ったのは、すでに10年も昔の話になっており、通算4勝を挙げてきた彼は、若年化が著しい現在の米ツアーにおいては、すでに若者ではなくベテランの部類に数えられる。
そんなオヘアに比べれば、リードもスピースも、まだまだキャリアが浅い駆け出しだ。とはいえ、リードは2013年のウインダム選手権で初優勝を遂げた後、2014年は年間2勝を挙げ、今年はヒュンダイ・トーナメントを制して、すでにオヘアと並ぶ通算4勝の強者。そして、スピースが初優勝を挙げたのもリードと同じ2013年。ちょうどそのころから、オヘアは逆に勝利から遠ざかり、今大会では2011年のカナディアンオープン以来の勝利を目指したが、夢の復活優勝はスピースによって阻止されてしまった。
デビューしたばかりの20歳代の若者たちが次々に勝利を挙げ、30歳代の選手がベテラン選手、中年選手に見られてしまう昨今。巷では「若者たちの時代になった」と言われるけれど、時代というものが若者たちのために動き始めたわけではない。若者たちが若者たちなりに努力と鍛錬を重ね、年上の選手たちより早いスピードで成長しているからこそ、若者たちの活躍が目立ち、彼らの時代が到来したかのように見えるのだ。
スピースが何の出場資格も保証もないまま、スポンサー推薦に頼って米ツアーに出始めたのは一昨年のこと。出場してはトップ10入りして次週への切符を掴み取り、綱渡りで進んでいくギャンブルに彼はあえて挑んだ。…