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どんな課題も2時間で答えを出す -クレディセゾン社長 林野 宏
■どんな課題も2時間で答えを出す
私自身は、西武百貨店に勤務していた30歳前後の時期に、自分で自分にハードなトレーニングを課しました。具体的に言えば、「どんな課題も2時間で答えを出す」という訓練です。
みずから希望して人事部から企画室に異動した時代のこと。当時の西武百貨店は堤清二社長の鋭い感性のもと、新しい文化の発信基地として急成長を遂げつつありました。堤さんは時代の一歩先を行く難しい課題を、次々、担当役員に投げかけるのです。難題を与えられた役員たちは、われわれ企画室のスタッフにそれを振り当ててきます。
私は上司から振られた問題について、いつでも2時間集中して考え、必ず2時間で答えをアウトプットするよう自分に課していました。当日の夕方までには必ずレポートを書いて提出する。クイックレスポンスです。いわばバッティングセンターのように、堤さんが次々投げ込んでくる剛速球を、とにかく必死に打ち返すのです。ファウルでも当たり損ないのチップでもいい。打ち返すことが大事なのです。見送りや空振りは駄目。
2時間と区切ったのは、それ以上いくら時間をかけても、2時間で考えた範囲を超えるアイデアは出てこないと、経験上、悟ったからでした。
目の前の課題には、このように集中力で対処してきました。
人間の頭脳は、仕事をしながらでも今日の夕飯は何を食べようかなどと別のことをいくつも考えることができるもの。それだけ高い能力が備わっています。その、複数のことを同時に考えられる能力を、2時間の間、たった一つの課題に完全集中させたのです。
(09年3月2日号 当時・社長 構成=小山唯史)
■小宮一慶氏が分析・解説
深く考えることで、頭のなかのデータベースがフル回転し始める。そして、お客さま志向などの仮説を打ち立てて、「これはお客さまのためになることなのか」、瞬時に判断していけるようになっていく。「直感が冴えるようになる」と言い換えてもよい。
物事を深く考えるということは、普段から訓練を積み重ねることではじめて身につくのだ。しかし、考えられない人は、もともと「自分がものを考えていない」とは思っていない。それ以上踏み込む努力を怠ってしまう。それでいつまでも“バカの壁”を越えられずにいるのだ。
「グッドはグレートの敵」とも言う。現状に満足しがちな中間管理職ほど、このことを戒めておく必要がある。
林野氏はいまでも「2時間ルール」を自分に課しているようだが、若い頃とは意味合いが変わっているのではないか。…