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「自分の目で見に来て」=二つの震災、語り部が会合-神戸

 「自分の目で見に来て」=二つの震災、語り部が会合-神戸

  東日本大震災と阪神大震災の伝承方法を話し合う「語り部のつどい」に参加した被災者ら=11日午後、神戸市

   阪神大震災から20年となった神戸市で11日、東日本大震災の被災者を招いて「語り部のつどい」が開かれた。参加者約140人が黙とうした後、震災の教訓をどのように伝え残すか話し合い、「自分の目で見に来て」「『語る』だけでなく『継ぐ』存在が必要」などの意見が出た。
  岩手県宮古市観光文化協会で防災ガイドを務める元田久美子さん(57)は、過去の津波経験から高い防潮堤があった同市田老地区の被害を紹介。「災害は忘れた頃に来るのではなく、人が忘れるから災害となる」と話し、「言葉では伝えきれない。とにかく一度見に来てほしい」と訴えた。
  「津波で流された地区を『昔から更地ですか』と聞く人もおり、風化が心配」と語ったのは、宮城県南三陸町のホテルのおかみ阿部憲子さん(52)。約3年前に始めた観光客向けの語り部バスツアー参加者は10万人を超えた。「きっかけは震災でも、『いい所だね』と言ってもらえるとうれしい。気軽に来てくれることが被災地の希望になる」と力を込めた。
  7歳の時に阪神大震災を体験した河田のどかさん(27)は、NPO法人で防災教育を担当する。「記憶も曖昧な自分が何を伝えるのか」と悩んだが、「備えていたら救えた命があった」との思いが背中を押したという。「語られる経験を次世代に『継ぐ』存在が必要。話を聞いて学び、行動に移すことは誰にでもできる」と呼び掛けた。

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