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「こんな事件があるなんて」=帰国のクルーズ客ら疲弊―チュニジア邦人死亡テロ

 「こんな事件があるなんて」=帰国のクルーズ客ら疲弊―チュニジア邦人死亡テロ

 

  チュニジアで観光客襲撃テロに巻き込まれたクルーズ旅行に参加した日本人客らが21日夜、帰国した。東京都大田区の羽田空港で取材に応じ、「こんな事件があるなんて」「テロとは無縁と思っていたのに」などと突然の惨事を振り返った。

  横浜市の自営業渡辺洋一さん(67)によると、国立バルドー博物館で襲撃されたのは、現地時間18日朝にチュニジアに到着後、夕方の出港までの自由時間に、外国語ガイド付きのバスツアーに参加したグループ。渡辺さんと妻(65)は「何となく」参加を見送り、難を逃れた。

  夕方、予定時間になっても船が出港せず、「いつになったら出発するのだろう」と外に目を向けると、装甲車や、パトカーに先導された傷だらけのバスが見えたという。渡辺さんは「クルーズ旅行は9回目だが、こんなことは初めて。どこにいても危険だ」と疲れ切った表情で話した。

  埼玉県所沢市の男性会社員(58)によると、日本人観光客は翌日の午前11時、船内の一角に集められた。船側の日本人女性スタッフは口ごもっていたが、客から「事実が知りたい」と詰め寄られ、「3名が亡くなった。行方不明の人もおり、情報が混乱している」と話した。

  男性が船内で耳にした話によると、この直前に行われた外国人客向けの説明では、イタリア人客が船長に対し、マイクで「なぜ警備も付けずに危ないところへ行ったのだ」と怒鳴っていたという。

  男性は「テロとは無関係と思っていたが、そうではなかった。旅行会社のツアーで信用していたのに」と顔をこわばらせていた。

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