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「枯山水」庭園、人気ゲームの影響で注目度アップ
あるボードゲームのヒットを機に、いまあらためて注目されつつある日本の伝統的な庭園様式がある。それが室町時代から続く「枯山水」だ。
このところ人気のボードゲーム「枯山水(Stone Garden・8,100円・税込/ニューゲームズオーダー・東京都立川市)」は、プレーヤーが庭師となり、美しく、そしていかに「わびさび」を表現した庭をつくるかを競うものだ。
枯山水とは、水を用いず石や砂だけで自然の風景を表現する日本庭園の様式のひとつで、庭づくりは室町時代の禅宗寺院で盛んとなり、今日に至っている。しかし知識はあっても、その姿を見るのはテレビや雑誌、インターネットなどを介して見るケースが多いかもしれない。
有名どころでは、ユネスコの世界文化遺産に登録されている「龍安寺(りょうあんじ・大雲山 龍安寺/京都府京都市)」の石庭(拝観料500円)などがあるが、今回はちょっと風変わりな枯山水も見てみたい。ゲームのプレーの参考にもなりそうな場所をいくつかご紹介してみたい。
豪快な枯山水は期間限定公開だ。「太山寺(たいさんじ・三身山 太山寺/兵庫県神戸市)」の塔頭(たっちゅう)である「安養院」庭園では、間もなく春の特別公開が始まる。こちらの枯山水は、石組みだけを使ってつくられたもので、神戸市内では唯一の国指定名勝庭園だ。公開は年に春と秋の2回で、春は例年4月27日から5月5日までとなっている。入山料は300円。また希望者には500円で、和菓子と抹茶がふるまわれる。ちなみ秋の公開は11月15日から30日まで。
赤い枯山水も、公開は期間限定となっている。東福寺(とうふくじ・慧日山 東福禅寺/京都府京都市)には、通年公開の東西南北と4つの庭園とは別にユニークなカラーの枯山水がある。これは同寺の塔頭である「龍吟庵(りょうぎんあん)」にある3つの庭園のうちの1つの不離の庭(東庭)だ。ここでは鞍馬の赤石を砕いたものが敷かれており、独特の風情を醸し出している。拝観料は500円。公開日は、通常春と秋の2回で、春は3月14から16日。秋は11月1日から12月7日までとなっている。
日本最南端の枯山水は沖縄にある。「石垣氏庭園(沖縄県石垣市)」は、寺院ではなく個人の住居の庭だ。琉球王朝時代の役人を祖先に持つ同家の庭は、1800年ごろの作庭ともいわれる琉球石灰岩による枯山水様式で、国の重要文化財でもある。料金は無料だが、同庭園があるのは現在も所有者が生活する場。したがって静かに、短時間、かつ見るのは庭だけなど、見学時のエチケット&マナーの遵守はいうまでもない。
ボードゲームがきっかけとなり、改めて注目を浴びる存在となった枯山水。機会があれば、実物を見に各地に足を運んでみるのもよさそうだ。
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