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チェコ・スロバキアの美都とハンガリーの大平原
【旅ブログキュレーションメディアHUGLOG(ハグログ)より寄稿】
以前働いていた会社のツアーに両親が参加してきました。添乗をしたことのあるツアーとほぼ同日程なので今回は2人が旅したチェコ、スロバキア、ハンガリーの旅行記を代筆します。
朝ホテルを出ると、「ハンガリーの海」とも云われるバラトン湖が変わらぬ姿で眼前に広がっていた。ハンガリー随一のリゾート地であるバラトン湖は、夏になるとバカンス客で賑わう。湖畔に吹く風が心地良い。
朝の散歩を終えると、バスは新たな目的地へと向かう。本日最初に向かったのは、世界的に有名なハンガリーの陶磁器ブランド、ヘレンドの工房だ。街から少し離れた小さな村里に、その本社及び工房があった。門前では、早速ヘレンド製の巨大なライオンが出迎えてくれる。
ヘレンド本社で働くスタッフは総勢1700人。全員が厳しい基準をクリアした精鋭たちだ。また、ヘレンド社の株主のほとんどは工房で働く職人であり、そういった面でも製品の質が保たれているという。
全てが伝統的な技法による気の遠くなるような手作業の賜物。
工房には、カフェ・レストランが併設されている。工房見学を終えたら、優雅にコーヒータイムといきたい。ヘレンド製のカップで頂く珈琲はまた格別であり、この一杯に職人たちの思いが込められているように感じる。
続いてバスは、ハンガリーにおけるキリスト教布教の始点となった地パンノンハルマへと向かった。ブダペストから西へおよそ100キロ、辺りは長閑な田舎の風景が続く。ふと見上げると、ブドウ畑に囲まれるようにして小高い丘があった。丘のてっぺんには、世界遺産パンノンハルマ修道院が聳えている。
世界で最も古いベネディクト会修道院である。ベネディクト会とは、カトリックにおける現存する最古の修道会。彼らの戒律である「清貧、純潔、服従」というイメージ通りの、簡素かつ清らかで静謐な修道院内部。約千年の歴史をもつといわれている。
更なる見所は、併設された古文書館にあった。なんと実に36万冊の書物を収容するとされるこの古文書館は、足を踏み入れたものを圧倒する。修道院は信仰の場であるとともに学問の場にもなった。ハンガリー教育史はまさにここから始まったのである。
さて、ハンガリーとはここでお別れだ。ここからは中欧の美しき小国、スロヴァキアへ入って行く。首都ブラチスラヴァはドナウ川の両岸にできた美しい街で、ブラチスラヴァ城の高台から対岸を見下ろすと、新市街の様子がよく見える。…