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日欧の水星探査機「ベピコロンボ」、2017年に打ち上げ延期
欧州宇宙機関(ESA)は3月30日、日本と共同で行う水星探査計画「ベピコロンボ」の打ち上げ日を、2017年1月27日に延期すると発表した。
これまで同機の打ち上げは2016年7月に予定されていた。ESAによると、いくつかの重要な部品の調達や、搭載機器の入手が遅れていることが延期の理由だとされる。ベピコロンボは日本と欧州がそれぞれ開発する2機の探査機から構成されているが、日欧どちらの探査機で起きたものなのか、また具体的な部品の名前などは明らかにされていない。
打ち上げ可能期間は2017年1月27日から約1か月間が確保される。なお、水星への到着日はこれまでと変わらず、2024年1月のままだという。
ベピコロンボは、ESAと日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発している水星探査機で、JAXAは水星周辺の磁気圏や大気を探査する「水星磁気圏探査機(MMO)」を、ESAは水星の表面や地下を探査する「水星表面探査機(MPO)」と、MMOとMPOを水星まで送り届けるための「水星遷移モジュール(MTM)」、そしてMMOを太陽の熱から守るためのシールドの開発を担当している。
MPOはすでに熱真空試験を完了し、MTMとの結合も完了した状態にある。一方のMMOも日本で環境試験を通過しており、今年4月にも日本から欧州へ送られ、MPO、MTMらと結合して試験が行われる予定となっている。
またそれと並行し、ベピコロンボのミッションの詳細設計審査も行われ、3月25日に無事に完了したという。
ベピコロンボは南米仏領ギアナのギアナ宇宙センターから、アリアン5ロケットで打ち上げられる予定だ。探査機はまずロケットによって地球脱出軌道に投入され、続いてMTMに装備されているイオン・エンジンを使い、減速をするように航行する。地球よりも内側の星に行くためには、加速ではなく減速しなければならないためだ。さらに1回の地球フライバイ、2回の金星フライバイ、そして5回の水星フライバイで、これら惑星の重力も使って徐々に減速し、打ち上げから実に7年後の2024年に水星に到着する。到着後は約1年間の観測が予定されている。
■ESA Science & Technology: BepiColombo launch moved to 2017
http://sci.esa.int/bepicolombo/55693-bepicolombo-launch-moved-to-2017/