三菱ケミカルの太陽日酸TOBでインサイダー取引か？—第三者委員会を設置

　

　

　　三菱ケミカルホールディングスによる太陽日酸のTOBにおいて、インサイダー取引があったとして、証券取引等監視委員会は3月27日、大陽日酸の役員に課徴金の支払い命令を発するよう促す勧告を公表した。課徴金の支払いは内閣総理大臣と金融庁長官に対して発出されるもので、今回は24万円の支払が行われる見通しだ。
　
　　発表によれば、課徴金の支払の対象となった者は、三菱ケミカルホールディングスが太陽日酸の発行済株式を取得して子会社化する決定を伝達されたことを受け、2014年5月13日の同情報の公表よりも前に、三菱ケミカルホールディングスの株式2万株を、830万円で買い付けた。
　
　　証券取引等監視委員会はこのほど、同事実を認定し、金融商品取引法第175条第1項に規定する「第166条第1項または第3項の規定に違反して、同条第1項に規定する売買等をした」行為に該当すると認定した。
　
　　今回の課徴金支払命令の発出勧告については、同事実公表後の2週間における三菱ケミカルホールディングス株の最高株価は427円であったことから、「買付株価×取得株式数 −買付価額」の計算から、24万円の支払いを命じて決着を図った格好だ。（ZUU online 編集部）