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横浜FMが今季初勝利…プロ8年目の兵藤慎剛が感じた手応えと未熟さ
兵藤慎剛は悔やんでいた。スコアレスドローに終わったFC東京との前節、54分と55分に立て続けに訪れた2度のビッグチャンスを決めることができなかった。
「やっぱり自分があそこで決めていたら勝てた試合を逃していたので、今日は絶対に結果を残したいと思っていた」
その執念が実った。81分、攻撃のスタートは新加入のアデミウソンだった。アデミウソン、齋藤学、兵藤の連動した動きとパス交換からじわりと相手ゴールに迫ると、小林祐三のクロスにファーで走り込んだ下平匠がシュート。相手DFに当たってこぼれたところを、兵藤が右足で流し込んだ。
「匠がシュートを打つタイミングで相手も結構ゴール前に帰ってきていたので、こぼれてくるかなと思って準備していた。そうしたらちょうど目の前にこぼれてきた。GKが出てくるのも見えていたし、股(が開いているの)も見えていたので、なんとかそこを通ってくれればと思って流し込めた」
今シーズンの横浜F・マリノスは、新監督にクラブ初となるフランス人のエリク・モンバエルツ氏を招へい。昨年までの横浜FMらしさに新指揮官の色が加わった。その守備の部分にちょっとしたズレがあった。
「初戦の川崎フロンターレ戦はブロックを作って取りに行く部分で、監督の意図するところと、選手の意図するところがちょっとズレていた。そこを1試合目が終わった後にミーティングで話し合い、練習に落とし込んでやったことで、だいぶ守備が整備された。守備からの攻撃というところでアデミウソンが前で起点になってくれる分、タメができるようになったのが今の強みになっている」
だが、まだまだ未熟さもある。90分を経過しようとしたところで、警戒していたサガン鳥栖の豊田陽平にあわや、というシーンを作られてしまった。GK榎本哲也のビッグセーブで難を逃れたが、「そこに至るまでのボールの取られ方だったり、試合の終わらせ方がチームとしてまだまだ甘いと思う」と兵藤は言う。
「学の(チャンスの)ところできっちり決めていればもっとラクな展開で終われていたし、ああいう危ないシーンを最後に作ってしまったのはチームとしての未熟さが出てしまったのかなと思う。そういうところも含めて、もう一回スキのないチームを作っていきたい」
気がつけばプロ8年目。常にチームのためにプレーし、どの監督からも重宝されてきた男は、公式戦4試合目での勝利とともにしっかりと手応えをつかんでいた。