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アングル:米自動車労使交渉に暗雲、進むメキシコへの生産シフト
[デトロイト 25日 ロイター] – 全米自動車労働組合(UAW)は25日、今夏の労使契約交渉では賃上げ要求が最優先事項になると表明したが、業界の雇用と生産が労組に加盟していない国内工場やメキシコへのシフトが進む中、交渉は難航する可能性もある。
米調査会社IHSによると、メキシコの自動車生産は今後6年間で北米市場の4分の1以上の規模に拡大する見通し。
ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)は今週、小型車「シボレー・クルーズ」の次期モデルを生産する工場をメキシコに建設すると発表した。
今夏にGM、フォード・モーター(F.N: 株価, 企業情報, レポート)、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI: 株価, 企業情報, レポート)の米大手3社と労使交渉を開始するUAWにとって、自動車生産拠点としてのメキシコの台頭は、唯一のマイナス要因ではない。
もうひとつの負の要因は組合員の減少だ。この5年間では自動車販売の回復に伴い増加したものの、1979年以降では75%減少している。
UAWのデニス・ウィリアムズ委員長は、新規採用者の時間給が16─19ドルとほぼ同じ職務に就く熟練工の約28ドルを大幅に下回る状況をもたらしている二層構造の賃金体系を廃止したい意向を表明。「すべてのメンバーの賃金を引き上げ、差を埋める」ことを目指すと述べた。
この賃金体系は米3社の業績悪化を受けて2007年に導入されたが、各社の業績が回復した今、労組幹部らは二層構造の改善を求める意向だ。
だが、労組メンバーからはウィリアム委員長の「差を埋める」という言葉に困惑の声も聞かれる。 続く…
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