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古里・香川の「大平正芳記念館」老朽化で閉館へ
日中国交正常化などに尽くした大平正芳元首相(1910~80)の古里・香川県観音寺市で、その業績を紹介してきた「大平正芳記念館」が、老朽化のため今月限りで閉館する。
最後の週末となった28日、名残を惜しむ多くの来場者でにぎわった。
コンクリート2階建ての記念館は観音寺市坂本町の市役所近くにある。大平元首相の選挙事務所として1961年に建てられた。
死去から5年後の1985年に発足した大平正芳記念財団が、政治活動の資料や著作、蔵書などをまとめ、同年に記念館としてオープン。元首相が揮毫(きごう)した「天涼人健」の書や写真パネルのほか、帰郷時に寝泊まりしていた和室も当時のまま見ることができる。これまでに3万人以上が来館した。
しかし、老朽化が進み、耐震化と合わせて多額の改修費や維持費が必要になり、財団側が閉館を決めた。
約1万5000冊の図書や資料は、国会図書館や県立図書館に寄贈。衣装や筆記用具などの愛用品、写真パネルなどは観音寺市に譲渡する。市は、生地近くの豊浜中央公民館内にある「大平正芳記念室」を拡充して展示する方針だ。
近年の来館者は年間約1200人だったが、今月に入って多い日には約200人が訪れている。
28日に来館した多度津町の主婦(63)は、旧豊浜町出身。「同郷の偉人として誇りにしてきた。立派な書などを見ると、懐かしさがこみ上げてきます」。
大平元首相の秘書を務めた三豊市の横山忠始市長は「ここには昭和の政治の歴史が詰まっている。私の政治の原点でもある場所がなくなるのはつらい」と話している。(新居重人)
◆大平正芳(おおひら・まさよし)
1910年3月、旧豊浜町に生まれる。大蔵省を経て52年の衆院選で初当選。田中内閣の外相時代に日中国交正常化を実現させた。78年11月に首相に就任。衆参同日選挙のさなかの80年6月12日、急性心不全で死去。70歳だった。太平洋諸国の連携を目指す「環太平洋連帯構想」、地方と都市の多様で均衡ある発展を唱えた「田園都市国家の構想」でも知られる。