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糞便はまるで金鉱。ビッグビジネスの予感と米国地質調査所。

 糞便はまるで金鉱。ビッグビジネスの予感と米国地質調査所。

 金、銀、銅、鉛をはじめ希少価値があるとされる鉱物の宝庫として新たに熱い視線が注がれているのは、驚くことに「下水処理場」。ヒトの糞便を利用した、新たな鉱物“採掘”事業がスタートする可能性が出て来たもようだ。
 
 このほど開催された『米国化学会集会及び展示会(National Meeting & Exposition of the American Chemical Society)』にて、キャスリーン・スミス博士率いる米国地質調査所(United States Geological Survey)の研究チームが大変興味深い発表を行って話題を呼んでいる。
 
 「アメリカ人は水洗トイレを使用して便を流してしまうものですが、実はとてももったいない話なのです。糞便がたどり着く下水処理場は今や宝の山。銀はたっぷり、そして銅、鉛、金、パラジウム、バナジウムなども含まれています。」
 
 彼らは走査型電子顕微鏡を使用し、全米各地の下水処理場における糞便由来の金属検出量を8年ほど前から毎月調査してきたという。スミス博士はその原因について、「金属鉱物は私たちの日常生活のいたるところで使用されています。ヘアケア製品、コスメ、洗剤、消臭剤、そういったものから私たちはナノレベルで金属類を体に摂り込み、最終的には便として排出しているのです」と説明する。また経口としては、パラジウムは銀との合金で歯科治療にて頻繁に使用され、バナジウム天然水や金箔入りの飲食物、サプリメントの白金ナノコロイドなどが出回っている。今の時代、ただ下水処理場がそれを処理するだけではもったいないのであろう。
 
 レアアース(希土類)の代替となる物質の開発に各国企業がやっきになっている今、スミス博士らは糞便における“採掘”事業はビッグビジネスの可能性も十分、これに乗り出さない手はないとしている。「100万人が暮らす地域では1年あたり15億円ほどの収益を上げられるのではないか」とは驚くような数字である。
 
 ※ 画像はtheverge.comのスクリーンショット。
 (TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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