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H-IIAロケット、情報収集衛星光学5号機の打ち上げに成功
三菱重工と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月26日、情報収集衛星光学5号機を搭載したH-IIAロケットの打ち上げに成功した。H-IIAは今回が28機目の打ち上げとなり、また6号機の失敗後、7号機からは22機連続での成功となった。また、昨年10月から約2か月おきに4機という、非常に短い間隔での連続成功ともなった。
ロケットは日本時間2015年3月26日10時21分、鹿児島県種子島にある種子島宇宙センターの吉信第1射点から離昇した。情報収集衛星の打ち上げであったことから、事前に飛行プロファイルなどは公表されず、打ち上げの中継も行われなかったが、JAXAは同日12時ちょうどに「打ち上げは成功した」との声明を発表した。衛星の分離時刻などは公表されなかったが、太陽同期軌道への打ち上げであったことから、おそらく離昇からおよそ16分後辺りで分離されたものと思われる。
また、米戦略軍が運用する宇宙監視ネットワークは、今回の打ち上げにより、3つの物体が軌道に乗ったことを確認している。ひとつは光学5号機、もうひとつはH-IIAの第2段と考えられる。3つ目の物体は何らかのデブリであると考えられるが、詳細は不明である。
投入された軌道の高度や軌道傾斜角といった情報も公表されていないが、アマチュアの衛星ウォッチャーによって近いうちに特定されることになろう。
情報収集衛星光学5号機は、内閣衛星情報センターが運用する衛星で、日本の安全保障や、災害時の状況把握に活用するため、地表の撮影を行うことを目的としている。情報収集衛星には電子光学センサー(高性能なデジタルカメラ)で地表を撮影する「光学衛星」と、合成開口レーダーを使って地表を撮影する「レーダー衛星」の2種類がある。光学衛星はレーダー衛星より地上の物体を細かく見分けられるが、撮影したい地域が夜だったり、あるいは上空に雲がかかっていたりすると撮影できないという特徴を持ち、一方レーダー衛星は、物体を見分ける能力は光学衛星より劣るが、夜間や天候が悪くても撮影することができるという特徴を持つ。
衛星の製造は三菱電機が担当した。情報収集衛星の寸法や性能などはこれまで明らかにされたことはなく、今回打ち上げられた光学5号機も同様だが、搭載している電子光学センサーは最大分解能30cmから40cmという、地表を非常に細かく見ることができる性能を持っているとされる。…