苦しんだ石川遼、思い出のコースで最後に収穫

　

　米男子ゴルフツアーのプエルトリコ・オープンが３月５日（木）から８日（日）まで、プエルトリコ、リオグランデのトランプ国際GC（パー72）で行われ、石川遼と今田竜二が出場。石川は2012年の同大会で米ツアー自己最高の２位をマークし、翌13年はホールインワン（８番パー３）を記録。相性のいいコースでの好スコアに期待がかかった。
　
　　第１ラウンドは１イーグル、４ボギーの２オーバー。２番（パー５）でグリーン脇ラフから６メートルの第３打をねじ込みチップインイーグルを奪ったが、見せ場はこれだけ。４年連続出場の大会で、吹き続ける風には慣れていたはずだが「今年の風が一番強い」。ショット、パットともに精彩を欠き、「しまりのないゴルフだった」と反省した。63位発進となったが、首位とは６打差と望みはつないだ。今田は７オーバーの121位と出遅れた。
　
　　第２ラウンドの石川は、短いパットを外す場面が目立った。ショットは改善されたが、３バーディー、３ボギーのイーブンと伸ばせず、「もどかしい。グリーン上で思うように転がってくれない」。通算２オーバーの57位で決勝ラウンドに進出し「土日にビッグスコアを出せば、まだまだわからない」と気持ちを切り替えた。今田は通算10オーバーで予選落ちし、言葉もなく引き揚げた。
　
　　石川は第３ラウンドでもショートパットが入らない。折り返しの10番で80センチ、11番と13番では１メートルのパーパットが入らず、いずれもボギー。前日からの違和感を引きずったまま、最終18番でも１.５メートルを決められず、結局７ボギーを叩いた。２番（パー５）では風をうまく利用し、第２打を１メートルに付けイーグル。バーディーも２つ取ったが75とスコアを落とし、通算５オーバーの221で下から２番目の74位まで後退してしまった。
　
　　だがようやく、最終ラウンドの中盤から調子を持ち直す。16番（パー３）で８メートルを沈め、17番（パー４）は第２打、最終18番（パー５）は第３打をきっちりピンそばへ寄せ、上がり３ホール連続でバーディー。６バーディー、３ボギー、１ダブルボギーの71と４日間で初のアンダーパーをマークし、「後半の９ホールは球をコントロールできた」と収穫を口にした。大会を通じてショット、パットに自信を持てなかったというが、最後に好感触。通算４オーバーの292で73位と成績は振るわなかったものの「来週につながるプレーができた」。思い出のつまったコースで、苦しんだだけの手応えはあったようだ。