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今季急増するイングランドでの差別行為…約5カ月で184件の報告
イングランドサッカー界で、差別行為の件数が増えていることが、反差別団体『キックイットアウト(Kick it Out)』のレポートにより判明した。イギリスメディア『BBC』が2日に報じている。
最近、イングランドのクラブサポーターたちによる差別行為のニュースが続いた。2月17日にチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦ファーストレグのパリSG戦が行われる前、チェルシーサポーターがパリの地下鉄で「俺たちはレイシスト!俺たちはレイシスト!これが俺らのやり方だ!」とチャントを歌っており、意図的に黒人男性の乗車を妨害。
また、同月22日には、アウェイで行われたプレミアリーグ第26節のトッテナム戦後、地下鉄でウェストハムサポーターが反ユダヤ人主義のチャントを歌っている動画が投稿された。さらに3月に入っても続き、またもチェルシーサポーターが、1日に行われたキャピタル・ワン・カップ決勝後、電車内で人種差別のチャントを行い、電車から降りるように鉄道警察から命じられたと報じられている。
浮き彫りとなったサポーターたちによる差別行為だが、これは今シーズンの開幕から続いていた模様。同団体は、シーズン開幕の2014年8月から同年12月28日までの間、イングランドのプレミアリーグやその他下部リーグ、アマチュアレベルなどの全レベルで起きた差別行為の件数が、184件に達したと発表している。
昨シーズンの同じ期間で報告された件数は136件。今シーズンは48件も増加しており、昨年の約1.4倍となっている。その内、人種差別行為が117件で、ユダヤ人差別は32件。また、性差別は13件だが、昨シーズンはたった2件しかなかった。さらに、同性愛者に対する差別が昨年は5件だったのに対し、15件と3倍を記録している。
この数字にはプロ選手が関わったり、SNS上での行為も含まれており、その中で73件が差別関連の犯罪行為と見なされたとも伝えられている。