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<老朽原発廃炉>再稼働にらみ 安全重視の取り組み示す
関西電力と日本原子力発電は17日、運転開始から40年以上たつ老朽原発計3基の廃炉を正式に決め、いずれも4月27日に営業運転を終了すると届け出た。中国電力と九州電力も18日、老朽原発計2基の廃炉を決める。東京電力福島第1原発事故後に定められた「原発の運転期間は原則40年まで」とするルールの初適用となる。原子力規制委員会の認可を受けた後、20~30年かけて廃炉作業を進める。
【関電と原電】廃炉原発3基、4月27日に運転終了を届け出
廃炉にするのは、関電美浜1、2号機と日本原電敦賀1号機。関電の八木誠社長と日本原電の浜田康男社長は17日、それぞれ福井県の西川一誠知事と面会した。西川知事は「放射性物質の拡散防止などの課題がある」と指摘。両社長は、廃炉時の安全確保や雇用の維持に努める考えを伝えた。
原発運転の40年ルールは、2013年7月施行の改正原子炉等規制法に盛り込まれた。原子力規制委の審査をクリアすれば最長20年間、延長できる。施行から3年間は適用が猶予されたため、関電の高浜1、2号機(福井県)を含む7基は今年7月が運転延長の申請期限。廃炉となる5基は発電能力が56万キロワット以下と小さく、各社は運転延長しても、規制委審査を受けるための安全対策費などを考えると採算が取れないと判断。廃炉に踏み切った。
電力各社が一斉に廃炉を決めた背景には、原発再稼働への世論の反発もある。再稼働を推進している政府は、再生可能エネルギーなどの普及で「原発依存度を可能な限り低減」する方針も掲げている。廃炉の実現で、「脱原発依存」に全力で取り組んでいることを示し、再稼働への理解を得たい考えだ。政府は、廃炉で発生する1基当たり210億円の損失について、10年間かけて電気料金に上乗せできる会計制度を15年3月期から導入。電力会社が廃炉を決断しやすいようお膳立てした。
一方、関電は17日、運転開始から約40年の高浜1、2号機と、美浜3号機(福井県)の再稼働審査を原子力規制委に申請した。設備の劣化状態を調べる「特別点検」を実施した後、運転延長を申請する方針。3基は発電能力が80万キロワット級と規模が大きく、安全対策を施しても採算性があると判断した。
既存の原発48基がルール通り運転40年で廃炉になれば、原発は49年にゼロになる。だが、電力各社は廃炉とともに、運転延長も積極的に申請する方針。今回の廃炉は、脱原発依存への一歩というより、再稼働への地ならしという意味合いが強い。【中井正裕、古屋敷尚子】