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<小渕優子氏>法の網くぐる政治家 本人は不起訴

 <小渕優子氏>法の網くぐる政治家 本人は不起訴

 ◇元秘書ら2人を政治資金規正法違反で在宅起訴
 
  小渕優子前経済産業相が辞任に追い込まれた不正資金事件で、「金庫番」らが在宅起訴された。裏献金や賄賂は確認されなかったものの、東京地検特捜部の捜査は、何度改正を重ねても政治家側が法の網をくぐる不正を続けている実態を浮かび上がらせた。
 
  関係者によると、小渕氏の関係政治団体では、父の故恵三元首相時代から、飲食・交際費などの簿外支出が常態化し、これを具体的な使途の説明が不要な「事務所費」に紛れ込ませる形で処理していたという。
 
  だが2006年以降、他の国会議員の不適切な事務所費問題が発覚し、この手法を使うことは難しくなった。07年12月には改正政治資金規正法が成立し、原則すべての支出の領収書の公開が義務づけられることになった。
 
  小渕氏の関連政治団体で、観劇会の収支を利用した「帳尻合わせ」が本格的に始まったのは、この法改正の後だったという。厳格化された法律の趣旨に背き、新たな不正の手法を選んだことになる。
 
  複数の政界関係者は「収支の帳尻合わせはどこの事務所でもやっている」と明かす。事件は氷山の一角に過ぎないというのが実態だろう。こうした問題を繰り返さないためにも、資金の管理を秘書に丸投げしてきた小渕氏には説明を尽くす義務がある。【近松仁太郎】

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