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<もんじゅ>運転禁止命令、年内の命令解除が困難に
◇原子力規制委「再発防止策が十分実施されていない」
原子力規制委員会は4日、大量の機器点検漏れで事実上の運転禁止命令を出している高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)について、運営する日本原子力研究開発機構が命令解除に向けて提出した報告書に対し「再発防止策が十分実施されていない」と指摘した。事務局の原子力規制庁は、命令解除には四半期ごとの保安検査が最低でも3回必要との見通しを示しており、年内の命令解除は困難になった。
もんじゅでは2012年11月、約1万個の点検漏れが発覚。規制委は13年5月、安全管理体制が整うまで運転再開準備の凍結を命令。原子力機構は14年12月、命令解除に向け三つの報告書を提出したが、未点検機器数の集計ミスが見つかり、今年2月に一部の書類を再提出していた。
規制庁はこの日の規制委定例会で、原子力機構が「原子炉施設への影響がない」として点検を見送っていた機器6891個のうち約7割にあたる4967個について再点検を指示したことを公表。点検機器数の集計ミスについても「根本的な原因を検証し、必要な対策を講じること」を追加の指示として出したという。
機構は今月末の命令解除を目指していたが、規制庁が報告書の妥当性を確認する作業や、保安検査で現場を確認する作業も必要なため、解除は大幅に遅れる。規制委の田中俊一委員長は定例会で「(命令解除には)まだまだ道は遠い。年度内は無理とか気楽なことを言っているような状況ではない」と指摘した。
もんじゅは原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを燃料に使い、消費した以上のプルトニウムを生み出すとされる。1994年に運転を開始したが、事故やトラブルが相次ぎ、長期間停止している。エネルギー基本計画では、放射性廃棄物の低減を目指す研究施設として位置付けられている。【鳥井真平】
◇敦賀市長「いまだ命令解除が見通せない状況は誠に遺憾」
高速増殖原型炉もんじゅの立地する福井県敦賀市の河瀬一治市長は4日、「懸命に改革に取り組んでいるとのことだが、いまだ命令解除が見通せない状況にあるのは誠に遺憾。原子力機構は、残された課題に対して引き続き全力で取り組んでいかなければならない」とのコメントを発表した。
◇もんじゅの点検漏れを巡る主な経過
2012年11月 約1万個の機器点検漏れが発覚
13年 2月 原子力規制委員会が立ち入り検査
3月 重要機器の点検漏れが新たに発覚
5月 規制委が運転再開準備の禁止命令を決定
文部科学省が再発防止に向け是正措置を要求
日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長が引責辞任
9月 原子力機構が改革計画をまとめる
14年 1月 未完の点検計画見直しを「完了」と報告ミス
4月 規制委の保安検査で新たな点検漏れが発覚
12月 問題をまとめた三つの報告書が出そろう
15年 1月 点検機器数の集計ミス発覚
2月 集計ミスを修正する報告書を再提出