サイクロン直撃のバヌアツ 13万人が被災 各国が緊急支援へ

　

　

　　巨大サイクロンに襲われた南太平洋のバヌアツについて、国連児童基金（ユニセフ）は15日、「バヌアツの人口の半数以上となる13万人が被災し、そのうち6万人近くが子供だとみられる」と発表し、国際社会に向けて緊急支援を訴えた。

　

　
　　今月13日夜から14日にかけて太平洋の島国バヌアツを直撃したサイクロン「パム」は、16日午後1時現在、ニュージーランドの東の沖合230キロを移動している。ニュージーランド気象局によると、中心気圧は962ヘクトパスカルで、1時間あたり90キロの速さで南東方向へ進んでいる。

　

　
　　国連国際防災戦略事務局（UNISDR）やユニセフによると、バヌアツでは16日午後現在までに少なくとも8人の死亡が確認、30人以上が負傷した。さらに首都ポートビラと周辺の島々を結ぶ橋の多くが洪水で損壊した。

　

　
　　仙台で開催中の国連防災世界会議に出席中のロンズデール大統領は「詳細は不明だが、人口の半数以上となる約13万人が被害を受けた」と述べ、国際社会へ支援を訴えた。

　

　
　　またユニセフは「被災者のうち5万4000人は子供だ」と報告している。日本の外務省は15日、バヌアツに国際協力機構（JICA）を通じてマットなど2000万円相当の緊急援助物資を送ると発表、各国政府も次々と支援を打ち出している。