菅長官と沖縄知事、短く言葉を交わすにとどまる

　

　菅官房長官は４日、沖縄県を訪問し、米軍キャンプ瑞慶覧内の西普天間住宅地区（宜野湾市）の返還式典に出席した。

　　式典には、米軍普天間飛行場（同）の名護市辺野古移設に反対する翁長雄志（おながたけし）知事も出席した。両氏は５日午前、那覇市内で初会談に臨み、移設問題について意見を交わす。

　　翁長氏が昨年１２月に就任して以降、沖縄基地負担軽減担当を兼務する菅氏の沖縄入りは初めて。両氏は式典で隣に座ったが、短く言葉を交わすにとどまった。

　　西普天間住宅地区（約５１ヘクタール）は先月末で米軍から日本側に返還された。菅氏は式典で、「政府は目に見える形で沖縄の負担軽減を一つ一つ実現する」と強調。翁長氏は「円滑な跡地利用が実現するよう取り組んでいく。政府にも一層の支援、協力をお願いしたい」と述べた。

　　菅氏は式典に先立ち、自民党沖縄県連の懇親会に参加。移設を容認した仲井真弘多（ひろかず）前知事らを前に「普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。移設の原点がここにあったことを忘れてはならない」と訴えた。

菅・翁長氏、沖縄で初顔合わせ＝「辺野古」めぐり５日会談

　

　 沖縄県宜野湾市の米軍西普天間住宅地区の返還式典に出席した菅義偉官房長官（左）と翁長雄志沖縄県知事＝４日午後、同住宅地区

　 　菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志知事は４日、同県宜野湾市の米軍キャンプ瑞慶覧にある西普天間住宅地区の返還式典にそろって出席した。昨年１２月の翁長氏の知事就任後、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐって対立する両氏が顔を合わせたのは初めて。両氏は５日午前、那覇市内で会談する。
　

　

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　　２０１３年の日米両政府の合意に基づく基地返還は、浦添市の米軍牧港補給地区の北側進入路に続き２カ所目。沖縄基地負担軽減担当相も兼務する菅氏は式典で、「返還が新たな沖縄発展のモデルケースになるよう、しっかりと計画を前に進めていきたい。今後も沖縄の基地負担軽減策を目に見える形で一つ一つ実現していく」とあいさつ。跡地を活用した国際医療拠点構想を支援していく考えを示した。
　

沖縄県宜野湾市の米軍西普天間住宅地区の返還式典であいさつする翁長雄志沖縄県知事。右は菅義偉官房長官＝４日午後、同住宅地区

　 　一方で菅氏は、「決して忘れてならないことは普天間基地の一日も早い危険除去だ。固定化は絶対に避けなければならない」とも発言。式典後、記者団に「普天間飛行場の危険除去と運用停止が辺野古移設の原点だ」と述べ、辺野古移設が「唯一の解決策」との考えを改めて強調した。これに対し、翁長氏は記者団に「原点は、県民自ら差し出した基地じゃないということだ」と反論した。　
　

沖縄県宜野湾市の米軍西普天間住宅地区の返還式典に同席した菅義偉官房長官（左）と翁長雄志沖縄県知事＝４日午後、同住宅地区

　 　４日の式典の際に両氏は短時間言葉を交わしたが、普天間移設への言及はなかった。両氏は５日の正式会談で、約１時間の時間をとって意見交換する予定。菅氏は、辺野古移設の必要性を説明するとともに、沖縄振興に全力を挙げる方針を示す。翁長氏は県内移設に反対する考えを直接伝える。菅氏、翁長氏とも、これまで欠けていた意思疎通を図りつつ、着地点を模索する考えだが、双方の立場の隔たりは依然大きい。

防衛指針改定へ詰め＝日韓歴訪で「アジア重視」－米国防長官

　

　 カーター米国防長官＝３月１３日、米メリーランド州フォートミード（ＡＦＰ＝時事）

　 　【ワシントン時事】カーター米国防長官は７日、日韓歴訪を開始する。長官は、２６日からの安倍晋三首相の訪米に合わせた日米防衛協力の指針（ガイドライン）再改定に向け、日本と詰めの協議を行う。中谷元防衛相だけでなく、安倍首相、岸田文雄外相とも会談する方向で調整中だ。長官の日韓訪問は今年２月の就任以来初めてで、アジア戦略の要である同盟関係の足固めに努める。
　　長官は日本で、沖縄県の強い反対に直面している米軍普天間飛行場（宜野湾市）の名護市辺野古移設についても意見交換し、現行計画の推進を確認する見通し。中谷防衛相とは８日に会談する。安倍首相らとも同日中に会う日程を検討中だ。
　　韓国との間では、１０日の韓民求国防相との会談で、北朝鮮情勢や２０２０年代半ばをめどとする戦時作戦統制権の移譲などを討議する。米国の最新鋭迎撃システム、終末高高度防衛（ＴＨＡＡＤ）ミサイルの韓国配備に関しては、米軍に４中隊しかない「貴重な部隊」（軍当局者）で、米軍内でも議論があることから、踏み込んだ話し合いになるかどうかは微妙だ。
　　長官は国防副長官時代、アジアに戦略の軸を移すリバランス（再均衡）政策の立案に深く関わり、ステルス戦闘機Ｆ３５を含む最新鋭兵器の日本配備計画を主導した。中東を舞台にした過激派組織「イスラム国」との戦いなど、各地で課題が山積する中、歴訪を通じ改めてアジア重視の姿勢をアピールしたい考えだ。　
　　長官は６日に米アリゾナ州で演説を行い、総力を挙げてリバランスを進めると表明してから日本に向かう。

日米同盟の役割発信＝議会演説で安倍首相

　

　 ナンシー・ペロシ米下院民主党院内総務（右列中央）一行の表敬を受ける安倍晋三首相（左端）＝３日午後、首相官邸

　 　安倍晋三首相は３日午後、首相官邸で米民主党のペロシ下院院内総務ら超党派議員団の表敬を受けた。首相は２９日に米連邦議会の上下両院合同会議で行う演説について、「日米同盟が今後さらに地域や世界の平和と安定のために主導的役割を果たしていくことを発信していきたい」と述べ、同盟関係の深化につなげたいとの意向を示した。　
　　また首相は、今国会での安全保障法制整備や日米防衛協力の指針（ガイドライン）再改定に言及し、「アジア太平洋地域の平和と安定を日米の協力によって確固たるものにしていきたい」と強調。環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉については、早期妥結に向けた日米の連携の重要性を訴えた。
　　ペロシ氏はＴＰＰ交渉に関し、「この先の道筋もそれほど楽とは言えないが、最善の努力をしていきたい」と語った。

４つの選挙重なり「困っちゃう」…相模原・札幌

　

　

• 市議選と県議選の告示日となり、掲示板に候補者のポスターを貼る各陣営の支援者ら。相模原市では４つの選挙が同時に行われる（３日午前９時７分、相模原市南区で）＝飯島啓太撮影

• 　　統一地方選は３日、４１道府県議選と１７政令市議選が告示され、政令市の相模原市と札幌市は、知事選と市長選を合わせて四つの選挙が重なった。

  　　相模原市では、選挙ポスター掲示板の文字を、選挙ごとに色分けして見分けやすくしている。

  　　相模原市では３日正午現在で、県議選と市議選合わせて７９人が立候補を届け出た。市議選最大の激戦区となった南区（定数１８）には２９人が立候補。小田急線相模大野駅前で午前１０時前に第一声を上げた候補者の陣営は「候補者が多いので、埋もれないようにしないと」と話した。

  　　市選管が用意した市議選のポスター掲示板は、候補者が多いため幅が約１０メートルにもなる。掲示板は市内９７７か所に設置したが、担当者は「大きいので場所を探すのも大変だった」という。

  　　市選管は選挙の種類を見分けやすくするため、掲示板の文字を、知事選はオレンジ、県議選は青、市長選はピンク、市議選は緑に色分けした。市議選候補の陣営は「ポスターを貼り出すボランティアには、貼る場所を間違えないように口を酸っぱくして注意した」と話していた。

  　　市選管は、１２日の投票日も色分けした投票用紙を用意。一つの選挙の投票が済んでから次の投票用紙を渡すことにし、有権者が投票する選挙を間違えないようにする。

  　　地元の主婦（３５）は「たくさん候補者がいて選ぶのに困っちゃう。投票日までに演説やチラシを見てしっかり決めたい」。別の主婦（６２）は「１日で投票が済むのはありがたい」と話す。

  　　札幌市では、選挙カーが市内を行き交い「お願い」の声がこだました。道議選候補の街頭演説を聞いていた札幌市北区の主婦（７１）は「選挙が四つもあるので、候補者を一人ひとり吟味するのには期間が短い」と話した。