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毒物入りミルクで幼児死亡。事件の複雑な経緯に注目される裁判。(中国)
男女の愛憎のもつれ、怨恨、家庭内トラブルなどを理由に毒殺事件がたびたび発生している中国。2013年には、そうした意図で用意された亜硝酸ナトリウム入りのミルクを何の関係もない幼児が誤って飲み、死亡していた。ゴミを回収した作業員にも過失があり、裁判を複雑なものにしている。
中国・北京市の海淀区で、祖母を殺害しようと男子学生が亜硝酸ナトリウム入りの飲み物を用意し、しかし何の罪もない幼児がそれを誤って口にし、死亡するという痛ましい事件が2013年に発生していた。過失致死容疑で逮捕・起訴されたのはPanという当時19歳の男。注目の裁判が今月1日、海淀区人民裁判所で開始したことを中国のメディア「shanghaiist.com」が伝えている。
事件はこのように起きていた。Panは祖母のお気に入りである飲料用アーモンドミルクを20パックと、危険物に分類される亜硝酸ナトリウムを化学会社から500グラム購入。アーモンドミルクのパックに亜硝酸ナトリウムを20数グラムずつ混ぜ祖母に差し出すも、一口飲んで異変を感じた祖母は残りのすべてのパックをゴミ箱へ廃棄した。ところがゴミの回収にあたったLiさんという女性が、そのアーモンドミルクのパックをこっそりと事業所に持ち帰り同僚に配布。そのうちの1人が自分のXiao Zhengくん(5)という息子に与えたところ、急性中毒症状を呈して病院に搬送されたが死亡した。
Panは祖母を殺害したいという意図があったことを認めているが、動機についてはやや同情の声もあがっている。Panは生まれた時から祖父が所有する床面積60平方メートルの家に身体に障がいを持つ両親、祖父とその後妻とともに暮らしていたが、19歳まで両親と同じ部屋でベッドを共有する生活を強いられていたという。そんな中で祖父が他界し、家の所有者が後妻となったことでPanは「追い出される不安が募り、それと同時に自分の自由になる部屋が欲しくなった」などと供述。悪意はなかったものの、廃棄された飲食物をこっそりと持ち帰ったLiさんの行為も大きく責任を問われるところであろう。
※ 画像はnews.qq.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)